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19.環境破壊は最高ZOY!

どうもうちは西宮一姫どす。今、うちの目の前ではお母様と桂馬はんが戦闘をしてます。桂馬はんはおつむを金色に染めて後光のようなオーラを拳に、お母様は赤い闘気を愛刀『鬼斬丸』に纏うて構えてます。


わあ、また桂馬はんの拳とお母様の愛刀の切っ先がいらえる前に爆発して敷地が1部消し飛び、桂馬はんのオーラとお母様の闘気がまるで登り竜のように上昇して空を2色に染め上げてます。ほんで2人とも高笑いをしながら斬撃と打撃を打ちつけおうてます。


「お母様が楽しそうで良かったどす。桂馬はんも久々に発散できてるような顔でどっか嬉しそう。」


そう言うてるあいさにまた、爆発起こってもうていてはった...。


プルルルルッ!


おや?また北七はんから電話や。今度は何やろう?


『度重なる報告、失礼いたします。』


「ええで。それで今度はどないな報告どすか?」


『はい。鼠共を尋問した所、南村が反乱を起こしたきっかけとなる早乙女愛莉とやらがそちらへと向かっているそうです。強引な手を使えばそれも阻止できるのですが?』


「いいえ。その心配はあらしまへん。桂馬はんには既に八番隊隊長の証をつけていただき、今はお母様に入団試験を受けていただいとります。」


『成程。元来なら入団試験に合格して始めて隊長の証は頂けるもの。ですが、あの御方なら不合格は有り得ない。つまり、順序が逆になっても証さえつけてしまえば既にこちらの手中に収めたも同然というわけですね。』


「さすが()()()()()()()()()()。察しがよろしおす。それとこら提案どすけど、桂馬はんとお母様との戦いを現在、監視カメラがしっかりと録画してますがどうどす?今日の夜は皆を集めて鑑賞会でもしまひょか。えらい見物な戦いになってますで?」


『それは素晴らしい提案です。今夜はその映像を鑑賞しましょう。それと是非、六番隊の隊長にその映像を編集させましょう。編集前の映像と編集後の映像とを見比べで鑑賞するのも一興だとこちらからも提案させていただきます。』


「ほなその件も頼もか。今回の騒動の罰として、1日間袋積めで編集ちゅう流れでいきまひょか?」


そうやな。今回の反乱についてはそれで手ぇ打つ形でええやろう。むしろそれで済むだけで有り難い思うやろう?西村はん。いいえ、




























西()()()()()()()()()()()()()()()()()()はん...。


◇◇◇


ドッゴォーン!!!


またパンチが届く前に爆発して互いに爆風で飛ばされた。これでもう3発目だぞ。ああ、僕の金色のオーラ的ななにかが赤い光的ななにかと一緒に遠くの山にぶつかって爆発した...。


「アハハハハハハハ。フッーハッハッハッハッハ。楽しい。楽しいで。こないに血沸き踊れる相手は20年前の閻魔大王討伐以来や。」


「その閻魔大王について詳しく聞いてみたい気はするが、今は集中しないと、ね☆」


地面を蹴りつつ、左拳に力を込めて正拳突きをする。相手は刀の切っ先に赤い光を集中して鋭い突きで応戦してくる。


そして4度目の爆破オチを決め、お互いの地面にクレーターを作成する。正直に言って、全力を出したのは始めてかもしれない。何気に今までは周囲の目とか見聞とか気にしながら加減をしていたけれど、目の前の相手は本気で相手をしなければならないという警戒から全力を出して戦っている。


何故かそれを出すたびに、不思議な爽快感というものが沸き上がる。口角が無意識のうちに上がっていく。


そう。彼女はこんなふうに病の力を借りた僕と同じくらいにバグったぶっ壊れキャラ。相手が強者を求めるように、僕自身もどこかでガス抜きの出来る場というものを本能的に探していたのかもしれない。勉強で行き詰って集中力が切れそうになった時にするクールダウンのように...。


駄目だ。そんな風に考えてしまったら目の前にいる戦闘狂みたいになってしまう。普通の学生から遠ざかってしまうのはアウトだよ!


「ああ楽しい時はすぐに過ぎ去ってまう。こないな高揚とした気分のあいさに聞いときたいな、あんさんの名前を。」


「名前?そうだな。秘密にしてくれるなら。」


「それで構わへん。早う教えろ。」


「私の名前は東山桂馬。ただの高校2年生だ。」


「うちと渡り合う猛者がただの高校生を名乗るか。うちは西宮家現当主、西宮(にしみや)()()(ひめ)。一姫の母どす。あんさんのことは2年と10か月の時から目ぇつけとったんや。期待以上や。さあ、夜明けるまで戦いまひょ。周囲のことは気にしな。西宮家ならどないな事態も事後処理できる。あんさんは全力を出して、うちだけに集中しとったらええ。」


目の前の女性、西宮澪五姫は更に赤い光を刀に込めていく。ここで一発、大技でも出すつもりだろう。


「ならば此方も応えなければ...失礼というもの...。」


大技が来る予感がした僕は、左の手のひらに金色のオーラを集中させて巨大な光球を生み出していく。


「逝くで。不邪淫戒(ふじゃいんかい)破りて(ことわり)を為はんとす。西宮流(にしみやりゅう)破魔(はま)断剣術(だんけんじゅつ)!!!」


ろーくーごーうー(六合)。」


大気が振動し、バチバチと静電気がスパークしていく。地面はさらに穿ち、木々はメリメリと裂いていく!


火廼(ひの)霊斬(りょうざん)!!!」


「破ァァァァ!!!」


お互いに大技を出す準備を終えたその瞬間、急いで来たであろう京宮先生が肩で呼吸をしながらも大声で僕達を止めるように声をかけた。


「お、お前達ィ!そこまでにしろォ!!」


「「へ!?」」


しかし時遅く、赤い巨大な斬撃が、金色の閃光が互いに地面を抉りながら撃ち出され、


ドゴォーンッ!!!


と激しい炸裂音とともに西宮家の庭を全壊させた。


火廼霊斬&六合破『『環境破壊は最高ZOY☆』』

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