第四章 救世主や天才に起こる“部分解放”
1. 人類の方向転換や進化のための特例措置
セーフティモードの“制限下”で日々を営む我々だが、歴史上には突出した人物――いわゆる預言者や救世主、天才科学者など――が突然現れ、文明の進路を大きく変えた例がある。ストレージ学派によれば、彼らは**人類の急激な方針変更や技術的進歩が必要な局面において“ジャンクDNAの一部が解凍された者たち”**と解釈される。
たとえば、宗教的背景を持つ預言者は、現世の常識を根本的に覆す教えを説き、一瞬にして多くの人々の意識を変容させた。あるいは、科学分野で独創的発明を行った天才は、それまで誰も思いつかなかった新理論を打ち立て、社会構造を激変させるほどの功績を残した。その裏には、**必要に応じて発動された“部分的解放”**があるのではないか、というのがストレージ学派の発想だ。
2. 人類全員に潜む“天才の種”
この理論が示唆するのは、あらゆる人間が本来“救世主”や“天才”としての素質を内包しているという点である。通常は安全確保のため起動させずに“ジャンク”としてしまい込んでいる領域が、状況次第で起動されるならば、誰しもがある種の“神性”や“超才能”を宿していると言ってもよい。
ただし、それが全面的に解放されるには、人類全体の倫理や意識レベルが追いついていないため、部分的・選択的に解放されるという仕組みになっているわけだ。これは**仮想現実を運営する高次の意思(創造主)が設定した“安全装置”**であると、ストレージ学派は結論付ける。




