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精霊剣士の物語 ~Adasutoria~  作者: 伊藤 睡蓮
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精霊剣士の物語〜Adasutoria〜其の十八・終

どうも作者の伊藤睡蓮です。

二本投稿続けて見てくれた方、ありがとうございます( ´ ω ` *)

二本投稿した理由としてはタイトル通り、精霊剣士の物語〜Adasutoria〜がこれで終了、ということだからです。

今まで見てくださった読者のみなさま、ありがとうございました。

それでは最終回、精霊剣士の物語〜Adasutoria〜其の十八どうぞ!

其の十八

34,〜終ることの出来ない物語の始まり〜

窓の外に浮かぶいつも通りの雲に溜息をついた。


右を見れば今までと何一つ変わらない空、校庭。しかし、左を見ると、すぐ横の席は1つ空いていた。


お前の席だ、夏音。


「秋翔くん、今日は夏音さんお休み?」後ろの席の上林香織が話しかけてきた。


「あ、あぁ。体調悪いらしいな。実家に帰って寝てるよ。」夏音が今俺たちの敵だと言うことは、吹雪先生からも止められているし、そもそも言えるはずがない。


このことを知ってるのは2年1組と春香、そして一部の3年生と先生だけだ。


「早く元気になるといいね、夏音さん。」


「大丈夫だって。すぐに戻ってくる。」

戻ってくる、か。俺は本当にそれを望んでるのか?本当は時渡りをして欲しいんじゃないのか?自分自身でも分からない。


「今日の授業はこれまでにします。みんな、今日は一斉下校です。遅くならないうちに帰るように。それから、紅葉秋翔くん。学園長がお呼びですのですぐに学園長室に向かってください。」

昨日言ってたことだろう。


「わかりました。」自分の席を立ち、隣の席を見つめた。


どうしたらいいんだろうな、俺。

助ける助けるって本当にそれはあいつのためなのか。身勝手ではないか。その後はどうする。夏音を救えたとして夏音がやろうとしていた事は決して無罪ということにはならない。


