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第八話 初陣② -Julius Side-


 全く、どいつもこいつもクズ、クズ、クズ、クズばかり。

 本当に何の役にも立たん連中だ。

 最下級ランクのクソ雑魚に苦戦するなんて、呆れるにも程があるぜ。

 

 まぁ恐らく俺を勇者として試してるんだろう。

 なら綺麗に決めてやろうじゃないか。

 俺は背負ってる聖剣ギグドラーンを引き抜いて構えを取る。

 超絶に苛立ってるんだ。雑魚だろうがメッタメタに切り刻んでやるから覚悟しろよ。



「タニス! お前まで俺の足を引っ張るのかよ! さっさと俺に精霊の加護を送れよ! 出来損ないフェアリーが!!」


「……言われなくてもやるわよ!」


「うぉぉぉーーー!!」



 俺は【勇者のオーラ】を発動する。

 力、防御、魔力、魔法防御、行動力、反応力、抵抗力など全てのステータスが底上げされる勇者の秘術。

 これに【勇者の一撃】を発動。

 次の技の威力を五倍にまで引き上げるスキルだ。

 これも勇者にしか使えない専用のスキル。

 さて、勇者様が圧倒的破壊力で葬ってやろうって言うのに、精霊の加護の力がまだ弱いな。



「ちっ!」



 タニスめ、なにチンタラやってるんだよ。



「おい! 早くしろよクソフェアリー!! やっぱりお前は出来損ないのクズだな!! そんなんだから、フュリンを超えられないんじゃないのかよ!」


「!!!!!!!?」


「役立たずが! もういい! いくぜ!! 神雷彗星斬!!!!」



 空高く飛び上がった俺は、思いっきり振りかぶって魔力を高める。

 その時聖剣に雷鳴が落ち、バチバチと刃に纏わりついた。

 そしてそのままゴブリンに向けて振り下ろすと彗星が落下するかの如く凄まじい衝撃が辺りに吹き荒ぶ。


 ふふ……ふふふ。どうだ……クズどもめ。

 これが勇者様の力だ。分かったかクソッタレが。



「よし、それじゃあ俺たちの持ち場に行くぞ。誰かさんのおかげで随分と時間が」



 ん? なんだよその目は……。

 そうか、余りの破壊力に驚いてるのか。

 くくく、やっと俺の凄さが分かったかクズども。

 こんな雑魚にあの技を使うのも少々大人気なかったが、な。



「い、生きてるぞ……」


「なんだと?」



 爆煙の中からゴブリンが現れた。

 それも三体。ダメージは食らってはいるが、まだ余裕がある様子だ。

 そ……そんな馬鹿な……。

 いやいや、おかしい。ダメージは確かにあるがそんな問題じゃないんだ。

 こんな雑魚など二十体ぐらいを一瞬で葬り去るぐらいの威力がある技だぞ……。



「グギギ……アガァ!」


「ギィー! ギィー!」


「ギギィ! アガガ!」



 ゴブリン達はリズム的なステップを踏みながら、ジワジワと間合いに入ろうとしている。

 こいつら、俺を集中攻撃する気だな。

 間合いに入られる前に……って、こんな雑魚ごときに作戦を考えていたのか俺は!?



「ギィィィアァァァ!」


「アガグゥエァァァ!!」


「グギィィィィ!」


「な!?」



 は、はやい……。雑魚が出せるスピードじゃないぞ。

 どうなってるんだ。ただのゴブリンだろ?

 そんな風に頭の中で色々と考えていたせいか、気がついた頃には

 上から、左右からと三体のゴブリンの挟み撃ちにハマってしまっていた。

 これは……もう逃げられない……。



「あがぁ! ……ぐぉぉぅ! ……ぐへぇぁっ!」



 空が見える。俺は地面に倒れたのか。

 何だ……誰かが何かを叫んでるが、響きまくってよく聞き取れないぞ。

 あれは……ゼノスの背中か。



「お……し……しろ」



 何だよゼノス。また何か文句でもあるのか?



「おい! ユリウス! しっかりするんだ!」



 意識がハッキリして来た。

 戦巫女のリミアが治癒術で俺の傷を治してるのか。

 リミア、何をチマチマ回復させてやがるんだ。

 それは【光癒手ポアナ】だろ。

 初級治癒術じゃないかよ。お前馬鹿なのか。

 もっと上位の術を使えよ、何勿体ぶってるんだよクズが。



「逃げるわよ」



 おい待て……ゴブリン相手に逃げるだと?

 ふざけるなリミア。そんなみっともない真似するんじゃない。

 リーダーは俺だぞ。勝手に決めるな。

 と、言いたいが今の俺は目を開ける力もない。

 くそ……雑魚の攻撃でこんなダメージを受けるなんて……。

 悪夢なら早く覚めてくれ……。

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