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仲間への勧誘

 テレティに着替えを渡され、彩芽が着替えると、アスミィ達と同じデザインの服である事に気が付く。

 囚人服を渡されるよりはマシだが、敵のおそろいの制服を着せるのもどうかと思った。


 ニーソックスにホットパンツにチューブトップ。

 その上にジャケットと、この上なくカジュアルな軽装で、この世界の服の中では、一番性に合っている。




 監禁されて数日、食事は一日二食出るし、アスミィが頻繁に遊びに来るので、そこまで大きな不自由は無い。

 ただ、本当に帰してもらえるのか不安になるが、脱出の手立ては相変わらず思い浮かばない。


 この様な状況になると、元の世界に戻りたい以前に、元いた街に戻りたい衝動の方が強くなる。

 二日しかいなかった街でも、知り合いが出来れば第二の故郷になるのかと、彩芽は妙に納得する。




 コッコッと、扉がノックされた。


「はい、どうぞ」


 部屋にやって来たのは、アスミィでもハルコスでも無く、竜人のフィリシスであった。


「なぁ、散歩に行かないか?」

「え? 外に出ても良いんですか?」

「船の上だぞ。逃げられないだろ?」

「まあ、そうですけど」


「その服、似合ってんじゃん。行くぞ」




 フィリシスとの気まずい散歩。

 ストラディゴスの話では、元カノであり、浮気がバレた時にストラディゴスを本気で殺そうとした相手の一人である。

 その筈だが、少し会話をして分かったのは、男言葉、と言うよりはヤンチャな少年の様な喋りで、壁を感じずに喋りやすい事だ。


「あの、急にどうして散歩を?」

「あんな所にずっといたら身体がなまるだろ。それに、ハルから聞いたけどよ、お前、領主とディーのお気に入りらしいじゃんか」


「ただの友達です」

「ディーに女友達なんて一人もいねぇよ。それより、お前さ、私達の仲間になる気は無いか?」

「無いです」

「即答かよ。ネヴェルに肩入れしてるからか?」

「いいえ。友達がいるからです」

「へぇ、でもよ、そのお友達のいるネヴェルは、もうすぐ落ちるぜ」

「戦争、するんですか」

「戦争? すぐに始まるだろうな。でも、ネヴェルを落とすのは、お前だよ。それからな、戦争はすぐに終わる」

「それは、どういう事ですか」

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