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II-I Move story

6月22日午後4時


「もう後3日で期末考査だな」


新井が神田と亜美に言う。


「そういえばもうすぐだニャ〜。全然勉強なんてしてなかったですたい」


「お前は勉強なんてしなくても赤点なんて取らないから良いけど、私と新井はマジでやばいからな」


「いや、そんなこと自慢するな。てか、俺を入れるな」


「いや新井、お前は基本数学しか出来ねーだろ」


「ぐっ」


「数学は小学校から天才的に凄いのに、国語や英語は全然駄目。壊滅的だ。それに数学が出来るなら理科だって出来るかと聞かれたら、そうでもないだろ」


「数学が天才的ってのは分かるニャ〜。俺は新井に一回も点数で勝ったことが無いしニャ〜」


「・・・うるせぇ」


「じゃあ、明日皆で勉強でもするか」


「賛成だニャ〜」


「新井はどうする」


「分かりましたよ。行きます行きます!」


「あ、拗ねた」


「拗ねたニャ〜」




6月22日午後6時17分


「新井、電話が鳴ってるゼヨ」


神田が寮に置いてある電話を指差しながら言った。


「すまん、今手が離せそうに無い。代わりに出てくれ」


「しょうがないニャ〜。もしもし、どちら様ですか」


「あれ、何でお前が出るんだ」


電話の相手は高森だった。


「まぁ、お邪魔してるということですたい。どうしたんですかニャ〜」


「ああ。何か新井に来てほしいだとさ」


「誰がニャ〜」


「特別除霊軍のお偉いさまがただとよ」




6月22日午後7時40分


「ここが特別除霊軍本部か。初めて来たな」


新井は高くそびえ立ったビルを見ながら言った。


「何で俺まで付いて来なくちゃならないかニャ〜」


「場所が分からなかったんだよ。良いだろこれくらい。俺の部屋で飯食ったんだし」


自動ドアが開き、新井たちはビルの中に入っていった。




6月22日午後7時43分


「ここがお偉いさまの部屋ねぇ」


新井と神田は最上階のとあるドアの前に立っていた。両サイドには、ロビーから付き添いとしてボディーガードの男が2人立っていた。


コンコン


「失礼します」


右側のボディーガードの男がドアを叩き、そう言った。


「あぁ、入れ」


中から声が聞こえ、右側のボディーガードがドアを開けた。


「やっと来たか。・・あれ。神田、お前も来たのか」


ドアを開けて入ると、広い空間の中央にテーブルと3人掛けのソファー2つがあり、そこに2人の男が座っていた。


「お前は・・・」


新井から見て右側のソファーには塩祖流斗しおそるとが座っていて、反対側のソファーにはふくれっ面の石橋が座っていた。


「こんばんは、塩祖さん」


神田はお辞儀をしながら言う。


「え、神田・・・・何、どういうこと」


「まぁ、とりあえず座ってくれ」


塩祖に言われるまま、新井と神田は石橋の方のソファーに座った。


「で、何から聞きたい。新井君」


「とりあえず、何でここに呼び出したんですか」


その質問に塩祖は驚いた顔をした。


「何故俺がここにいるっていうのは聞かないのかい」


「聞くまでもないですよ。今ある情報を整理すると、あなたは特別除霊軍の幹部で、神田はそのことを知っていた。そして、そのことを聞かされた石橋さんは拗ねているってことですね」


「拗ねてねぇ」


石橋はすぐさま反論した。


「90%正解かな。特別除霊軍の幹部じゃなくて、最高準総司令官」


「最高準総司令官って、この特別所霊軍のトップの最高総司令官の次ですかっ!!」


「うん。そうだよ」


塩祖は石橋を見ながら言った。石橋は塩祖を睨みつけている。


「いや、質問が少ないと助かる。石橋からは、質問攻めだったからなぁ。で、何でここに呼び出したからって質問だったな。もちろん任務のためだよ」


「任務って何の任務ですか」


「一言で言うと、ヨーロッパの特別除霊軍本部からのSOSってわけだよ」


「すみません。話の内容が理解できないんですが」


「詳しく言うとだ、『イタリアのグラッパってところで天使の目撃情報があって、実際に被害も出ている』。つまり、天使との戦闘経験がある新井君と石橋に、イタリアに行って調査および天使撃退をお願いしたいってことだよ」


