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I-XI team disaster

5月23日午後8時33分


「くそ、あいつら以外に手強かったなぁ」


新井は倒れた男達を見ながら呟いた。


霊に取り憑かれていた男達は皆死んでいた。


「死んだ人に取り憑く事なんてありえないのに・・・」


「それはなぁ霊も人と同じように、進化するからなんだよ!!」


新井は振り向いた。そこには、黒色と白色の羽で飛んでいるメガネを掛けた男がいた。


「その翼・・・まさかお前、天使か」


「違うな。俺達は、堕天使って言うんだよぉ。ちなみに、俺の名前は、ペケルス・オーガ・クロスっていうんだ、×ペケとでも呼んでくれ、除霊委員」


「堕天使・・×・・・いや、それ以前に『達』って事は、お前以外にもその堕天使ってのがいるのか」


「ご名答。今は、中央公園の噴水広場から見える廃墟にいるなぁ。だが、お前がそんな事を知ったってお前には何も出来ない。何故なら、ここで死ぬからなぁぁ」


×が後ろから6発のリボルバー型の銃を取り出し、新井目掛けて撃った。弾の色は紫色をしている。


「うわぁ」


新井は右に転がり避けた。弾は地面に当たり、小さな爆発が起きた。


「とりあえず、委員長に電話だ」


新井は電話を取り出し高森に掛けた。


『おい、くま。どうした』


「委員長、その公園の噴水広場から見えるは」


新井が電話に夢中になっていると、新井目掛けて弾が飛んできた。


「しまった、くそっ」


新井は間一髪避けたが、携帯はどこかに飛んでいってしまった。この大量の弾の雨の中じゃ、無事でいるはずが無い。新井は携帯を探すことを諦め、避けることに集中した。


「オラオラ、テキパキ避けないと死ぬぞ」


×は何発も弾を連射してきた。


「おいおい、6発しか弾入ってないだろ」


「弾かぁ・・・弾ねぇ・・・・・。そんな物、俺の能力で無限に作れるぜ」


「の・・能力」


「そうだ。俺の能力は『霊装弾れいそうだん』。自分の霊エネルギーや空気中に漂っている霊エネルギー、さらには相手の霊エネルギーを使って弾を何発でも作ることが出来るんだ。そして、この銃は俺の能力専用の銃で、名前は『禁金金武ヴォルガノス』っていうんだ。どうだ、冥土の土産には丁度良いだろ」


「冥土の土産だぁ。誰が死ぬかよ」


新井はそう言うと、左手をグーにし後ろに持っていき、右手をパーにして×の方に向けた。


「何の真似だ。そのまま死にたいのか」


「うるせぇ、見てろよ」


新井の右手に十字に入っている白いラインに白い光が集まっていく。


「ちっ、何かされる前に殺すか」


×は禁金金武から弾を撃った。


零砲れいほう


新井がそう言うと、右手に集まっていた白い光が×目掛けて発射された。


「なっ、糞野郎・・・」


×は横に禁金金武を撃ち、零砲を避けた。


「何だお前、そんな事も出来るのか。少し見直したぜ」


「顔が全然そうには見えないけどな」


「しかし、その技があれに似てるな・・・」


「は?あれって何だよ」


「これだよ」


×は紫色の霊エネルギーで十字架を作って、新井に向けた。


十字架に出来た霊エネルギーの真ん中からエネルギー波が出た。


「おい、なんだそりゃ」


新井は零砲を撃った。2つのエネルギー波は相殺されて、消えていった。


「今のはなぁ、十字砲グラウンド・クロスっていうやつだ。そして、お前の零砲ってのがこれに似てるんだよ」


「知ったこっちゃねぇんだよ、そんな事。これはな、この『お札』を手に入れた時から勝手に使えた技なんだよ」


「どっちでも良いや、お前だってそうだろ、そんな事なんだから」


「テメーが最初に変なこと言ってきたんじゃねーか。しっかし、なんでその堕天使とやらが俺を襲ってきたりしてんだよ。ってか、それ以外にいろいろ疑問があるんだけど」


「そうだ。そこなんだよ、本題はなぁ。俺達は、Σシグマという中途半端マジメ野郎とΩオメガという無口食いしん坊野郎と一緒に『デザスタ』っていう組織を作ったんだ」


「組織だと。また、何のために」


「何のためにか・・・、強いて言うなら革命のためにだな」


「革命だと・・」


「そう、レボリューションだよレボリューション」


「何にだ。何にたいしてだ」


「もちろん、『天界』にだ」


「なっ・・・、天界だと・・・・・」


「そうだ。そこで、入らないか。デザスタに。一緒に変えないか、世界を・・全てを」


「ふざけるな、テメー。誰がそんな事させるかよ」


「そうか。そうだよなぁ。超霊媒体質のやつなら分かると思ったんだがな。やっぱり所詮はあの糞神に作られた人間ガラクタだからなぁぁぁ」


×は金色の霊エネルギーで作った十字架からエネルギー波を出した。


「またそれかよ」


新井は、零砲を撃った。


「くはははは。そのまま死んじまえ」


零砲は金色のエネルギー波に当たると、周りに飛び散った。


「な・・なに」


そして、金色のエネルギー波は新井に当たった。


「ふはは、今のは十字砲じゃねぞ。大天使だけが使える技、『滅殺十字砲グラウンド・クロス・グレイブ』だ。この技は、十字砲の大よそ10倍の威力。お前の零砲とか言うやつは十字砲と同じ威力だからな、力負けはしねぇ」


砂埃が舞う。


「死んだか・・・」


×はその場を立ち去ろうとした。


「あ〜あ、最悪だ。せっかく舞が持ってきてくれた新しい服がボロボロじゃねぇか」


新井は立ち上がる。


「立ち上がってこなければ良いものを、そんなに死にたいか」


×が禁金金武を構える。


「別に死にたくは無いな・・・・・まぁ、どの道勝てねぇからな」


新井が零砲を構える。


「わりーが、逃げさせてもらうぜ」


新井は零砲を真下に放った。砂埃が再び舞う。


高速移動輪エンジェルリング


少ししてから砂埃が消える。新井の姿はそこには無かった。


「くそ、逃げられた。しかし、あの傷で俺から逃げるとはな」


「あいつらの所にでもいくか」


×は堕天使の翼を広げた。そして、夜の空を飛んでいった。




5月23日午後8時42分


「はぁ・・はぁ・・・・。高速移動輪が無かったら死んでたな」


高速移動輪とは、輪を空中に作り、その中を通過したものは3秒間だけ高速移動することができる。


「とりあえず、皆と合流しないとな」


新井は立つ。そして、夜の道を歩いていった。










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