「秋…くん。秋翔くん……。大丈夫?立ったまま考え事?もしかして怒られるようなことして呼び出されたとか。」香織が心配そうな顔つきでこちらを覗き込んできた。


「あ、いや……。じ、実はそうなんだ。昨日自転車で都市をぐるぐると爆走しててさ。それを偶然吹雪先生に見られてな。」絶対バレるな。


「ふ〜ん。だめだよちゃんと安全運転しないと。ま、これに懲りてやらないようにね。それじゃあ私、友達と遊ぶ約束してるから帰るね。また明日。」


「お、おう。またな。」

夏音のように詮索してこなくて良かった。


「しゅう先輩。一緒に行きませんか〜。」廊下の方から俺を呼ぶ声がした。大体の後輩は俺のことを秋翔先輩という。しゅう先輩、と呼ぶのは1人だけだ。


「春香、ちょうど今行こうとしてたとこだよ。ついでに真冬も誘って行くか。」


「真冬先輩ならしゅう先輩はいつも遅いから先に行って待ってるって言って先に学園長室に行きましたよ。」

はいそうですか。

「それなら早いとこ行こうぜ。」

「そうですね。」春香は頷いた。


ーーー学園長室に着くと、案の定、真冬は既に学園長室のソファに腰掛けていた。

「遅い。どうせ春香を待たせてたんでしょ?」そう言うことも想定済みだ。


「悪かったって。お前が早すぎるんだよ。」

「呼ばれたならすぐに行かないとだめでしょ。」真面目と言うかなんというか。


「学園長、遅れてすみません。全員揃いました。」春香が学園長にぺこりと頭を下げる。


「見れば分かるわよ。それに秋翔くんのいう通り、真冬が早く来過ぎただけだから。」

真冬は俺からプイと目を逸らした。


「さて、それじゃあ早速だけど昨日私が駄目元で考えてうまくいった計画を発表します。」

だめもとって……。


「と、その前に聞いておきたいことがあったんだ。」

吹雪先生は俺を見た。


「あなた、夏音さんがやろうとしている事について、どう思ってる?」


この人は本当にすごいな。この瞬間で俺が悩んでいる事をすぐに分かってしまうなんて。


「……、正直分かりません。」


「分からない?夏音さんは禁忌の魔法を使おうとしてるのよ?人の人生を狂わせる魔法よ。」真冬が声色を変えて俺に聞いた。


「それは分かってる。けど……」

言葉が詰まった。


すると吹雪先生は

「けど、自分の両親が助かるかもしれない。そうなったらあなたにとってはいいことよ。私が聞きたいのはそこ。あなたの両親を助ければ夏音さんは禁忌の罪で最悪の場合死刑、夏音さんを助ければ両親は今まで通り父親はいない。母親は死と生の狭間で生きる人のまま。どちらも救える道はない。」


「しゅう先輩……。」

「………。」

真冬と春香は俺を不安そうな目で見ていた。


「迷うな、馬鹿しゅう。お前はもう答えを知ってるはずだ。お前なら分かるだろ。しゅう。」

狐のストラップは紅く光り出し、炎を纏った狐が俺の隣に現れた。


「イグニ。」


「しゅう、俺との契約もう忘れたか?」


イグニとの契約。

ーーー「しゅう、お前は何をしたい?世界を変える力が欲しいのか?両親を殺した奴に復讐する力が欲しいのか?俺はどんな願いでも叶えてやるぜ。」


「僕は……みんなを、もう誰も失いたくない。守りたい。守りきれるだけの人を全員僕が守るんだ。そのための力を僕に貸してよ、イグニ。守る力を。」


「守る力か。お前おもしろいな。ガキのくせにカッコつけやがって。いいぜ、気に入った。俺はお前が守りたい者のために力を貸すぜ。」ーーー


守るための力。今生きている人を守る力だ。


「父さんと母さんを助ける事が出来ればもちろん助けたい。けど、俺は夏音を守る。父さん、ごめん。母さんにも悪いけど、今は夏音を助けさせてくれ。母さんもいつか絶対助けてやる。見ててくれよ、父さん。」


「そうだ、それでこそしゅうだぜ。」

ありがとな、イグニ。


「うんうん、その意気だよ。それじゃあ本題に入るわね。あなたたちには昨日話した通り、いつも通りに授業を受けてもらいます。」


そこまでは聞いた。問題はその後だ。


「それに追加して、放課後あなたたちにはそれぞれ外部の人をお呼びしています。簡潔にいうと、その方々が専属の顧問になり、あなたたちを鍛えてもらう。というわけです。」


吹雪先生が考えていたことはこの事だったのか。だから昨日連絡を取る必要があったんだ。けど、


「一体誰なんですか?外部の人って。」


「それならもう呼んであるから、そろそろ来ると思うわよ。」


するとタイミングよく学園長室のドアをノックする音が聞こえた。


「どうぞ。」吹雪先生がそう言うと、ドアがゆっくりと開いた。

そこには、見覚えのある顔が立っていた。


「やぁ、秋翔くん。久しぶり。と言うほど久しぶりでもないかな。」


「赤城さん⁉︎どうしてここに?」


「君を鍛えてあげようと思ってね。それに吹雪学園長の頼みとあれば尚更断れないよ。」

赤城さんは吹雪先生に軽くお辞儀をした。


「赤城さん、というわけで秋翔くんをお願いしますね。」


俺の顧問が赤城さん⁉︎


「吹雪、私もあなたと同じ学園長の立場なんだけど、専属顧問お願いって、無茶苦茶ね。」


この声、もしかして。

赤城さんの背後から、1人の女性がスーツ姿で入ってきた。

雲雀真純(ひばりますみ)学園長。忠精学園の学園長で、悪魔襲撃の際にはお世話になった。世界精霊使い第5位の凄腕の精霊使い。


「雲雀。ごめんごめん。あんたの仕事、半分やるからこの通り!」手を前で合わせた吹雪先生に雲雀学園長は溜息をついて、

「半分って。まぁいいわよ。私もこの子には興味あったし。」と、春香を見て笑った。


「も、もしかして私ですか⁉︎私なんかがいいんですかね……。」


「雲雀は全属性の魔法を使えるから、色々参考になる事が多いと思って選んだのよ。」


吹雪先生は自信がなさそうな春香を見て励ますように言った。

全属性の魔法。それが雲雀学園長の強みなんだ。確かに悪魔のレオと戦っている時には火、『烈火斬』。雷、『雷鳴斬』。そして風の『疾風斬』と3つの属性を使ってレオを圧倒していた。精霊が悪魔よりも劣っているからといって負けと決めつけてはいけないことを目の前で知った。


