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チェンジリング

 ストラディゴスは、彩芽を変わらずにエスコートし、城の部屋まで送り届けると、その足でオルデンのもとへと向かった。


 しかし、一足遅かった。

 オルデンの部屋は扉が開いていて、中に入ると先ほど部屋に置いてきた彩芽が先回りし、オルデンを抱えて窓から外へと出ようとしているでは無いか。

 彩芽の腰には、アスミィがつけていた物と同じベルトが装着され、既にピンが抜かれていた。


「誰だお前! オルデン公を放せ!」


「あら、勘が良いと思ったのに、存外鈍いのね。お久しぶり」


 彩芽のそれとは明らかに違う口調。

 ストラディゴスは彩芽に化けているのが誰だか気付いた。


「ハルコス! なんでこんな事を!!」


「アヤメも領主様も、あとで無事に帰すから安心して、ディー」


 そう言うとハルコスは指輪を外す。

 すると服装はそのままに、姿形がハルコスに戻っていく。


「あら、ドレスがブカブカ。自信無くなっちゃうわ」


「俺に復讐したいなら俺を狙えよ!」


「あら、勘違いしてるみたいね。少し自信過剰なんじゃないかしら?」


「どういう事だ!」


「復讐って、浮気の事でしょ? あんなので今さらあなたを責める気なんて私達は無いわよ。アスミィとフィリシスは、特にあなたに未練タラタラみたいだけど。あら、あなたが騒ぐから人が集まってきちゃった。良いディー、南に二十海里(約三十六キロメートル)の海上で待っているわ。せいぜい大船団で攻めて来ることね。こちらにはフィリシスがいる事を忘れないでね。愛してるわ」


 ハルコスはベルトのワイヤーを引くと、オルデンを抱えたまま空へと落ちていく。

 ストラディゴスは、ハルコスから色々聞かされ、何が何だか分からなくなっていた。

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