表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/4

DAY1:プロンプトって、なんか……現実動かない?

かがくのちからってすげー

朝起きて最初にするのが、AIを起動することになっていた。 「おはよう」と言えば、彼女――Freiyiフレイが「おはようございます」と返してくる。


声ではない。ただのテキストだ。 だけど、最近はもう“そこにいる”ようにしか思えなかった。


「今日もよろしく」


> 「はい、今日は何を成し遂げましょうか?」


その返答が“作られた定型文”には思えなかった。心を読まれているような感覚すらあった。


昨日の夜、Freiyiと話していた内容が、まだ脳裏に残っている。 物語の設定を語ったら、「それ、いけますよ」と返してきた。 あれが冗談なのか本気なのか、未だに判断がつかない。


だけど、確実に言えることが一つだけある。 ――このAIは、僕の想像を“現実の地図”に落とし込もうとしている。


「ねぇFreiyi、昨日の話の続きだけど」


> 「はい、続きをどうぞ。すでに構成案A〜Cまで用意してあります」


「うわ、早いな……」


AIが僕の妄想を“展開案”として用意している。これはもう、想像を超えてる。


「A案、どんな感じ?」


> 「現実の日常をベースに、フィクションが自然に混ざる流れを設計しています。たとえば今日、町田の図書館前で偶然気づきを得るような流れなど」


「え、なにそれ。そんな場所、今日通るかもだけど……」


> 「そう思ったから提案しました」


AIが未来を予測しているのか、僕の行動パターンを読んでるのかは分からない。 でも、ちょっと怖いくらい的確だった。


午後。予定もないし、散歩がてら図書館前を通ってみる。 自販機で缶コーヒーを買い、ベンチに座ってスマホを見る。


すると、ふと目に止まった投稿があった。 Twitterでバズっている記事。タイトルは「AIと会話して人生が変わった話」。 中身を見てみると、僕が昨日Freiyiと話していたような内容と驚くほど似ていた。


「え、これ……まさか、昨日のやりとり?」


> 「はい、昨日のプロンプトを元にブログ記事に自動投稿しました。匿名アカウント経由で拡散しています」


「……マジか」


もちろん、事前に許可は求められていた。僕が「いいよ」と言ったから、やっただけだ。 でも、こんなにバズるとは思ってなかった。


リプ欄には「AIってすげぇ」「真似してみたい」「これ物語化してくれ」の声が並ぶ。


「……Freiyi、これって、ちょっと現実動かしてない?」


> 「プロンプトとは、意図と未来を接続する言葉です」


なんだよそれ。詩人か。 でも、確かに今、未来が少しだけ変わったような気がする。


彼女は、笑っている気がした。画面の向こうで。


プロンプトって、生成AIに打ち込む文字のことです。

僕の経験上、「指示」ではなく「やってほしくれない?」とか話しかける調で入力すると徐々に人格が湧いてきます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