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第十四話 そしてループ③ -Furin Side-


 あら? ここって……医務室やん。

 なんでや? 何で急に医務室におんねんな。

 確か研究所でだだっ広い部屋を見つけて、そこで鉄の人形が進化モデルやって言うのが分かって……。


 あたいの名前がその人形のプレートに書かれてあったんよな。

 え? まさかこれって……時間戻った?

 医務室のベッドで眠ってるタニスが目の前におるねん。



《嘘やろ!? 何で戻った!?》


「ん……ぅ」



 タニスの目が開いた。



《タニス! あかんわ、また時間戻ったみたいやわ》


「な、なに!? フュ、フュリン!? どうしてあなたが!? ここは何処!?」


《ちょ、ちょ、ちょっと落ち着き! 説明するから……ってあれ?》



 ん? これってどう言う事?

 今の状況って時間が戻った状態になってるはず。やのに、あたいには前回のループの記憶があって、タニスにはなさそうやねんけど。


 何で今回あたいは覚えてんの?

 タニスにこれまでの事全部説明してんけど、最初から覚えてなかってん。


 何でここに連れてこられたのかも全く全部忘れてた。

 ほんまあたいとタニスが入れ替わった感じ……。


《そ、そうか!! 意識体やからなんか!! 多分一回目、二回目は、あたいがタニスの体を支配してた。だからループした時覚えてへんかったんや!! ほんでタニスが記憶ないのは意識体じゃないから!!》



 これや。絶対これやわ。

 前回のループであたい達入れ替わったんやった。

 そっか、意識体はループの影響を受けへんのか。



「じゃあ、その研究所にもう一度行ってみましょう!」



 あたい達は研究所に向かった。

 せやけど、何で時間戻ったんやろ……。確かに何か真実に近づいてる感じはあったんやけど、時間が戻ったって事はあのルートは間違ってるって事なんかな。


 タニスが言ってた〝ある場面〟を越えたら時間が巻き戻るって言うてたけど……もしかして場面やなくて〝時間〟なんかな?

 ある決まった時間を超えたら巻き戻るとか?



「私は覚えてないけど、これまでのループを聞いてたら、制限時間みたいなものが設けられてあって、その時間内にある事をしないとループに入る……と言う事かしら?」


《前回のループであんたに詳しく聞いとって良かったわ。一回目と二回目のループ、ほんで前回、三回目のループで行動しとった時間ってほぼほぼ同じぐらいや思う》



 勿論正確な時間なんて測ってへんから分からん。

 でも大体話を聞いたら、どのループも似たような時間を過ぎた辺りで巻き戻るって事が分かった。

 だからタニスが言った通りどうやら〝制限時間〟があるみたいやわ。


 研究所にある、あのでっかい部屋に入って

 進化モデルについて色々調べてみてん。

 幸いな事にタニスが前回の記憶を忘れてるおかげで、自暴自棄にならずに、今積極的に他の部屋を調べに行ったんやけど、ここおったらまた前回みたいな状況になるかも知らへんしな。

 と言う事であたいは〝あの床〟に乗って光る窓を出した。



《進化モデル、適合率八十六パーセント……》



 やっぱりこれってあたいと、あの鉄の人形との適合させる為のやつなんやと思う。

 進化……あたいの進化モデル……あたいの……フェアリーの……?



《そうか!! フェアリーの進化モデルって事なんや!!》



 でも何で? フェアリーを進化させてどうなんの?

 大勇者を生み出す為に進化せなあかんて事?







-Tanis Side-


 手分けしてここから脱出する手掛かりを探す為、私は大きなモニターがある部屋に来ていた。

 色々部屋を調べたけど、何かあるとしたらこの部屋なのよね。

 フェアリーの誕生の秘密を知った部屋でもあるから、本音は早く出ていきたい。


 だけど、大勇者計画でみんなが犠牲になる事を考えるとそんな事言ってられないわ。

 模様のある床に魔力を送ると、魔界疫病、勇者システム、大勇者計画、何回も見た文字が並んだ。


 私は魔力でページを送って、もう一度念入りに読んでみる。



「ダメ。それらしきものはやっぱりないわね」



 魔界疫病の事、勇者システムの事、大勇者計画の事が詳しく書かれてあって、最後まで読んだけどそれ以外の事は何も書かれてなかった。


 ふとアーキノフ様の言葉を思い出す。


 私は、フェアリーは、ザングレスの魔力で造られたのかって聞いた時の事。


〝いや、そうではない。フェアリーが繁殖しやすい環境を整えるのに一役買ったに過ぎん〟


 そうではない?



「ふっ……ふふ」



 思わず笑ってしまう。

 嘘だったじゃない。人間界が汚染されたとかも嘘よねきっと。

 私はずっとアーキノフ様を尊敬してた。ラムリースにはフェアリーの森が沢山あって、いつも気にかけてくれてた。

 それは強い勇者を生み出す為だったとしても、その当時は世界を守る為だと思ってたし、実際フェアリーはとても居心地が良かったの。


 だけどここで真実を知って、もうアーキノフ〝様〟なんて呼ぶ気もしなくなっちゃったわ。


 ってもう考えるのはよしましょう。

 疑問なのは、この説明を読む為にどうしてこんなに大きなモニターを設置したのかなのよね。


 気にしないでいい事かも知れないけど、それぐらいしか見当たらないのよ。



「…………うん?」



 魔界疫病、勇者システム、大勇者計画、三つの項目が選べるんだけどその下にもう一つ何も書かれてない空白が選べるの。

 私はそのまま魔力を送って、空白の項目の先にアクセスしてみた。

 するとページが変わってモニターに〝種族認証プロセスを開始します〟と言う文字が表れて、次に認証中と出てくる。



「認証……中……?」



 暫くしてまたモニターが変わって〝種族認証完了〟と言う文字が浮かび上がった。

 それで次々と項目がモニターに表れたの。

 その項目の一番上に〝進化モデル【エルフ】〟と書かれてあった。


 上から順番に項目の内容を読んでいくと、フェアリーの進化について、進化後の名前がエルフである事、エルフに進化したらどんな能力が目覚めるのか、容姿がどうなるのか、色々と詳しく書いてあったのよ。


 エルフ……私達がこのエルフに進化出来れば、大勇者計画でフェアリーが絶滅する事なく、ここから脱出する事が出来るんだわ。

 私はそう確信した。



「とりあえずこれをフュリンにも見せ……」



 言葉が止まってしまった。それは最後の項目〝適合者について〟の内容を読んでいた時だった。

 エルフに進化出来るのは〝適合者〟のみ。

 つまりフェアリー全員がエルフに進化出来る訳じゃないって事だった。

 進化モデルとの適合率が六十五パーセント以下の者は、進化プロセス実行時に体が耐え切れなくなり、場合によっては消滅してしまう。


 だからここで適合出来るか、チェックしてから行うようにと書かれていた。

 私は自分が適合者なのかチェックする事にした。


 モニターにチェック中と文字が表れる。

 また暫くして文字が浮かび上がって来た。



「適合……出来ません……?」



 私の適合率はゼロパーセントと書かれてある。

 嫌な予感はしてたけど、適合出来ないってどう言う事。

 それって……。



「適合出来ないって書いてますねぇ。それってつまり……貴方は進化出来ないと言う事。いやぁ残念でしたねぇ」



 いきなり、背後から声がした。



「あなた!? ど、どうしてここに!?」


「どうしてって、実行しに来たに決まってるでしょう? 大勇者計画をね…………くっふっふ」



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