II-III moment rest
6月23日午前5時58分
朝の光を浴び、新井は目が覚めた。布団から起き上がり頭をボサボサと掻く。
ここはホテルの一室。部屋は日本好きのイタリア人のオーナーによって何室かは和室となっている。そして、イタリアの特別除霊軍最高総司令官の気遣いもあってか、新井たちは和室へ案内された。新井はいつも寮ではベットで寝ているので寝苦しいことこの上ないが、折角用意された部屋を断るわけにはいかなかったのでしぶしぶこの部屋に泊まったのだ。
「首が痛い」
新井は首を右に一回転して、布団から出た。二度寝するというのも一つの手だが、今の新井は眠気というものが何処かに吹き飛んでしまったらしく目がパッチリと開いている。
「うぉぉぉ・・・止めろって言ってんじゃねぇか」
その声のする方を見ると、石橋が気持ち良さそうに眠っていた。
この部屋には3人の布団が敷かれている。一つは新井の、もう一つは石橋の、そして最後にルニーナの布団が敷かれている。初め、新井は3人とも同じ部屋ということに疑問を持っていたが、ルニーナは何も気にした様子は無く、石橋も「早く寝たい」などと言っていたので気にしない様にしていた。しかし、改めて見ると何だか異様な光景だった。右から石橋、ルニーナ、新井という順番で寝ていたのだった。
【この娘には羞恥心というものが無いのだろうか】
ルニーナを見ると、天使のような寝顔で寝ていた。新井は一瞬ドキッっとしたが、両頬をパンパンと叩いて洗面所に向かった。
6月23日午前7時49分
「んん・・」
石橋が目を覚ますと、新井とルニーナがテレビを見ている姿が映った。テレビには日本の番組らしきものが映されてた。
「やっと起きたか。さっさと着替えろよ、これから朝食を食べに行く」
新井はそう言うと、テレビを消し神田に服を渡した。
「何だこの服」
「塩祖って人から頼まれたらしく、このホテルの従業員の人から貰った」
「ふ〜〜ん」
石橋はそう言うと服を着替えに洗面所に向かった。ちなみに新井たちは寝ているときはパジャマ姿であった。
「先に出てようか」
「はい」
新井はルニーナにそう言った。ルニーナもそれに同意し、2人は部屋から出て行った。
6月23日午前8時22分
「美味いなぁこの味噌汁」
石橋は味噌汁を啜りながら言った。
このホテル内にはレストランがあり、新井たちはそこで朝食を取っている。塩祖によって朝食や昼食などはタダとたっており、このレストランはバイキング形式となっている。
「しかし、新井の作る味噌汁には及ばないな」
「あんたは俺の夫か何かか」
新井はとても料理が上手だ。その腕は、そこらの三流料理人なら簡単に蹴散らしてしまうほどだった。新井はよく除霊委員会の面々に料理を振舞っていたので、このような事を言われることが多い。ちなみに、新井は料理が上手いと言われることを嫌っている。
「そんなに美味しいのですか。このお味噌汁もかなり美味しいのですが」
ルニーナは味噌汁を見ながら石橋に問いかけた。
「ああ、新井の料理を食った後にこれを食ったら、もう天と地の差があるくらい不味いと感じられるほどだぞ」
「言い過ぎだ」
「まぁ、食べてみりゃぁ分かるからさ。今度御馳走してあげよう」
「はい。また機会があったときにでも」
「ま、俺が作るんだけどな」
6月23日午前9時16分
「さて、そろそろ行くか」
石橋そう言うと、新井たちと部屋を出た。
「玄関前にもう一人の仲間が待っているので、玄関前に行ったら紹介します」
「おう」 「ああ」
新井と神田は殆ど同時に返事をした。
なかがきもどき〜辞書編〜
どうもQQQです。多分皆さん名前を忘れているか知らないと思うので、ここで名乗っておきます。
さて、なかがきもどきです。辞書編です。何故『辞書編』なのかというと、この作品の中に分からない単語が出てきたと思います。作者も時々分からなくなります。なので、この場をお借りして分からない、謎だっていうような言葉の意味を説明したいと思います。
まず第一回は・・・・『天使の下界移動』です。
天使の下界移動とは、簡単に言うと『天界にいる天使が、下界(我々の居る世界)へ来ることです』。
本来、天界と下界は全く別の世界なのですが、小波町の穂都堀神社は年に一度、12月12日に天界と下界を繋ぐ道を作るのです。
12月11日に穂都堀神社の鳥居の周りに様々な色の花を置き、そして12日の午前0時になった時、天界と下界が繋がります。昔は花の代わりに、5人の人間の死体が使われていました。
天使が行き来するのが主な方法ですが、人間も天界に行くことが出来ます。そうした場合、人間の方は天界に充満されている悪性霊エネルギーによって、脳に障害がでたり急にガンが出来て死に至ったりします。
天使の方は、12月13日になると二度と天界に戻れなくなり、天使の能力も失ってしまいます。
分かりましたか?バッサリと書いてみたものの、何て分かりにくい辞書なんだ。まぁ、皆さんは優しいので文句等は言ってこないと思います(鬼の様な笑顔)。
ではでは、感想や評価を待ってますので、よろしくお願いします。
そういえば、辞書って何?美味しいの?