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このままでいいはずがない

ー薄暗い地下ー

「最後にどなたかへお伝えする言葉はありますか…?」

テンプレの言葉を神父は俺に聞いてきた。

「そうですね…あるとするならば僕を嵌めたやつに言いたいですかね…」

「神は等しくあなたを見ております…来世では…」

「もう…いいです…早く連れて行ってください…」

そういった俺に神父は十字を切り牢屋から出て行った。

コツコツと靴の音が遠くなるのと近くなる二つの音がした

(あぁ…ついに来たのか…)

俺はもう疲れた、神は信じないし、来世なんかないと思ってる。

あるのはこの後俺が肉の塊になるという事実だけ。

「おい、時間だ!出ろ!」

看守がそう言うと俺はすっと牢から出た。

(俺の人生は何だったんだろうな…)

俺の名前はジャン=ハイド

この国アンリ帝国の白騎士をしていた。

この世界は魔王の侵略を受けており魔王を討伐しない限り平和は訪れることはない。

そんな時俺は神の啓示により白騎士として軍事面でまとめ上げ、度重なる魔族との戦争での勝利をし、なんとか魔王を倒しこの国を平和へと導いた。

俺はその後皇帝の第一王女シャーリーとの婚約を果たした。

そこまではよかった…

その後あまりの俺の人気ぶりに皇帝がよく思わず、

皇帝は実の娘を催眠を使い俺を殺そうと画策していた。

それに気付かず俺はシャーリーに手をかけてしまう

焦燥感、苛立ち、悲しみ、怒り、あらゆる負の感情が纏い

俺にその後何もする気力はなく生きる屍と化した

王女殺害と難癖をつけられ国家転覆罪の恐れありとし、投獄され絞首刑の死刑に決まり今に至るわけだ。

俺は最愛の人を手にかけ、もう生きる気力はほぼない。

ハッキリ言ってどうでもいいんだ。

どうでもな…


「着いたぞ!さぁこの階段をのぼれ」

看守は促した。

(やっとこの苦しみから逃れられるのか…)

俺はうつむき階段ののぼっていく。

(そういえば、魔の13階段だと民衆がいっていたなぁ)

どうやら絞首刑台に上る階段は13段らしく、皇帝が無実の罪に掛けられ多くの人間が絞首刑を掛けられた為民衆は恐れていた。

(11、12、13…後は縄に首を掛けるだけだ…)

台に登ろうとするが、不思議なことがあった。

14…?

(ん?14段目などないはずだが?)

顔をふっと見上げるとそこには絞首台はおろか人は誰もいない真っ白な空間だった。

(なんとも落ち着く場所だな…)

俺は辺りを見渡すが、誰もいない

「すんませんでした!!!」

「!!!」

(いつの間に俺の足元に!!)

急な大声に足元を見ると若い金髪の男が伏せていた。

「だ、誰だ!!」

俺はすぐさま距離をとった。

ヘラヘラしながら男は立ち上がった。

「いや~誠に申し訳ないです。」

(消えた!!)

俺は男から目を離していなかったが男は俺の前から消えたのだ。

「いや~失敗失敗ですよ~ハイドさんには誠に申し訳ないです~」

男は俺の真後ろで話したのちつかつかと俺の前に立った

「改めてようこそ神界へハイドさん」

「神界だと?」

「ええ、そして私が何を隠そう…」

「神だな?」

間髪入れず俺は答えた。

「えぇ~ハイドさん最後まで言わせてくださいよね~まぁ、話が早いのは助かりますが」

神と名乗る男は頭を掻きながら文句を言う。

「とりあえずあなたに謝ってる理由等々を話していきますね。」

ニコニコしながら神は話を続けていく。

「まず謝罪ですが、あなたには最愛のシャーリーさんを手をかけさせてしまった事です。」

「なぜその事を神自ら謝る事がある?人間の命が一つ終わっただけだろ?」

「大ありです!!これを見てください!!」

そう言うと神は指を鳴らした。

大きな鏡のようなものが出てくるとシャーリーが映っていた。

「シャーリー…ん?隣にいる男は…俺か?」

「そうです。本来前皇帝から皇帝の位を引き継ぎあなたが皇帝になり太平の世が来る予定だったのですが…」

「が?なんだ?」

「一つ質問ですが魔王を倒した時何か言われませんでした?」

「魔王にか?確か何か言っていたな…」



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