第六章 仮想現実を裏打ちする証拠としてのジャンクDNA
1. 多層的プログラム構造の示唆
ストレージ学派が“ジャンクDNA”を仮想現実の証明と見なすのは、それが通常の論理から外れた膨大な情報領域である点にある。現代のプログラム設計でも、大規模なソフトウェアは様々なサブルーチンやライブラリが膨れ上がり、普段は使わない隠し機能やテスト用コードなどが埋め込まれることがある。
人間のゲノムで言えば、タンパク質をコードしない領域がその“隠し機能”に相当し、私たちが3D空間や時間を一方向に感じる“ゲームエンジン”的なプログラムの大部分は、ジャンクDNAに潜んでいるのではないか――そう考えると、“この現実が非常に精巧に構築されたシミュレーションである”という仮説が自然に浮かび上がるというわけだ。
2. 安全を守る制限仕様
さらに、使われていない機能が山ほどあるのに、私たちの“現実”はしっかり動いている。それどころか、一人ひとりの人生ドラマも驚くほどの複雑さを伴って展開している。これは「全機能を起動していなくても、仮想世界としては必要十分な再現度を達成している」ことを意味する。
だが、もし本当に全機能を解放すれば、一人の意識が空間や時間を自在に操り、量子レベルの情報処理さえ可能となるかもしれない。それこそ“現実改変”さえ引き起こしてしまうが、同時に不具合やバグも極度に増え、人類全体が自滅的な最終出口へ直行しかねない。だからこそ、デフォルトでは“セーフティモード”のみが有効化されている――これをストレージ学派は「創造主の合理的判断」として説明する。




