3 剣聖の孫。
エタルよ、エタルよーー。
…… スマホを取りだしぽちっとな(REC)
いや、我ながら何をしてんだと思わなくもないが、なんとなく彼女のカッコいいシーンを撮ろうかなぁと、思ったのだ。
べ、別に疚しい事なんかないもんね!?
十四歳位の赤髪美少女の夜想曲展開なんて期待してないんだからね!!
ホントダヨ!!
「って俺は誰に言い訳してんだろう……」
答え:自分
しかし先程の気合いは凄まじかった。
アレが実力に比例するなら野盗なんぞ相手になるまい。
頑張れ、がんばれ!野盗ーズ
主に俺の今晩のオカズの為に……。
だが、俺の脳内に流れるのは何故か
暴れん坊スギィ!!将軍、殺陣のテーマだった。
てんてんてーん、
て、て、て、て、て、て、てーん、てーん、てーん、チャラッチャ。
って、
なんで処刑用bgmですかねェェェ!?
解せぬ。
俺の内心の動揺を尻目に赤の紅点が動いた。それはもう億をかけたアニメ並みにいい動きだった。
息を飲む程の弾丸突撃
。
遠く離れているから動きが多少、解……ってフレームで追えないッ!?
ちょっと~!?
撮影している人の事も考えて……
って、あーー。
スゲェな、アレ。
一刀、毎に鮮血の華が咲き、一瞬、毎に命が散る。
刹那で間合いに入り首筋を断ち割っていく。
相対者はそこから命を噴き出しながら絶えていく。
最小限で最効率の人体破壊。
腕の腱を切って反撃を封じ 、
脚の腱を切って移動を封じ 、
鎧の隙間、防御の間隙、知覚の空白、あらゆる隙を付いてその刃を相手の命に肉薄させて行く。
殺人芸術の粋を究めたかのような圧倒的蹂躙劇。
うん。出番ねーな。
要らないけど。あんなん死ぬし。
これ、今出ていくと野盗扱いされません、か……。
新たに一輪、真紅の花を大地に手向ける気は更々ないっす。
となるとこれ、俺に取って丸々無駄イベントに……。
ま、いっか。
四、五人の無頼漢を斬り倒し、少女は肩で息をしている。
そんな折、馬車の中から白い僧衣? っぽい服を着た少女が現れ馬車の下というか外に叩き出される。
次いで降りてきたむっさい四十柄みの汚い野盗が乱暴に人質に取る。活劇中に馬車に乗り込んだのか……。
「※¢#*!!」
なんか大声で喋ってる。
動くな!! とか武器を捨てろ!! あたりかな?。
解った事が一つ。
「言語チートもないのかよ……」
うん。知ってた。
エタルーー し○っかーー じごくの(ry