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I-VI ripples thanks festival

5月23日午後7時30分


「やってますですゼエィ」


「そうだなぁ〜」


新井と神田は、小波町感謝祭がやっている中央公園についた。


「遅いぞお前ら」


高森が声を掛けてきた。隣には石橋と木乃が立っていた。


「遅いって、これ位掛かりますよ。で、そこの二人は今まで何してたんですか」


「何って言われてもなぁ、ちょっと野暮用があっただけだ」


「野暮用って遊ぶことですか」


「あぁ〜、ばれてるんだ」


「新島先生が言ってたにゃ〜」


「いや、木乃が誘ってきたからさぁ」


「はぁ、お前が誘ってきたんだろ」


「喧嘩は止めてください。ところで委員長、何の用ですか」


「実はだなぁ、新島先生に特別除霊軍から連絡があって、何でも連続殺人事件の犯人が霊でなぁ、その霊がこの町に潜伏してるらしいんだよ」


「あ、それは知ってます。神田がその事について調べていたんで」


「ですにゃ〜」


「そうか。それでな、その霊がまだまだ魂を欲しがってるらしいんだよ。で、今日は、小波町感謝祭があって人が集まるだろ。だから、霊が来るかもしれないから私達がその霊を除霊しろってさ。特別除霊軍は、表立って行動できないからな」


小波町感謝祭は、12月12日に天使が安全に来るようにする一種の儀式みたいなものだ。そのため、特別除零軍が表立って行動すると感謝祭が中止になるかもしれない。政府は、天使との交流が鎖されることをに危機感を持っている。天使が日本を消す事など造作も無い事なのだ。


「そう言う事よ。じゃあぁ、3グループに別れて捜査しましょう。その方が効率も良いわ」


「それで、どうやって決めるんだ」


「よし、コレならどうだ」


高森が言う。


「じゃんけんだ」




5月23日午後7時50分


「は〜」


じゃんけんで一番最後まで負けた石橋は一人で中央公園の周りの道を歩いていた。石橋は、生まれてこの方じゃんけんに勝ったことが無い。


「委員長。ゼッテー俺が負けるって分かってるくせに」


ちなみに、新井と高森のペアーと神田と木乃のペアーに別れた。石橋が歩いていると、前方に人影が見えた。あちらも気づいたようだ。


「ん?あれは・・・。おーい、男女おとこおんな


「な、お前。その呼び方止めろっていってるだろ」


「何言ってんだよ。もうその呼び方には慣れてるだろ」


「まぁー、そうだけどな。てか、お前が呼び始めたのが原因だろ」


男女と呼ばれたのは、小波高校2年4組、村雨智樹むらさめともき。性別は男だが、顔は美形だ。というより、美人な女性を思い浮かべることができる。男女というあだ名は、石橋が呼んでいたら勝手に定着した。


「石橋、今から一緒に回らないか。どうせ暇だろ」


「ん?今からか・・・・。よし、回ろうではないか。楽しもうではないか」


「テンションを急に上げるな。ドンだけ暇だったんだよ」


「このまま独りだったら多分泣いてたかも」


「泣くんかい」


ニコニコ笑顔の石橋と少し不機嫌な村雨は、中央公園の中央通りを歩いていった。




5月23日午後8時


中央公園は、公園と言う割りには広いので一度友達とでも別れるとなかなか会えない。


「委員長!どこに行ってたんですか」


「すまん。そこでたこ焼きが売っていたからついな」


「お祭り気分で楽しんでるんじゃないですか。ちゃんと仕事もしてくださいよ」


「まぁ、いいじゃないか。何にも起こってないしさぁ。ほら、お前の分のたこ焼きだ」


「・・・。ありがとうございます」


公園なのでそこら辺にベンチなんかもある。新井と高森はベンチに座ってたこ焼きを食べている。すると新井は、人ごみの中にいる一人の人物を発見した。


【あれは、たしか・・・・】


その人物は人ごみの中に消えていった。


「委員長、これ持っててください」


「えっ、お、おい。新井。どこに行くんだよ」


高森が叫んでいるが、そんなことは気にせずに新井は人ごみの中に紛れていった。




5月23日午後8時8分


「今日はいつもより平和ですにゃ〜」


「そうね。でも、平和でなによりじゃない」


神田と木乃はベンチに座って、たこ焼きを食べながら言う。


「あと一時間でこの祭りも終わりね。本当に霊なんて来るのかしら」


「それを言ったら俺たちの意味がないですにゃ〜。まぁ、お互いがんばりましょうにゃ〜」


そんなことを言っていると、前方から高森がやって来た。


「あ、あれ。委員長。新井と一緒じゃなかったんですか」


「あぁ、何かこれ持ってとか言ってどっか行っちまった」


その時、神田の携帯電話が鳴った。


「もしもし。どちら様ですたい」


高森と木乃は、神田をじっと見ている。


「はい。はい。分かりました」


神田の顔が真剣になっていくのが分かる。言葉も普通になっている。


「では、また何かあったら電話をください」


神田は電話を切ると高森たちの方を向いて言った。


「洗濯物を入れておくのをわすれてましたにゃ〜。風でどっかに吹き飛ばされていると寮の管理人が電話してきたんですたい」


高森と木乃は、古典的に滑りそうになった。


「じゃぁ、もう行って来い。さっさと洗濯物入れてくるように」


「了解ですたい、委員長。では、行ってきますにゃ〜」


神田は立って辺りを見回すと、人が少なそうな道を走っていった。


「ねぇ、委員長。これからどうする」


「とりあえず、このたこ焼きを持ってくれないか」


高森は、木乃にたこ焼きを渡すとベンチに座った。




5月23日午後8時15分


「まったく、特別所霊軍のお偉い様方は無理ばかり言いますにゃ〜」


暗い夜道の中を神田はぶつぶつ言いながら走っていた。

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