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42.5-1.午前8:00-9:00 集合と着替え!

これは、7月の期末テストを無事に終え(1章)、8月から始まる夏休み(2章)になる前の話。僕達は期末テストを終え、そのお疲れ様パーティーをしようと、期末テストのあった週の休日に西宮家へと集まる


...筈だった。


◇◇◇


土曜日 a.m.8:00


僕は今、南海高校の校門前で皆を待っている。なお服装は西宮家へと向かうため、変身セット(西宮家の護衛部隊の制服)を着ている。なお、既に愛莉には自分が『黄金の黒騎士』であることはバレているため(36話目参照)、今は変身せず黒髪のままである。


「あ、おはよう桂馬くん♪」(あの狸はまだいないわね♪ま、西村に頼んでアイツだけ集合時刻を1時間遅らせるようにしたけれど。)


そこに校門の影からひょこっと愛莉が現れる。どうやら最初にここに到着したのは愛莉だったようだ。彼女は周りをキョロキョロし始めて誰もいないことを確認すると、一気に僕の胸へとダイブする。


どうして女の子というのは、こんな汗がじんわりと掻くような暑い日であるにも関わらず、いい匂いがするものだろうか?愛莉からは相変わらず蜂蜜レモンの甘酸っぱい香りがして、いつもと変わらない白い朝に彩を添えていく。...本当ならこの時点で恋心を抱くだろうけれど、彼女に『最後の標的(ラスト・ターゲット)』に指定されている(※)僕からすればこれもハニー・トラップの1つであり、油断すらままならない。


※2章序盤の方で詳しく説明します!


彼女は僕のことは他の男達とは違い、かなり本気で落とす勢いでアプローチを仕掛けにかかっているため、高校で恋愛をするつもりはない僕にとっては気を引き締めないといけないのである(※)。


※くどいようですが、2章序盤の方で詳しく説明します!


だから僕はスッと一瞬で冷静さを取り戻し、適切に相手していく。


「おはよう、早乙女...。そうやって抱き着くと男の汗臭さが移って折角の化粧も台無しになっちまうぞ?」


「大丈夫...。この化粧は桂馬君の匂いを加えることで完成するからいいの♪」(スゥーハァ―。スゥーハァ―。ああ、この匂いに包まれると安心する...。ンッハァー、新しい聖遺物の発見は私の幸福にとって銀河の発見以上のものよ!クンクンスゥ~♪)


な、何だろう...。外は7月の割に暑いのに、段々背筋の所がゾっとしてくるんですけど...。愛莉はそのままさらに鼻の部分を中心に顔をグリグリと押し込んできて...な、なんか深呼吸するように呼吸音が大きくないか?


「おいたはあきまへんよ?狐はん。」


少し愛莉に対して怖くなってきたところで、別の美少女が待ったをかけ、扇子で愛莉の頭をピシッと突っ込んだ。


その人物は西宮一姫。愛莉と同様にアプローチを仕掛けにかかる美少女で、着物を着てやって来た。


愛莉は...おう、邪魔されたことへの憤りに一姫がそこにいることへの困惑が混じったような顔をしている。その顔はとても人前では見せられないものだぞ...。


「おほほ、おはようございます、西宮さん。随分と早いご到着ですね...。」(な、何故西宮がここに!?しくじったのか!自力で嗅ぎつけを!?)


「そらそらご心配をおかけして申し訳あらしまへんどした。どうもうちの六番隊隊長はんが誤報を知らしてもうたようで~、きちんと仕置きをしてからお会いしに参った次第どす♪」(開口一番に仕掛けてくれたな、この狐!せこいやり口をこないにも使うて!!いっぺん六番隊隊長はんには、何処かの無人島にでもほっぽり出して西宮家への忠義いうの取り戻させなあかんかもなぁ~。)


もういいから早く行こう...。今日って思いっきり羽を伸ばせる楽しい一日の筈だよね?そんな一日の始めがどうしてこんなに本来予定していたものとは真逆のものになっているんだよぉ~。


僕は天を仰ぎながらも西宮家へと続く勉強部の隠し階段(14話参照)へと向かった。相変わらずなんて工事をしてくれたのか...。今回、初めてとなる愛莉も口を開けたまま言葉にならない声を発している。そして真顔でこう僕に言う。


「ねぇ。西宮さんってアホなの?」


と。正直に言って全く同意なのだが、西宮家の護衛部隊の隊長としては複雑なものだったので黙秘権を行使した...。


「あー、お疲れ様。お疲れ様。遅かったですね。お嬢達...。」


電車の前に立っていたのは僕と同じ色の上着と袴を着ている陽葵。彼女は今回、僕達をエスコートする役を引き受けてくれたという。


まぁ、僕としては特に問題はないので口出しはしないでおく。


「それより。これから西宮家でパーティーをするのに何でしょうか?その服装は。桂馬様やお嬢はいざ知らず、早乙女様。それでは西宮家に上げるわけにはいきません。」


ん?なんか雲息が怪しくなってきている気がするが、もう少し様子を見ておこうか。


「そこに着物をご用意させていただきましたので、着替えて下さいませ。」


「あ、はい。」(何だろう?この強引な感じは...。警戒する必要がありそうね。)


愛莉はそのまま洋服に着替えに、予め用意されていた試着室へと入っていった。その間、一姫はそっと右腕にしなだれかかってあわよくば電車へと連れ出して愛莉を置いてけぼりにしようとしたが、何とか僕はそれを阻止した。


30分後、愛莉は試着室から出た。一姫の桜色の着物に対し、愛莉は藤色の着物を着てその姿を華やかにしていた。...裾の長さが太ももの所までしかない点を除けばだけど。


「...じゃあ早く西宮家に行くか。」


「そうやな~。1秒でも無駄には出来やしまへんさかいねぇ~。」


「...それはいいけれど、なんで私のは裾の丈が短いのか説明してくれないかな?」(いや、聞かなくても実行犯くらいは分かるわよ!)


「申し訳ありません。本日はそれしかご用意はできませんでした。お客様にそんな不便な思いを抱かせるなんてー(棒)。」


「ああ、可哀そうな陽葵はん。ここまで攻める必要はあらへんのにな~(棒)。」(゜m ̄〃)ぷぷっ!


「分かりましたから頭を上げて下さい。私はそれで構いませんから。」(お返しね。お返しのつもりなのね!)


これ以上はアカン。放っておくと西宮家に着く前に1人分の欠席者が出てしまうのが直感で分かる。僕はなんとか軌道を元へと戻そうとした。


「とにかく。皆を待たせたら可哀そうだし、行こうぜ!」


「そうどすな。」


「そうね。着くまで一先ず休戦と行きましょうか。」


はぁ~開幕からこのペースだと僕の胃袋に穴が空きそうだよ...。

お読みいただいてありがとうございます。


ブクマやこの下の星でポイントをつけて応援していただけるととても嬉しいです。


どうぞ、よろしくお願いします!

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