第三章 セーフティモードとしての“通常DNA”起動
1. フルパワー起動のリスク
ストレージ学派によると、ヒトがジャンクDNAをフルパワーで“起動”し、高次元の情報や能力を完全に解放してしまうと、パソコンのストレージが飽和するように膨大なデータ処理が暴走する可能性がある。たとえば、通常なら抑制されている量子レベルの認知や空間の再構築機能、未来予測や他者との超感覚的コミュニケーションなどが一斉に働き、個体にとって制御不能な状態となり得る。
これをソフトウェア的に例えるなら、OSが想定以上のアプリやライブラリを同時に立ち上げ、メモリリークが爆発的に起きてシステムクラッシュを招くようなものだ、と彼らは語る。そして、その“クラッシュ”は個体レベルの精神破綻にとどまらず、社会全体をも巻き込むほどの強大な影響を及ぼすかもしれない。なぜなら、一人の人間の認識が“世界観”を左右する要素を秘めているのだ――この点こそが、ストレージ学派の大胆な「仮想現実」の前提となる。
2. 安定稼働を担うセーフティモード
そこで、創造主があらかじめセーフティモードをデフォルト設定しているというのが、ストレージ学派の基本見解だ。私たちが普段使っている能力は、膨大な遺伝子情報のごく一部にすぎない。もし私たち全員がフルスペックで起動してしまえば、文明そのものが一瞬にして方向転換するか、あるいは破滅へ向かう可能性が高い。
ストレージ学派はまた、古代神話や宗教の教えにおける「禁断の果実」や「パンドラの箱」などの概念を、**「フルパワー起動への警告」**と位置づける。すなわち、あらゆる知識と力を一度に手にしてしまうと、人間にはそれを正しくコントロールするだけの倫理観や精神性が欠けており、結果として破局を招くというメッセージが神話の形で語られているのだ。