特訓次第では俺も悪魔を倒せる力を身につけられるかもしれない。本気でそう思う。


「私の顧問は誰ですか?吹雪学園長。」真冬は待ちくたびれたように言った。


俺は赤城さんに、春香は雲雀学園長に教わる。真冬は一体誰が顧問になるのだろう?


「あなたに教えるのは私たちです。」懐かしい声が聞こえた気がした。慌てて後ろを振り向くと、そこにいたのは、


「夏音のおじさんにおばさん。どうしてここに?」正確には俺がそう呼んでるだけで実の両親だ。

それに2人は世界一周旅行に行ったと夏音から聞いていた。


「2人は世界一周旅行になど行ってません。海外に行っていたのは事実ですが、アメリカだけです。秋翔くん。」吹雪先生はそういった。


「アメリカ……もしかして!」

おじさんとおばさんは黙って頷いた。


「秋翔くん。久しぶりだね。今まで何も言っていなくてすまなかった。私たちは夏音にも内緒で紅葉優姫さんに会っていた。」


どういうことだ。何がどうなっているんだ。


「お2人は優姫さんにかかっている魔法を解除する方法を探ってもらっていました。」


「いました?それじゃあ秋翔先輩のお母さんにかかっている魔法の解き方が分かったんですか⁉︎」

おばさんは首を振った。


「魔法の正体はわかりましたが、解き方まではまだ……後はアメリカにいる優秀な精霊使いたちの結果を待つしかありません。」


俺の知らないところで吹雪先生やおじさん、おばさんが動いてくれていた。


母さんのために。


「おじさん、おばさん。ありがとうございます。……夏音の事、知ってますよね。」


2人はまた黙って頷いた。

「知っています。だからこそ、止めて欲しいのです。私たちがもっとあの子の側にいてあげられたら、あの子はあんな事しなかったかもしれないのに。」


「君が吹雪学園長の娘さんの……真冬ちゃんだね。私たちが教えられる事全てを君に与えよう。夏音を止めてくれ。」


「嫌よ。」真冬は即答した。


「どうして止めなきゃいけないのよ……。」


「真冬、お前………。」


「連れ戻す。それだけよ。私はそのために強くなる。」


そう言うと、真冬は自分の発言を思い返し、顔を赤くして、


「あ、い、いやこれは……その、う、うるさいわね!私だってたまには言うわよ。」かなり慌てていたがおじさんとおばさんはそれが何よりも嬉しかったみたいで、


「ありがとう、本当にありがとう。」おじさんは泣いていた。おばさんも、ハンカチで涙を拭いていた。


「それでは、明日から早速特訓開始と行きましょうか。特訓のメニューはお任せします。私も何か夏音さんやDr.レイクの情報が入り次第、連絡します。それじゃあ私は仕事残ってるからまた今度ね〜。」吹雪先生はそう言うとパソコンに向かって文字を打ち始めた。


カタカタカタカタ……。


(あの〜、まだ俺たちいるんですけど……)


