【前日譚】我が復讐、ぬるま湯のように気付かれず1/5【仲間を集めよう】
ノベルアップ+の復讐コンに5編に分けて参加した作品を再編集したものです。
本編の背骨とも言うべき平和的かつ人道的な人間絶滅計画【祟紡侖】
人間に気取られたら一発でゲームオーバーの計画を如何に隠し通したのか、
首謀者、緋河纓示の語りで明らかにします。
空が裂けたあの日、俺は人間への復讐を誰にも気付かれる事無く誓った……
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ある日突然、ZKと呼ばれる骨みたいな化け物が現れて多くの人間が殺された。
後に【大異変】と名が付いた災害、その様々な異変のひとつが作用したのか俺は異能力を手に入れて化け物から生き延びた。
どうやら異能力は一部の人間だけが手に入れたようで、どの能力もひとりに付きひとつだけらしい。
俺が手に入れたのは「継承の異能力」、人の持つあらゆる技術や知識を理解して自分のものにする。
更には自分のものにした知識や技術を他人に渡す、つまり継承すると言う概念を瞬時に実現するチートのような能力だ。
無論、他の人が持つ異能力も自分のものに出来る。
そして異能力を得られなかった者達は得た者達を妬んで「異形者」と呼び始め、新たな差別と対立を生み出した。
そんな人間の本性に絶望した俺は緋河纓示と名を改め、多くの異能力持ちと共にステ=イションと言う名の新たな街を作り出した。
まだ研究棟と小さな工場しかないが、ZKの侵入を拒む屈指の安全地帯だ。
いずれ最高の理想郷にしてみせる、それがどんなに間違いだらけだとしても……
しばらく異能力持ちを観察した俺は、5人を選抜して研究棟に招き入れた。
1人目は「同位の異能力」を持つ白衣の発明家、ドクター・グラスソルエ。
あらゆる並行世界の同位体と意識をつなげられる為、俺達には予想すら出来ない道具を幾つも作り出してくれる。
言うまでも無く同位の異能力を継承している俺は、同じ世界にいる自分自身とも意識をつなげられる事を発見した。
2人目は「武術の異能力」を持つ髭面の巨漢、誉城磑。
あらゆる武術を瞬時に会得出来る上に新たなオリジナルの武術をも作り出せる、今後の計画に欠かせない人物だ。
3人目は「持久の異能力」を持つヘルメットをかぶった背の低い男、樛窪久守。
尽きる事を知らないスタミナを持つ久守は、俺とドクターの発明した対ZK用の武器を複数装備して安全の確保を担当してもらっている。
無論俺の異能力で他の連中にも継承したから、ステ=イションにいる大勢が疲れ知らずになった。
4人目は「怪力の異能力」を持つ作業服を着た長身の女性、兵迅トウカ。
この異能力も俺が継承したおかげで、街造りに欠かせない力仕事が楽になった。
本人は怪力を活かす為に編み出したゼロ距離狙撃戦法を駆使し、久守と共に街の周囲のZKを駆除してもらっている。
最後は「結界の異能力」を持つ和服ドレスの少女、伊璃乃アイリス。
ZKを拒む結界をステ=イションに張ったアイリスは、【大異変】により新たに見付かった技術、魔法元素を利用した術式魔法の研究と開発を担当している。
この5人を前にして、ようやく俺はひとつの計画を実行するに至った。
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2/5に続きます




