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プロローグ
遠くの空に、竜が飛んでいるのが見えた。
月は空に二つあり、一つは見ていて分かるぐらいのスピードで空を横切り流れている。
眼下に広がる町並みは、西洋風でいて、どこか住む人々の文化それ自体に、見る人がすぐには気付かない違和感を感じさせるものがある。
まさしく剣と魔法のファンタジー世界そのものであり、商店が立ち並ぶ朝市には様々な人種の人々が溢れかえっているのが見えた。
「えええええええええええええええええええええーーーーーーーーーー!?」
そこがどこなのかは分からない。
でも、地球では無いどこかにいる事だけは確かに分かった。