すると、雲雀学園長は溜息をついた後に言った。

「全く。吹雪はああやって集中したら次に私たちに気づく頃には夜になっちゃうから、今日はとりあえずこれで解散しようかしらね。」


「それじゃあ秋翔くん。ちょっとついてきてくれるかね?色々と話したいこともある。」

赤城さんは真剣な顔つきで言った。


「あ、はい。わかりました。」


「真冬ちゃんもちょっといいかしら。」


「……はい。」


「それじゃあ空気を読んで、春香さんともお話ししようかな。」


「は、はい。」


それぞれ違う場所に移動して話すことになり、春香は話し終わったら俺の家に来るらしい。


赤城さんはぶらぶらと学園内を歩いていてそれにくっつくように歩いてた。


赤城さんは教室の前に立ち、中に入った。


そこは2年2組、俺のクラスの教室だった。


「懐かしいな〜。実は私、ここの学園の出身でね。ちょうどここで勉強してたんだよ。」と1つの机を触りながら言った。


「ここ、俺のクラスですよ。」

そう言うと赤城さんは驚いた顔をした。


「ほんとかい。なんて偶然だろう。ここにいた頃はやんちゃしてたな。当時の学園長に何度怒られたことか。」笑いながらそう言った。


赤城さんがやんちゃ……考えられない。


頭はいいし、俺なんか手も足も出ない。この前、赤城さんとは知らずに戦っていたが……戦っていないか。あっけなく拘束されたんだった。


「君を鍛える、と言ったが時間は限られている。吹雪学園長から言われた通り放課後からしか特訓は出来ない。そして期間は1年間と非常に短い。君の力を底上げすることは出来ないだろう。少しぐらいなら強くなるかもしれないが。」


「そんな……俺はもっと強くなりたいんです。みんなを守れる力を。夏音を助けられる力を。」


赤城さんは目を閉じた。


「そんな……、じゃあこの1年で俺はどうすれば。」下を向いた。それじゃあ意味がない。


「君の力を底上げすることは出来ない。君が常に全力以上で私についてこなければね。」


反射的に顔を上げた。

赤城さんは笑っていた。


「ついてこれるかね?」


「はい!」


俺は、強くなってみせる。


ーーー雲雀学園長は私を学園の外へと連れ出し、散歩でもしながら話しましょう、と言って暫く黙って歩いていた。


沈黙の時間に我慢できず、雲雀学園長に話しかけた。

「あの、雲雀学園長。さっき私に興味があるって言ってましたよね?どうしてですか?」


そう聞くと、雲雀学園長は立ち止まって私を見た。


「あそこの公園のベンチに座って話しましょ。こんな道路で話すのも疲れるし。」


指を指す方向には小さな公園があって、ブランコに乗っている子供もいた。私と雲雀学園長は静かにベンチに座った。


「さっきの質問の答えを言うと、あなたのその力、見たことないから貴重だなって思ったのよ。それに、初めてあなたに会った時からあなたも自覚してない力が眠ってると思ったから。それを呼び起こしたらあなたはどのぐらい強くなるのかも気になったからかな。」


私が自覚してない力?


「それって何なんですか?その力、私は欲しいです。」

その力があれば私はもっと強くなってしゅう先輩や真冬先輩の戦闘を楽にしてあげられる。


「私から教えたら意味ないでしょ。鍛えながら知りなさい。それに、その力が欲しいって言うのも違ってる。その力は既に春香さんの中にある。あとはそれを引き出すだけなのよ。」


頭が混乱してきた。雲雀学園長は笑って、

「そのうち分かるわよ。」と言った。


「は、はぁ。そ、そういえば少し聞きたいことがありました。」

1番の疑問。


「なに?何でも聞いていいわよ。答えられる範囲だけど。」


「雲雀学園長は普段は忠精学園にいらっしゃって、私は武精学園にいます。放課後と言っても私が忠精学園に着くまでには結構時間がかかると思うんですけど。それだと特訓する時間がなくなっちゃいます。」


雲雀学園長は「あぁ。」と思い出したように言い、

「その事はもう吹雪と話がついてるわよ。」


「そうなんですか。それでどうすればいいんですか?」


「あなた、明日の放課後から1年間、正確には明後日になるかな?忠精学園に通ってもらいます。授業の内容も大体似ているので問題ありません。住む場所については私と一緒に住むことになりました。」


思考が完全に停止してしまった。雲雀学園長が私の前で手を振っていたのに反応できなかった。


数分後、ようやく心の中での整理がついた。


「すいません。急だったので驚いてしまって。」


「無理もないわよ。それに私が提案したんじゃなくて吹雪が提案したんだからね。あなたのためにって。」


吹雪学園長が……私のために。


「あなたのお友達とも中々会えなくなるわよ。嫌なら無理強いはしないわよ。」


そうだ。放課後は雲雀学園長との特訓もあるし、本当に1年間、武精学園に来る事はたぶん無理だと思う。


しゅう先輩や真冬先輩とももちろん会えなくなる。それはとっても嫌だった。


迷った。このままここにとどまるべきか。


しゅう先輩ならどうするだろう?


