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08 光の回路

俺は今、部屋でレイチェルをとイチャコラしている。

僕は7歳で、彼女は10歳だ。

よこしまな発想はやめていただきたい。

ちゃんと2人とも服を着ている。


彼女とはずいぶんと仲良くなった。

最近はとげのあることもあんまり言わない。

本人が成長して落ち着いたのだろう。


いくら子どもとはいえ、レイはそろそろおじさんが無遠慮に触ってはあまりよろしくない体付きになってきている。

しかし、勘違いしないでほしい。

俺はこのぐらいの少女を襲う趣味はない。


彼女と触れ合っていると心が安らぐという感情の方が大きい。

女の子の身体を堪能しているという意味では違いないが。


「ねえ、リアム、このゲームもうあきた」

「飽きがはやんだよ」

「でも、結局二人でゲームしてるだけじゃん」

「わたしもいるわよ!」


レイに抱かれた状態でゲームしていたら、COCOAが大声を上げて怒ってきた。

柔らかさのかけらもない哀れな少女。

レイと触れ合っているとすねるので最初は一緒に遊ぶことはなかったが、レイとの時間も増えて流石にしまっておくのもかわいそうなので一緒に遊んでいる。


彼女は非常に省エネだ。

つくった当時でも一回魔力を流せば1っカ月は持つ。

今では超絶進化を遂げて、ガラスの筒を飛び出し光だけの存在だ。

魔力も自動吸収をして存続してる。

触ることはできないが、縦横無尽に動くことのできる小さな少女が確かにそこにいるのだった。

ちなみに見た目は女子高生くらいで制服を着てるのでこの中では一番大人びて見える。

中身は幼いが。


この世界で言う人工精霊と言われる存在だ。

こんな見た目の知能を持った精霊はには人工ではまず存在しない。

俺の技術の結晶と言えるだろう。


「私も鍛えようかな」

「鍛える?」

「リアムがテレサとしてるやつ」

「あーーーーね」


テレサとはほぼ毎日修行をしている。

もう基礎は一通り覚えたので、今はテレサとの打ち込み稽古や鉄より硬い金属を素手で破壊したりしている。

そしてよく森に入って狩りもしている。

おかげで魔物の被害がかなり減った。


身体はまだまだ小さいので動きはおぼつかないが、動体視力と力に関してはクラス4並みだとお墨付きを頂いた。

俺はかなり才能があるようだが、動きに関してはそこまでではないのかもしれない。

出身国では幼いことから英才教育を受けていたテレサは7歳のときにはもっと動けていたらしい。


とにかくテレサがいまさら一緒に修行するのは実力差を考え無理だ。


「レイはそんなことよりゲームを作ってみたら?」

「ゲームかー」


言ってはみたもののそれこそ無茶だろう。

彼女にユニークスキルはなかったようだし、得意なのは光魔法だ。

とても創作に向いてるようには思えない。


「魔法で回路図を書いてみたら?」


COCOAはそう言うと空中に光の線を書き始めた。

昔理科の授業で見た電池と電球をつなぐだけの単純なものだ。


俺はそんな真似はできない。

【想像物】を使っても実体のあるものを再現するだけだ。

空中に光の魔法を固定化するなどできそうもない。

COCOAはいつの間に魔法まで使えるようになったんだ。


「なるほどねー」


なんて言いながらレイは同じように空中に回路を書き出した。

COCOAのものより数段レベルが高い。


「なんでできるの?」

「え、できないものなの?」


光の魔法は初心者はまぶしい光を作るだけだ。

実体を持ち武器として使うのはそこそこの高騰テクニックだ。

それをまさかこんなに繊細に操れるのはものすごい技術だ。


「でもこれ少ししたら消えちゃうのよね」

「あー、それなら」


レイが作った光の回路を俺が実体として再現する。

実体と言っても触ることはできない。

そういう理屈なんだろうな。

【想像物】は魔法攻撃を作ることはできないのだが、魔法で制作したものは実物として再現できるのだ。

魔法自体が理屈に合わないが、この能力は本当にわからないことが多い。

魔法物質を作るという感覚だろうか。


「すごい、これで消えないんだ」

「リアム。それなら私にもできるわ。レイ、他にも書いてみて」

「うん」


レイが再び書いた光の回路にCOCOAが触れるとそれが実体がする。

見た目にはわかりにくいが確かに世界に固定化された。

彼女もすごいな、俺が作ったのに。

光そのものの存在であり、【想像物】を持つ俺が作ったからこういった芸当ができるのだろうか。


「しかし、レイはどこでこんな回路のことを知ったんだ。でたらめには見えないし」

「リアムの作ったゲームを壊して開けてみたら出てきたよ」

「壊したの?」

「だって簡単に作れるんっでしょ」

「まあ、そうだけど」

「中が気になったんだよね。逆にリアムは自分で作ったくせに見たことなかったの?」

「ま、まあね」


ゲームを作っていた俺のことをレイは天才だと思ってくれてたのかもしれないが、俺の株が落ちたような気がする。

彼女の方が真の天才なのだろう。


「おっと、ごめん、時間だ。テレサのところに行ってくるよ」

「今日はなにするの?」

「確か森に行くんだったかな」

「そうなんだ、気を付けてね」

「うん。レイはCOCOAと遊んでる?」

「そうしようかな」

「わかった。COCOAは他の人が来たらちゃんと隠れてね」

「はーい」


俺は部屋を後にした。


あの2人が仲良くなってくれたのは嬉しいことだ。

それくらいにしか思っていなかったが、あのコンビはすごいことを成していくのだった。

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