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そして日常へ
夜が明けた。噴煙は殆ど目立たなくなり、これ以上の被害もなさそうであった。朝からテレビでは富士山噴火のニュースが流れている。気象庁からも火山活動は終息に向かうであろう。とのことであった。
私と穂香は高木警部とともに木村さんの所へ向かい、事のあらましを説明した。
木村さんは難しい顔をして、「あの玉藻の前ですか。群衆に紛れたとなると相当厄介ですね。ただ向こうから夏美さん、穂香さんに接触してくる可能性は
高いです。くれぐれもお気をつけて。」
私は思っていた。(いったい何にきをつければいいのか?何故私と穂香だけが危険な目に遭わなければいけないのか?)(思えばあの事故にあった日から成仏することもできず、危険な目に遭ってきた。不公平だ。)
少しずつ怒りが湧いてくる。この気持ちをぶつける場所もなく私は塀を殴る。塀がガラガラと崩れ落ちた。通行人がびっくりする。私は慌ててその場を離れる。
(どうした私、しっかりしろ。)私は両手で頬を叩き穂香の部屋に向かった。明日は久しぶりに海でも見に行こう。私は眠りについた。




