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バグった転生  作者: Glucose-One
エラー_01
16/65

01-10 魔王ノ力バグってた

「ごめんなさい、この子恥ずかしがり屋で。」


 ルージュという美少年(竜)を見た俺達は固まっていた。


「こ、これは、本当に皆さんの弟何ですか!?」


「はい、そうです。」


 弟と言われれば、確かに顔つきは似ている。翼の形と尾の形も似ている。

 しかし、既に整いすぎた姉妹の顔に、さらに上方修正を加えたようだ。

 なおかつ、赤髪と黒髪が混じっていて、瞳は赤黒くなっている。

 かっこいい!


 これがいわゆる、神が利き手で描いた顔、という奴か。


「さっ!ルージュ!入って入って!これからしばらく一緒に暮らすんだから!」


 一緒に暮らす!?

 あぁ!


「よろしくおねがいします。」


 あれ?人見知りかな。もしかして、人が嫌いだったりする?いや、俺が魔族だから嫌なのか?テールズ師匠も一発で見抜いたし、俺、意外と邪悪に映ってんのかな?


「じゃあお前ら、善は急げだ。早速訓練するぞ。」


 えっ?もっとこの美少女の姿を噛みしめたいのに……。


「頑張ってね!皆さん!」


「ヴェル、慣れ慣れしんじゃないの?」


「嘘!?皆さんごめんなさい!」


 何この掛け合い、可愛いな。

 しかし、こんな美少女に頑張れと言われたんだ!

 がんばるぞ!!

_________________________________


 俺達はテールズ師匠に吐き出された場所に戻ってきた。


「よぉし!訓練開始の前に、お前等の実力確認だ!」


「いや、師匠の唾液で、僕らまだ凄いままなんですが……。」


「じゃっ、まずはローグからだ!確か剣を使うんだったな。」

ー固有能力:竜装・剣ー

「ほらっ!国宝級の竜剣だ。これ使え。」


 無視かよ…。


 だけど、物凄いオーラだ。何重にも魔法が付与されてる。それに何より、重みがない!


 赤のグリップに、橙色の半透明の刀身、その刀身を斜めに半分覆うように付いているガード。

 昔、エクスが魔王として人と戦争してる時に、盗もうとして、痛い目を見た剣だ!


「こっ、こんなの使っていいんですか。」


「あぁ。武器ぐらいは対等かつ、最強にしときたいからな。」


 こんな武器見せたられちゃったら、黙るしかないな!なんか楽しいな!!


「じゃあ、行きますよ!!」


「あぁ!!お前の本気!見せてみろ!」


ー上級能力:超魔力ー

ー下級能力:感覚強化ー

ー下級能力:身体強化ー



ー超越能力:超越剣ー


 あっ。しまった。癖で能力使っちゃった。


ー固有能力:奇跡ー

ー能力取得ー

ー究極能力:邪竜剣ー

ー究極能力:聖竜剣ー

ー能力併合ー

ー伝説能力:神竜剣ー


「あれっ?何これ?」


「そそそそそ、それ!神竜剣か!伝説の、初代竜装騎士でも得られなかった!神竜剣か!?」


「いや、それほど神々しくない……。というか。竜剣に超越剣の力流し込んだだけです。」


「これが、勇者と魔王に選ばれた人間の力……か。」


 あれ?なんかがっくりしてるな?そんなにショックだったのか。もしかして、竜装騎士になったからには一度は能力、的な感じか?


「いや、いい機会だ!このまま戦うぞ!!来い!」


「了解です!!」

ー伝説級能力:神竜剣ー


 どうせ勝てないんだ!

 全速力、最大出力でやる!


「紳士ルールでタイマンか!いいだろう!」


 剣のぶつかり合う音は聞こえない。剣に込められた大量の魔力が衝撃も音も全てを吸収し、光を吐き出す。

 

 防御はしない。攻撃はされない。全てを吐き出す。

 しかし、テールズ師匠の腕に力は込められてない。


 クレンやフィンと共に魔物を狩った時も、魔王ギアレスの時も、今も、使っている能力は最高である。

 俺が弱いのだ。


ガッ

ガッ


 一心不乱に剣をふるっている。数秒に一度、俺は優勢になるが、その度に強い返しの一撃がくる。

 俺は今試されている。

 しかし、段々鈍い音がなってきた。急激に魔力を使いすぎたせいだ。


「ローグ、限界か!?」


 いや、まだだ!


ー固有能力:奇跡ー

ー下級能力:身体強化ー

ー能力進化ー

ー中級能力:高身体能力ー


 また能力を得たみたいだ。

 絶対に、まだ終わらせない!

ー中級能力:高身体能力ー


「そうだ!!そうこなっくっちゃなぁ!!」


 剣を速く、そして強く!

 攻撃される事は考えるな!


ガキィィン


 やばいっ!吹っ飛ばされた!バランスをとってる暇ない!ここは防御だ!

 俺の魔力を相殺したとなると、きつくなるぞ。


「これに耐えれるかい!?」

ー固有能力:竜装・凸ー


 え?これは無理だろ。

 

 鎧硬すぎ。

 移動早すぎ。

 剣、強すぎ。


 身体強化に、感覚の強化が追い付いていなかった。

 何とか反射で動いていたが、既にテールズ師匠は正面にいない。 

 目で追うより速く、背後にまわられた。

_________________________________


 ……。


 ん?


 ここはどこだ。


「てか、痛ぇ。そして……強ぇ。」


 あぁ。光が眩しいな。まさか、この世界に白熱電球に代わる物があるなんてな。


「ローグさん……起きました?」


 あっ、天使だ。後ろで尻尾が動いてる。可愛いな。


「何となく感じてましたけど、ホントに魔王ノ力も勇者ノ力も持ってるんですね。」


 あれ?怒ってる?まぁ、魔王ノ力なんて、人間界じゃあ良いもんじゃないだろうな。


「ごめんなさい。急に変な事言って。私達のお父さん、魔王ノ力を持ってるの……。」


「というより、魔王ノ力って、元々お父さんの物だったのよ。」


 ?聞いた事ないぞ、そんな話。


「初代の魔王が、お父さんと契約してから、魔王ノ力って言われるようになって。」


 古の歴史を軽々と語ってる!さすが竜!なのか?

 

「お父さん、『邪竜』って呼ばれてるのよ。それにお母さんは、瘴気が凄いから、って、会わせてくれないの。でも、そんなの嘘よ。」


 既視感!!協会の紋様で、魔神の周りを竜が飛んでた!邪竜ってそれか!


「あのっ、多分ヴェールさんのお父さん、魔界だと愛されてるから、そんなに悲しまなくても……。」


「急にごめんなさいね。ローグくんに、ホントは話すつもりは無かったんだけど……。でもローグくん、見た目の割に、フィンさんより知的な様子だったから。あっ!フィンさんの悪口じゃないよ?別にフィンさんがどうとか言ってるわけじゃなくて…。」


 俺褒められた??俺褒められたの!?


「ローグくん、お父さんと同じ匂いがするの。これはあんまり言いたくないんだけど………。凄く綺麗な、純潔な、魔王ノ力を感じるの。」


 ……?


「お父さん、ずっと独りぼっちだろうから……。もしかしたら!ローグくんなら!その瘴気も大丈夫じゃないのかな?って……。……ごめんなさい!!」


ガチャッ


 あっ、出て行っちゃった。


 ……。 

 

 で、会いに行けって事かい?

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