「何で俺と石橋さんなんですか。神田や委員長、木乃さんも呼べばよかったじゃないですか」


「いやいや、大人数で行くと何かと危険がある。それに、木乃や高森は君達ほど天使と戦ちゃいない。神田はいなくなるとこちらに色々と不備がある」


「だから、2人で行けというんですね」


「大丈夫だよ。第三部隊の隊員を2人くらい行かせてあるから。あ、勝手に隊員使って悪いな、神田」


「そんなことありませんよ」


神田が答える。


「おい神田。どういうことだ。コイツから聞いたぞ。お前が特別除霊軍第三部隊隊長だってことを・・・なぜ隠してた」


石橋は神田に向けて言った。


「一応、このことは極秘情報ってことですからニャ〜。まぁ、新井には教えてたけど」


石橋は無表情のままソファーから立ち会った。


「では、行きましょうか」


塩祖も立ち上がる。


「どこにですか」


新井と神田もそれにつられて立ち上がる。


「屋上にさ」




6月22日午後7時52分


屋上には一機の飛行機が止まっていた。


「これでイタリアまで飛んでほしい」


「この戦闘機にのってですか」


新井は少し身を構えながら言った。


「塩祖。この任務が終わったら、1つだけ俺の言うことを聞け」


「分かってます。それでは乗ってください」


「おい神田」


新井が神田を呼ぶ。


「何かニャ〜」


新井はそばに来た神田を殴り飛ばした。そして、神田の胸座むなぐらを掴んだ。


「あの時約束したよな。これからは何もかも秘密は無しにしようって」


「ああ、・・約束したな」


「なのに何故、最高準総司令官のことを話さなかった!!」


「そのことについては悪いと思っている」


「ほかにも何か、黙っていることがあるんだろ」


「・・・・・・」


「神田、この任務が終わったら、黙っていることを全部俺に話せ」


「・・・・分かった」


新井は神田の胸座を離した。


「あ、そうだ。明日亜美達と勉強会するんだったな。・・・・・・・神田。明日は上手いこと言っといてくれ。良いだろそれくらい。今まで俺の部屋で飯食ってきてるんだから」


「あぁ、多分そのことは頼まれるだろうと思ってたよ。分かってるって」


新井は戦闘機に乗った。石橋はいつのまにかもう乗り込んでいた。


「最悪だ」


「全くだな。新井、神田を殴っといてくれてありがとな。お前がやらなかったら俺がやってた」


「それは洒落にならなかったでしょうね」


「それでは離陸しますので、しっかりとシートベルト等の確認をお願いします」


パイロットの男はそれだけ言うと、操縦席に座った。そして飛行機は、少しずつ滑走路を移動し、そして空へと飛んでいった。




6月22日午後7時57分


「お前も色々大変だなぁ、神田」


「ええ、そうでしょうね。あなたのせいでね」


神田は殴られた頬を摩りながら言った。


「さて、明日は亜美に何て言おうか・・・・・」

まえがきもどき 〜スペシャル〜

エピソード2の冒頭を書いてみました。

ちょっと黒かったですかね、この話。自分はそんなこと無いかなーとは思ってるんですが・・・。

さて、イタリアの町の名前で『グラッパ』ってのが出ましたが、実際にはありません(たぶん)。書いているときにパッと思いついたのがグラッパ、意味など無いグラッパ。なんでグラッパにしたんだろう・・・・。

ではでは、評価や感想のほうを待っていますので、ぼちぼちよろしくお願いします。



まえがきもどきは初めてなのに『スペシャル』って、どこらへんが?

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