ううん。決まってる。私たちは夏音先輩を助けるために行動するんだ。


「確かにみんなと会えなくなるのはつらいです。けど、ずっとじゃない。また会えるから。夏音さんに戻ってきて欲しいから。私はあなたについていきます。」


涙がこぼれた。止めることが出来なかった。みんなとの別れが辛かった。


雲雀学園長は微笑み力強く言ってくれた。

「いいわよ、弥生春香。あなたは……私が強くする。」


優しい腕に包まれて、私は長い時間、涙を流した。


ーーー夏音さんの両親に車に乗るように言われて後部座席に乗っていた。運転手は夏音さんのお父様、その横に夏音さんのお母様がいた。


「夏音さんのお父様、お母様。どこに向かってるんですか?」


そう言うと急に2人はクスリと笑った。


「お父様はやめてくれ。しゅうとくんはおじさんおばさんと呼んでいたぞ。そんな感じでいいんだよ。」


「むしろそっちの方が堅苦しくなくていいわ。」

2人からそこまで言われるとさっきまでの呼び方が変だったのかと考えた。


「それでは、何と呼べばいいんですか?」


「好きに呼んでくれて構わないよ。」


「そ、それでは、パパさんとママさんでいいですか……?」何の話をしていたのか忘れてしまっていた。


2人はまた笑った。

「それでいい。もう他人じゃないんだからね。」


「真冬さん、どこに向かってるか、だったわよね?私たちの家よ。」

パパさんとママさんのお家。ということは、


「夏音さんも……。」


「そうだよ、まぁ最近はしゅうとくんの家に泊まっていたらしいけどね。」


「2人とも同居だなんて、もしかしたらもしかするかもしれませんね。お父さん。」などと夏音の親として子供の将来を想像していた。


「真冬さんは今日から私たちの家で暮らすことになったの。服も吹雪学園長から預かってるわ。」


急いで後ろを覗き込むとそこには旅行用のバッグが置いてあった。

母さん……いつの間に。


「いいんですか?私なんかがお邪魔しても。」


「とんでもない。むしろ大歓迎さ。……夏音の話も聞きたいしね。もちろん楽しい思い出のね。」


楽しい思い出。ふと自分の持っていたバッグを見た。バッグには2つのストラップが付いていた。1つはライム。精霊は普段はこのようにストラップになっていることが多い。理由は知らない。


そしてもう1つは、氷の結晶を模した精霊石、夏音さんと一緒にガンマで買った。春香やしゅうとにも買ったんだっけ。


夏音さん、まだ持ってるのかな。


「持ってるわよね。絶対。」

私は、信じる。


ーーー赤城さんに聞いた。春香とは明日の午後から暫く会えなくなること。真冬が夏音のおじさんとおばさんの家に泊まること。


それぞれ違った道を進んで行く。

でも、それを決めたのは自分自身だ。


夏音、俺は必ずお前を助けてみせる。どんなに苦しくても、痛くても、必ず。


俺の物語はまだ、終われない。


精霊剣士の物語〜Adasutoria〜(完)


次なる物語へと……

どうも、改めまして作者の伊藤睡蓮です。

さて、無事に?精霊剣士の物語〜Adasutoria〜を終えることが出来ました。

さて、気づいてる方も多いでしょうかね。

告知のお時間です(・ω・)

次回からは「精霊剣士の物語〜Adasutoria〜」、ではなく、

「精霊剣士の物語〜Sauvenile〜」を投稿していきます( ´ ω ` *)

そちらも良ければ是非見てください。なるべく早めに投稿したいと思います。(早くても来週の土曜日です。)


AdasutoriaとSauvenile、このタイトル名に関して何かわかった方とかいるのかな?(・ω・)

(まあわからなくとも何ら問題はありませんのでご安心を)

twitter(suiren110133でも告知はしますのでそちらでも確認してみてください。)


それではまた!

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