トイレからこんにちは! トイレのハナコさん 1
俺の名前は雨沢春樹。この春から大学生になったばかりの19歳だ。
先月からこの1LDKのアパートに引っ越してきて、一人暮らしを始めている。
大学からは徒歩30分で立地は余り良くない。おまけに築30年で老朽化が進んでいるおんぼろアパートだ。
だけどその代わり家賃が激安!都会なのにたったの2万円!
それが気に入って俺はここに借り暮らしすることに決めたッティ。
風呂もあるしトイレは水洗トイレだし今のところ不自由なく暮らせている。しいていえば、ちょっと部屋が臭うということくらい。
だが最近トイレの様子がちょっとおかしい。
俺が居間でくつろいでいると勝手にトイレの水が流れることがある。
大家さんに見て貰ったり水道屋に来て貰ったりもしたが特にどこも異常はないようだ。
まあそこまで気にすることではないのだが、これだけ家賃が安いのにはわけがあるんじゃないかとか、前の住居者がここで自殺してその霊の仕業何じゃないかとか変に勘ぐってしまう。
大家さんに聞いても何もないっていうけど……。
そんなある日のことだった。
その日は日曜日で、いつものように床に寝転がってだらだらと休日を無為に過ごしていた。
「ひまだなー。なにかすることないかなー」
彼女もいなければ金がなさすぎて遊びにもいけない俺は、せっかくの休日も何も出来ない。
彼女いない歴19年の俺は、彼女を作って遊びに行くなんて夢のまた夢だ。
「はらへったー……」
俺は腹をさすりながらごろんとうつぶせになり呻いた。
親から仕送りを貰っているとはいえ、俺もそろそろバイトを探さないとやばいかもしれない。
そう思い始めていた頃だった。
腹が減りすぎて朝に水道水をがぶ飲みしていた俺は、用を足したくなりトイレへと向かうことにした。
トイレにつくと便座を上げてさっそく用を足す。
ジョロロロ・・・・・・
「ハー気持ちいいー」
俺の最近の娯楽は寝ることと食べることと用を足すことだ。
この時だけは俺は生きている幸せを感じられた。
もう残尿は残り少ない。この時間が永遠に続けばいいのに……。
俺は残尿との別れを惜しんでいた。
その時だった。
俺が残尿との別れを惜しんでいると突然そこに。
便器から、いきなりにょきっとピンク色の髪をした美少女が現れた。
「プハアッ!」
「ぬ、ぬあっ!?」
俺は驚きのあまり仰け反って倒れそうになってしまった。だが残尿がまだ残っている。このままでは俺にかかってしまうと瞬時に思った俺はなんとか体勢を持ちこたえようとするが便器からはトイレ水と俺の尿をもろに被ってびしょぬれの美少女が顔を出していて俺の尿の捌け口が見つからない。
ジョロロロ・・・・・・。
「うあっぷあっぷ! やめてください! やめてください!」
「そ、そんなこと言ったって。君がそこにいたらかかっちゃうんだって」
「ぺっぺっ。きゃあ!」
その美しい顔立ちをした外国人のような彼女は、俺の聖水をもろに被って両手で頭を抑えながら苦しそうに目と口を強く閉じていた。
俺のトイレがどんな構造をして人1人入っているのか定かではないが、人1人が四次元ポケットのような小さい空間からいきなり現れた。しかも他の追随を許さないレベルの美少女が。
一体、どうしてこんなことに!?
「なにがどうなってるんだあああ~~~~~~~~~~~~!!!!!!?」
続く。