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バグった転生  作者: Glucose-One
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00-04 リアのバグり始め

 超越剣取得からから1年。俺は6歳になった。

 勉強しては訓練、勉強しては訓練の毎日だ。

 本格的な勉強に関しては、10歳頃からするのが普通らしいが、父エクス譲りの学ぶ才の無さと、精神の早熟から、通常より早くやっているわけだ。


 剣術、体術に関してはもちろん父エクスが、勉強に関しては母ライラが。魔法、魔術に関しては父と母合同で教えられている。

 正直家庭教師とかでいいのでは?と思うのだが、どうやら俺は規格外過ぎて無理だとか。

 エクス、ライラ、どんだけ凄い悪魔なんだ!


 ちなみに、俺は魔王の十大能力全てを持ってるわけだが、判明していないのが多い。

 現状判明している魔王の能力が、『魔剣』『全闇属性魔術習得』『全闇属性魔法習得』『闇属性適正』『魔力奪取』『魔力吸収』『魔物使役』『魔族服従』の8つ。

 父が使えるのが、『魔剣』『闇属性適正』『魔力奪取』『魔力吸収』『魔物使役』の5つで、俺が使えるのが『魔剣』『全闇属性魔術習得』『全闇属性魔法習得』『闇属性適正』の4つ。

 見事にすれ違っている。

 でも、『魔族服従』なんて持ってたら、信頼なんてなくしてしまいそうだから、使えなくて安心だ。

 

「はい。じゃあ最初からね。魔神とは何ですか?」


「えぇーっと。人間界の…人間界の魔力から生まれた……精神体?だっけ?」


 くっ。この体、自力や潜在能力に関しては凄まじいらしいが、物覚えが悪すぎる!しかし、一応ここ数ヶ月で、記憶力は上がっている。もう少しの辛抱だ!


「正解よ!!次は……。」


_________________________________


 今日の勉強は終わり、とうとう来たエクスの番。訓練はいつも近くの公園でやっている。俺の家には中々広い庭があるのだが、人に見られながらやるのも大事とのことだ。正直ハズい!


「さぁローグ!!準備運動の次はランニング!10周だ!」


 能力に慣れるのも兼ねて、『身体強化』を使っていいとも言われたが、以前フルパワーで楽をしようとしたらぶん殴られたので、使うのが怖い。

 

 って、あの女の子、今日初めて見るな。


「こんにちは。」


 あっ!手を振ってくれた!!かわいい!!よし!ちょっと頑張るか!!


_________________________________


 ちくしょう、最初のランニングで張り切り過ぎた。


「はぁはぁはぁ……。」


 長時間魔力を使いすぎると体調不良を引き起こす事もあって、訓練終了後は  『身体強化』や『感覚強化』を完全に切っている。

 そうすると抑えられていた疲労がドッと来て中々苦しいのだ。


「よく頑張ったな。父さん、あっちで待っとくからな。休んでろ。」


 はぁ。待つって言ったって、そこら辺の奴らに話かけられるの楽しんでるだけだろ。


「こんにちは。お疲れ様です。」


 あっ!!あの女の子だ。そうだ!話したかったんだ。この世界に来て初めて同年代に話しかけられた!!


ー下級能力:身体強化ー

「やぁ、こんにちは。この公園、今日が初めて?」


「うん。今まであんまり外に出てなかったから、外に出なさいって言われて。」


 ヤバイ!何話したらいいか分かんねぇ!「いいお天気ですね」って言いたいけど、魔界って年中曇りだからな。


「へ、へぇ。そうなの。……その本、どんな本?」


 微妙な返事してしまった。会話繋がるか!?


「前にお母さんに買ってもらたの。魔界の伝説の物語。魔王様も出てくるの。」


「そうなんだ。むっ、難しそうな本、読めるんだね。」


「うん、ありがとう。」


 くっ。かわいい!!なんてかわいさだ!!服や体の色は全部暗いのに!俺は一目ぼれしてしまった!!


 あっ!そうだ。名前を聞こう!


「なっ、名前は、なんて言うの?」


「リア。貴方は?」


 返し来たぁー!!


「ぼ、僕は、エクシズ。エクシズ・セルスフィア。宜しく。」


「苗字があるの?もしかして偉い人?ごっ、ごめんなさい!慣れ慣れしくしちゃって。」


 慌て方、なんてかわいんだ!!これが、いわゆる眩暈か!しかし暗くなるんじゃくて明るくなる方の眩暈は始めてだ!!

 って、苗字があるのって一部なの?だから同年代から話しかけられなかったのか!


「いや、いいよ!そんな感じで!」


 ライラは別として、エクスに関しては仮に特権階級でも大した奴じゃないだろうからな。


「ほんとに?ありがとう……。これから宜しくね?」


 二度目の「ありがとう」からの赤面!ありがとうございます!!一生分の幸せです。


_________________________________


 それから俺は、硬い頭と幼い体に鞭打って、訓練も勉強も頑張るようになった。

 そして俺はついに、週2回の休日を貰ったのである!!

 俺はその休日を全てリアのために使っている。

 

 それをしばらく続けていると、俺はだんだん周囲の大人から声を掛けられるようになった。


「こんにちは。ローグ様。」


「こんにちは!」


 最近はこんな風に、挨拶をしてくれるのだ!

 そして……。


「こんにちは!ローグ!」


 リアだ。


 ゲスな男の特権である夜の妄想の時間、俺はリアについて分析した。

 彼女は実際、美少女ではない。人より利口で、優秀で、清潔でもあるが、核心はそこではない。

 いわゆる異世界ファンタジーに出てくる、医学的に見て、不自然に肥大化した眼球や瞳も持つわけでもなく、これでもかとばかりに整った顔つきでもない。(もちろん整ってはいるが)


 しかし、彼女の雰囲気は、鮮やかさではなく、ごく普通の世界の中にこそ美しいものがあるのだと、気付かせてくれる。 

 何より、リアとの会話は今、俺の普通の生活の一部でしかないが、光よりも美しく輝いてる。


「やぁ!リア。」


 なんか、魔界っていいな!


「ねぇローグ。私ね、今日能力判定に行ったんだ。」


「へぇ。どうだった?」


「大したものはなかったんだけど、一つだけね、一つだけ、特別だ!って言われたのがあるの。特殊能力の「げんかいとっぱ」、だって。知ってる?」


「もちろん!知ってるよ!強化系能力の中でも上位の能力だろう?すごいじゃない!!」


 最近、本格的に雑学的な勉強が始まっていて、こっちの世界は比較的平和な世界だと知った。だけど、意外と能力主義的な所があって、大した能力がなかったりすると相当白い目で見られるとか。

 まぁ、だからこそ平和なのかもしれないけど。


「それでね、近くにいた貴族の人がね、私とママとパパのところに来て、『力を貸してください』って言ってたの。」


「ほう。すると、リナのその能力って、人にも使えるってこと!?」


「そうみたい。」


「それなら尚すごいじゃないか!!強化系で人に使えるのって相当貴重だよ!!それが『限界突破』ともなれば、もう逸材じゃないか!!」


「そんなにすごいの?なんかちょっと嬉しくなったかも!」


 あぁ。俺、幸せだなぁ。

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