六話 初めての告白(違う
まあそんなこんなで、午前中は街を巡り、ついに魔王城に登城した僕たちだった。
城にたどり着くと、僕は唖然とした。
まるでテーマパークのように入り口にカウンターがある。
それは城というにはあまりにも、商業主義過ぎた。
入り口にはなるほど、観光客なんだろうか、人が並んでいる。
豚耳エルフと理想郷グッズなのか、エルフの付け耳を付けた人間も散見される。
「なあ、オーツ、ここって男女で来るところだろ?」
「そりゃ、ここはテーマパーク部分で、魔王ハセクラン様は地下100階に住んでるからな」
テーマパークか、どうりでエルフの付け耳をしてる女子が多いわけだ。
エルフ耳ゴブリンとかエルフ耳オークとかエルフ耳ゾンビとか……。
「夜にパレードとか、ジェットコースターとかあるのか?」
「もちろんあるぞ?」
あるのかよ! ジェットコースター!
「ああ、城の外壁に沿って走るんだ」
「僕は初デートは普通の女子がいいんだが……」
「ここまで付き合っておいてよく言うぜ」
ここで重大なことに気が付いた。
僕は無一文なのである。
「冒険者ギルドとかないのか? 僕は魔王軍に入隊するつもりは毛頭ないよ?」
「それなら普通の街に行った方がいいな。でもやめたほうがいいぜ?」
「なんでだ?」
僕はその理由を尋ねた。
「人間の勇者だったんだよ、ここの主だった今は魔王のハセクランは。で、フェイトが転生者として、チート持ち勇者を送り込むだろ? 奴らはそれをいいことにここの原住民にやりたい放題さ。魔王軍は全員義勇兵なんだ。俺と組まないか?」
改めてこう言われてしまったが、オーツ君の頬がほんにりと紅潮していた。
「まあよかろう。ここであったのも何かの縁だ」
こうしてオーツ君は僕とパーティを組んだ