運命の日
そして、運命の日。
三人の友人を探していたフィリシスは、三人がストラディゴスと共にどこかに行く事を偶然目撃してしまう。
ついて行くと、テントの中から楽しそうな声が聞こえたと言う。
誘われる様に入って行くと、そこではアスミィとテレティとハルコス、裸の三人と一緒にいる一糸纏わぬ姿のストラディゴス。
フィリシスは、友人の裏切りに最初は茫然としたと言う。
そんなフィリシスを見て三人は、最初ストラディゴスをかばってくれた。
元々女好きなのは分かっていたとか、自分から誘ったとか、フィリシスも誘おうと思っていたとか、三人も必死に言い訳をしたのだ。
そのうち、フィリシスの握り締めた手が震え始め、フィリシスの身体から殺意が溢れ出た事に、裸の四人は気付く。
このままでは、全員がフィリシスに八つ裂きにされてしまう。
命の危険を感じたストラディゴスは、どうにか場を治めようと、こんな事を言った。
「フィリシス! お前が本命だ!」
それは、ルイシーの事を最初に愛し、今も最も愛していたフィリシスには、逆効果だった。
ルイシーでは無く自分を本命と言い放った、ストラディゴスの浅はかさ。
完全に、怒れる竜の逆鱗に触れてしまったのだ。
同時に、さっきまで庇っていた三人にも「私たちは本命じゃないのか!」と言う話になり、修羅場は地獄とかす。
ストラディゴスは、この件で全治三ヵ月の大怪我を負い、ルイシー以外に看病をしてくれる女性はいなかったと言う。
この件で、ルイシーからも酷く叱られ、この時ばかりは反省したらしい。
最初から最後まで、自業自得の昔話であった。
* * *
「その後、四人とは傭兵団の中で避けられるようになって、そのうちお互い気まずいまま出て行かれた、と言うので、この話の全てだ」
「………………え、この流れで私、告白の返事させられるの!?」




