第5話:新たな試練と真の魔王への序章、再び勇者として進む道
四天王残党との戦いが終わり、蓮と仲間たちは一息つく。森の中に広がる静寂の中、遠くの山々に不気味な影が差し込み、まだ見ぬ魔王の存在を感じさせる。蓮は息を整え、仲間たちの顔を見渡す。「みんな、よく頑張ったな」声に力を込めると、笑顔が返ってくる。
森を抜け、村へ戻る道中、蓮は次の試練を意識する。未知の国での戦いはまだ始まったばかりであり、四天王討伐はあくまで序章に過ぎない。古代装備の力はますます体に馴染み、勇者力は以前よりも強く、精度の高い戦闘を可能にしている。
夕暮れ、蓮は村の広場で仲間と共に休息をとる。少年少女は戦闘経験を積み、少しずつ自信を取り戻していた。フィリアとリディアも、蓮の戦闘を支えつつ仲間との信頼を深めている。蓮は、ここで得た友情や絆が次の戦いに大きな力を与えることを感じていた。
しかし、平穏は長く続かない。蓮の足元に、再び異様な光が広がる。魔法陣――未知の国への召喚が始まったのだ。「え……また俺?」驚きと戸惑いの中、蓮は足元の光に包まれる。視界が白く染まり、体が浮き上がる感覚。慌てて叫ぶ。「せっかく仲間と、ここでやっと……!」
次の瞬間、蓮は全く見知らぬ国の地面に立っていた。空の色も、街並みも、前の国とも未知の国とも異なる。再び勇者としての使命が彼を呼び寄せたことを、体全体で理解する。「……こうしてまた戦うのか。逃げるわけにはいかないな」蓮は決意を胸に拳を握る。
夕陽に染まる異世界の地平線を見渡し、蓮は心の中で誓う。仲間との絆、古代装備の力、勇者力――すべてを駆使して、次の試練に立ち向かうと。新たな冒険、真の魔王への道はここから始まる。光に包まれた勇者の姿が、異世界の大地に静かに刻まれた。




