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03 この世界の力

足腰もしっかりしてきて、二足歩行が出来るようになった。

この世界の言葉も喋れるようになってきた。



***



この世界でも引きこもると決めて、どうしようかと考えた。

生前では何が必要だったか。

養ってくれる奴、在宅ワーク、巨万の富、不労所得。

赤ん坊にできることは少ない。

せいぜい抱き上げられた拍子に胸に顔を埋めるくらいだ。

それをやっても露骨に嫌がるシスターは少ない。

テレサは最初は嫌がっていたが、今はあまり気にしていないようだ。

それどころか、最近は俺をよく見ている。

彼女はショタ好きなのかもしれない。


俺はまず知識を得るために本を読み漁った。

子供向けの本は文字を覚えるのに役に立ったがもう必要ない。


文字が読めるようになったので、将来役立つものを読むとしよう。

気に入った本は下記の5冊だ。


・魔術教本

 基本となる様々な魔術が掲載されて、習得方法や応用方法などが書かれている。


・体術教本

 基本となる様々な体術が掲載されて、習得法補や応用方法などがかかれている。


・ユニークスキル全編集

 別名固有魔術と言われる能力についての図鑑。


・世界地図

 ローレン大陸の国や地形について書かれた本。


・リュウの冒険

 400年以上前に天界・魔界・人間界で暴れまわったリュウと呼ばれた人間の冒険記。


すべての本を俺のものにして自室で読みたいところだが、残念ながらこれらの方は共有するものだ。

しかし、そんなに読みたがる奴もいないので、毎日ゆっくり読書できた。


魔術教法な大変興味深いことが書かれていた。

才能さえあれば魔法でありとあらゆることができそうだ。

体術教本も意外と面白かった。

武器を使う予定はないが、身体能力を上げられるのは運動嫌いの俺でも楽しそうに思えた。


一番興味深かったのはユニークスキルだ。

ユニークスキルは固有の特殊スキルだ。

ほとんどが魔法で再現可能な力なのでそこまで重要視させない力だが、

俺にとってはチート能力みたいなものなので、テンションが上がる。


ユニークスキルは誰しもがもっているものではない。

基本的に先天的なもので身に付けられるものではない。

他人のユニークスキルを人体実験みたいな真似をして奪うやつもいるそうだが例外だろう。

能力が変化することはないが、鍛えることはできるらしい。


例えば、シスターの一人であるアリスの【獣化】は文字通り肉体の一部か全部を獣に変化させるものだ。

珍しいものではなく、ある地域の部族はほぼ全員が持っているそうだ。

このスキルは鍛えれば獣としても能力が上がる。

体術と組み合わせればかなり強い。

使える人間は使えない人間よりプラスαで身体能力を得られるというわけだ。


しかし、アリスはユニークスキルを持たないテレサに勝てない。

テレサの体術のレベルはアリスをはるかに超えるからだ。

【獣化】で埋められる差ではない。


体術についても教えておこう。

そもそもこの世界ではあらゆるものがエネルギーを持っている。

魔力と言い換えてもいい。

そう聞くと魔法にしか使えなさそうだがそんなことはない。

肉体や武器にまとわせて、身体能力や強度を上げることができる。

それらを総称して体術と呼ぶ。


もちろんエネルギーが多い方が強いが、それ以上に技術が重要だ。

特に体術は魔術と比べてエネルギーの消費が少ないので技術が重要になる。


魔術についても教えておこう。

この世界のエネルギーを還元し、奇跡を起こすことだ。

理論上、適切な術式を組めばなんでもできる。


術式は基本的に詠唱と魔法陣であり、それらを応用していく。

詠唱は無詠唱になり、無意識というレベルにまで到達する。

もちろん詠唱のが技術もいらず安定もしやすい。

さらにあらかじめ術式を書いてある魔法陣と比べて同じ魔法でも技術の差が出やすい。

下位互換と言われている魔法でも使い手が強ければ、上位互換の魔法に打ち勝つことができる。


魔法陣は、物に刻み込んだり、肉体に刻み込んだりする。

先天的に魔術が体に刻み込まれていれば、ユニークスキルだ。

これを聞くとユニークスキルは魔法陣を身体に刻み込めば再現できそうに聞こえるがそれは難しい。

魔法陣は基本的に使い捨てだ。

それを体に組み込んでもせいぜい一回きりだ。

ユニークスキルは何度も使えて応用もできる。

奇跡的に魔術が組み込まれたマジックアイテムよりも特殊なものだ。

今の技術では最も簡易といわれるユニークスキルも再現不可能である。


魔法をの発動にはエネルギーを消費する。

技術を上げれば効率や威力は上がれれるが、連発したり大規模にしたりするにはやはりエネルギーが必要だ。

体術に比べて、エネルギーの量が重要視されている。


体術、魔力ともに使い手にはランクがあり、クラス1からクラス10まである。

正面から向き合った対人戦で、同じランクであれば体術に分があることが多い。

また、体術でランクが下のものが上のものを倒すのはかなり難しい。

しかし、魔術のランクは規模で判断されるので、少しのランクの差をひっくり返すこともできる。




話が長くなってしまったが、とにかくチート級のユニークスキルがあればすべてをひっくり返して最強にもなれるのだ。

早速自分のスキルを調べてみよう。

変なスキルだったら俺は死にたくなるな。

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