8 魔法使いの予約者。
投稿時間を昼に変更。コンセプトがお昼休みとかちょっとした待ち時間、空き時間に読む作品だったと思い出したので。
知ってたけど中々読んで貰えませんねぇ。
まぁ、頑張りましょう。ノクタだと百倍(言い過ぎ)お客さん来てくれんだけどなぁ。
あっちのが甘いか、やっぱ。
村の入り口に人だかりが出来ていた。
時刻は夕暮れ時だ。
茜色に空が美しく染まっている。
やっぱり月は二つ。
走るリオンと金髪司祭様を追いかける。
ギリギリ追い付けたのは向こうが全力じゃないからだろう。
煙草は吸わねえが俺の心肺能力なんてしれてる。手加減されても明らかにオーバーな運動量だ。
肺がゼヒーゼヒーとみっともなく酸素を求めて喘ぐ。足が縺れてまた不様を晒しそうだ。
小太りオッサンには辛いぜ!!。
とっとと。
どうやら荒事には発展してないらしい。
良かった。この状態じゃ、どうにもならん。
いや、言葉が解らないし戦えないなら結局来た意味なくなくない?。
数人の盗賊らしき人達が何かしら村人……
というか子ども達に怒鳴っている。
大人は数人いるが……。
彼らは武器とも言えない農具の鋤や鍬を不安そうに抱えている。全員痩せてて吹けば飛びそうだ。
ま、大丈夫だろ。こっちには必殺兵姫リオンがいるしな!! ウチのリオンは凄いんだぞ!。強いんだぞ!!。
リオンは村人の年嵩の少女に話しかけている。
村長の娘、とか、かな?
盗賊の頭目らしいのが、何か言ってる。
よくわかんねぇ。
一瞬、野盗がリオンを見てたじろいた。
ふふん。そうだろう。そうだろう。
俺達の正義の女神だからな!!
一言、二言言葉を交わしそのまま三十台から上っぽい汚い敗残兵のようなオッサン達は去っていった。
いや、まぁ、同年代なんですけどね。
俺は東洋人だから若く見えるかも。
俺も風呂入れないとあーー なっちゃうのかな。
やだなぁ、風呂入りてぇなぁ、と荒事にならなかった事に安堵しながら場違いな事を考えていた。
夕食時になり、元の小屋に戻り魔法の光の中、
リオンが持ってきてくれたくず野菜の入った麦粥を木匙でチビチビ食べた。
灯明の生活魔法はリオンが使った。
いいな、魔法!!
俺も教えて貰って魔法使いに…… あ、いや、こう、もうちょい、厨二かつ、マイルドかつワイルドな感じに、こう、ね? 魔術師とか魔導師とか。
魔法使いはダメ絶対。
とか本当にどうでもいい事を考える。
麦粥はあんまり美味しいもんじゃないが腹は減ってるのでそれなりに食える。
嬉しい事にリオンも隣に座って食べている。
何年かぶりにボッチ飯じゃない!?
なんだろう。嬉しいもう死んでもいい。
隣に美少女がいて、俺と一緒にご飯食べてくれる。
こんなに嬉しい事はない。
超大事な事だから三度言うよ!!
それはともかく。
「で、連中なんだったの?」
「ゼイキントリニキタ」
「ゼイキン? ああ、税金か。払えないの?」
徴税吏にしちゃ、えらくワイルドな格好だったな。
「ハラエナイ。オトナビョウキ、シゴトデキナイ。ソレニ……」
「それに?」
「アーー チガウ」リオンは首を左右に振る。
「違う?」
「テイコクノヒト、チガウ。オウコクノヒト」
どゆこと?