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傷心の弾痕

作者:武内 修司
槙奈剛史(まきなつよし)は電子工作が好きな高校一年生。とあるきっかけから『クラウドの深淵をのぞクラブ』という部を作り、学園生活をそれなりに楽しんでいた。そんなある日、彼が密かに思いを寄せていた同級生の山下華名(やましたかな)の転校を知り、幼馴染み安高恵美(あたかえみ)のつてで呼ばれた送別会の席で思い切って告白をするが、その曖昧な返答に心にもやもやしたものを抱えるのであった。
 高校二年になった剛史はもやもやを忘れる為自分に課題を与えた。それが二足歩行シミュレータだった。その作製に没頭していた六月のある日、山下の訃報に触れ更なる傷心に立ち向かう為更に一段進め、等身大の実機作製を決意する。その相談を姉にすると、既に会社で作製準備に掛かっているという。剛史はそのプロジェクトに制御プログラム作成者として参加し、試作機を完成させる。その試験時の映像を動画投稿サイトに投稿し宣伝しようと言い出した姉に、気乗りしないながらも賛成するが、その映像を目にしたテロリスト達に目を付けられ、設計資料等と共に試作機も奪われてしまった。剛史はどん底に突き落とされたのであった。
 夏休み、気力を振り絞り学校生活に戻った剛史であったが、安高との関係もおかしくなり、八方塞がりといった状態であった。そこに警察からある依頼が舞い込む。盗まれた試作機を基にテロリストが作製した兵器が多数の警官を殺傷し、逮捕にはその無効化が必須だという。そこで試作機の作製元である剛史達に協力して欲しいというのであった。その依頼に、自分も同行するという条件で剛史は同意した。テロリストの根城である廃工場に警官隊と共に夜間侵入し依頼を遂行した剛史は、今度は試作機の奪還の為テロリストとの接触を試み、そのリーダーと邂逅、試作機の奪還に成功する。
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