II-II die time
6月22日午後10時17分
「うえぇぇ、酔った・・」
新井は新鮮な空気を吸いながら言った。
イタリアには、本来なら約13時間から15時間ぐらいの時間が掛かるが、この戦闘機は約10時間という時間でイタリアまで飛んだのだ。現在の技術には、霊エネルギーを使った技術が研究されており、この戦闘機もその技術を応用した物である。
「お待ちしておりました」
新井たちの目の前には美少女が立っていた。見た目から考えるとハーフで、年は14歳ぐらい、髪は金髪で瞳の色は澄んだ緑色をしている。
「君は誰だ」
俺の質問に対して、その少女ではなく石橋が答えてきた。
「塩祖から貰った資料によると、名前は小林ルニーナ。イタリア人と日本人のハーフで、今回は戦闘はもちろん、通訳として派遣されたらしい」
「へえ〜」
「これによるともう一人いるらしいが、どこにいるか分からないかルニーナちゃん」
【初対面の人にいきなりちゃんずけとか、さすが誰もが認める女誑し】
新井が心の中でそんな事を考えていると返事が返ってきた。
「いいえ。多分、この建物の中に居ると思われます」
「そういえば、この建物は何なんですかルニーナさん」
「この建物はイタリアの特別除霊軍本部です」
「ここがねぇ。よし、じゃあもう中に入るか。案内頼むよ、ルニーナちゃん」
「はい」
6月22日午後10時25分
新井たちはイタリアの特別除霊軍最高総司令官の部屋に入った。そこには、50歳後半の男性がいた。
「いやいや、待ちわびていましたよ」
最高総司令官の男が新井たちに話しかけてきた。もちろんイタリア語である。新井たちは、ソファーに座るよう勧められ、それに従った。
「では、今イタリアで起こっている事についての情報をください」
新井たちは、ルニーナに通訳してもらい大体の状況を掴んだ
「なるほど。つまり、突然現れた天使によってイタリアの特別除霊軍の人達が殺されていると。それで、力を貸してほしいという訳ですか」
ルニーナに通訳してもらう。
「そういうことです。どうか力を貸してください」
またルニーナに通訳してもらう。
「もちろんです」
6月22日午後11時14分
「あれから入国審査やらなんやらで疲れたぜ」
「何言ってるんですか、石橋さんが道に迷ったりするからです」
「しょうがないだろ、この中結構広かったんだから」
「そうですかぁ。さて、これからどうしますか」
「今日はもう遅いからな・・ホテルも取ってあるみたいだし、そっちに行くか。ルニーナちゃん、また案内頼むよ」
「分かりました」
6月23日午前0時
グラッパには、町の象徴として中央に聳え立つ時計塔がある。その時計塔の屋根の上には女神の像が建てられていて、その横に一人の男がいた。
「やっと来たな。あいつの言ってた通りか」
顔はフードを深く被っているので見えない。しかし、背中から堕天使の翼が出ている。
「あの野郎は気に入らねぇが、神も人間も気に入らないからなぁ。仕方ない、あいつの命令通り今日来た奴らも殺すか」
暗い闇の中、その男は不気味にに笑う。
「絶命タイムだ!!!」