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「おはよう」
目を開くと、漆黒の艶のあるさらさらとした髪を耳にかけるこの世の者とは思えないほど美しい人が僕の目の前にいた。
「おはようございます」
「ご飯できているよ」
「ご飯?」
目の前には白いお米とお味噌汁魚があった
「僕これ食べていいの?」
「うん、まぁ、神様の力ってやつだね」
「便利すぎて言葉もでないね」
神様の力っていっておけば大体の事がまかり通ると思ってるね、この人。
「じゃあ、手を合わせてください」
なぜか、懐かしくなった。なぜかはわからないけれど。
僕は手を合わせた。そして。神様が次ぎになに言うのかわかった
「「主からのお恵みに感謝しいただきます。」」
びっくりしたようにこっちを見る神様。
そんな神様を初めて見たのに、懐かしい気がして僕は悪戯に笑った。
...
「じゃあ、いってきます!」
「いってらっしゃい。帰るときは僕を呼ぶんだよ。」
「うん!」
扉を出ると森の中だった。え?と思って振り返っても僕が出てきた扉はなかった。まるでそこにはもともと何もなかったかように。ただ、木々がざわざわと風に揺られているだけだった。
でも、どうしてなんて疑問は無駄なのだろう。
あの神様は僕の質問に答えることなく、悪戯っ子のような笑みを浮かべて神様だからねと言うのだろう。