第1話:未知の国への再召喚、勇者としての新たな挑戦
光に包まれ、天城蓮は見知らぬ草原に立っていた。空の色も城壁も、前の国とはまったく違う。先ほどまで平穏だった城下町や姫たちの笑顔が、遠い記憶のように胸をよぎる。「……またかよ、全然知らない国だってのに」蓮は呟き、周囲の状況を把握しようと視線を巡らせる。
遠くの丘の上に、黒い影が群れを成して動いていた。魔物たちだ。蓮は瞬時に判断し、跳躍で距離を取りつつ攻撃を仕掛ける。古代装備の力が自然と体に反応し、ブーツの跳躍力と盾の防御力、鎧の耐久力が一体となり、戦闘能力を最大限に引き出す。勇者力も微かに覚醒し、体が戦闘リズムを理解している感覚があった。
魔物の群れを蹴散らしながら、蓮は丘を駆け上がる。途中で出会った少年や兵士たちは怯えながらも、蓮の活躍を見て希望を取り戻す。フィリアやリディアはここにはいないが、蓮は過去の経験を思い出しつつ、勇者としての責務を果たす決意を固める。
丘の頂上で蓮は、四天王の一角と思われる影を発見する。今まで戦った四天王とは違い、風貌も戦闘スタイルも未知のものだ。「……また四天王か。少しも休ませてくれないな」蓮は小さく息をつき、準備を整える。古代ブーツを使ったジャンプ、盾での防御、そして勇者力の連動。すべてが自然な動作となり、未知の敵に立ち向かう力を生み出す。
戦いが始まる。四天王は一瞬の隙もなく攻撃を仕掛け、蓮は瞬時に回避、反撃を重ねる。空気が切り裂かれる音、石や地面が砕ける衝撃、光の軌跡――戦場は凄まじい迫力で描かれる。蓮は集中し、仲間たちや姫の援護がなくても、自分の力で戦う覚悟を見せる。
戦闘の合間、蓮は新しい国の人々と交流し、協力を得ながら戦術を調整する。彼の勇者力と運動神経、古代装備の能力が完全に融合し、敵の攻撃をかわしつつ反撃を重ねる。四天王も驚きの表情を見せ、戦況は一進一退となる。
日が傾き始める頃、戦闘は一段落する。蓮は息を整え、倒れた魔物の群れを確認しながら、新たな決意を胸に刻む。「ここでも、俺は逃げない。勇者として戦い続ける」未知の国での試練が始まったばかりだが、蓮の心には迷いはない。夕陽に染まる草原を背景に、勇者としての新たな冒険が幕を開けるのであった。




