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13 辺境のニート

  やられた。

 その挙動は予想外だった……。

 リオンのびっくりマニューバに俺はただただ圧倒されるしかなかったわけで。




 お昼を食べて(やっぱり不味い麦粥だよ!!)


 薪拾いの前にオペレーション ディーバ(今、命名)を発動した。


 リオンはつっかえたり歌詞をとちったりと、少々舌ったらずな歌い回しだけど一生懸命歌っている。とても頑張ってるし好感が持てる。幼い感じも大変よろしい。


 ブヒヒ。


 因みに武装して貰ってる。その方が異世界感が出るのではなかろうかと無い知恵絞ってみた。


 リオンはあの妙なショートソード(?)をマイク代わりに素敵な歌声を紡ぎ、俺は撮影を開始する。さぁ、貴方のスマホ (PCかも知れぬ)に異世界からのプレゼントを届けるぜ!!。


 二台のスマホ起動してを一台を撮影、もう一台で音楽を流した。


 つか最近のスマホ頑丈だな。

 小岩にぶつけたのに傷の一つも入ってないわ。

 放り投げた方を取りだし外観と動作を確認した時、そんな事を思った。


 さて、ここで問題発生。

 問題というか、誤算?。


 今回のコンセプトは歌ってみた。

 なのですが。


 なんで振り付け完璧なんですかねェェェ!!


 えーー!!


 これじゃ、踊ってみたの方じゃね!!


 いや、ま、ま、いっか。

 しかしこれはこれで嬉しい誤算。


 うーーむ。眼福、眼福。

 ニヤニヤ笑う。


 そんなこんなで撮り終わったので一時停止した。


 リオンに拍手をして労った。

「スゲーー良かったよリオン。何時ダンスの練習なんかしてたんだ?」


「ン? シテナイヨ。イッカイミタラ ダイタイワカルヨ?」


 なんだと……。このチートさんめ。

  彼女はよゆー。って感じの可愛いドヤ顔だ。


「そりゃ、凄い」いや本当に。


「エヘヘ。モットホメテーー」


「よーーし、よしリオンは凄いなぁ」

 両手で彼女の頭をわしゃわしゃ撫でる。

 たいした整髪料も無かろうになかなか良い手触りだった。相手の仕方が仔犬か子猫相手の対応かも知れぬ。


 なので事案とか痴漢ではありませぬ。


 これはすきんしっぷ!!


 と自分に言い聞かせるが、その時点で自分を誤魔化してる訳で。


 んーー。いや、まぁ、相手(リオン)が求めてくれるなら、いいか。


 リオンは気持ち良さそうに目を細めて、はにかみ笑う。


「エヘヘ……」


 リオンは結構甘えん坊さんかも。


 さて、まだ終わってない。

 これで三分の一ってとこかな。

 撫でるのがではなくて全体の作業量が、だ。

 後は患者を素人診察して、向こうの地球の人達にお願いする所を撮らなきゃならない。やっぱり最初はお願いシーンを撮るかなーー。


 いきなり病人見せられても困るだろうし、そんなの見たくない人もいるだろう。

 こっちとしてはそっちが本題なんだけどさ。


 そんなわけで軽く打ち合わせてキューを出す。


「ハ、ハジメマシテ!! リオンイイマス!! ドウガヲ ミテクレテ アリガトウデス。ミナサン二 オネガイアリマス ワタシノムラ タスケテホシイ」

 なんか歌ってる時よりガチガチなんすけど。ま、いっか。寧ろ好都合かもしれんしね。これで同情票が買えるなら買えるだけ欲しい。


 みっともなかろうが、情けなかろうが、村人が生き残れば俺達の勝利だ。


「イマ ワタシノムラ ビョウキ コマテマス ナゼビョウキナルカ リユウシリタイ ドウカ ワカルヒト オシエテクダサイ」


 そう言って彼女は頭を深々と下げた。


  「エット ジョウズニ デキタカナ?」

 おずおずリオンは顔を上げてはにかむ。


「うん? あ、オッケーオッケー」

 まだ撮ってたけど、いいや使っちまおう。些かあざとすぎるが使える武器を選んでるよゆーなんぞ端から零だしね。

 この絵面拝んで何もしないなんてロリコンはいない筈だ。


 って、いや、ターゲットの選定がおかしいですよ!! カテ○ナさん!!


 ……うん。ネタは入れれたから満足した。


 さて一旦止めて最後の詰めだねと。


「よし、じゃあ協力してくれる患者さんのトコ行こうか」


「ウン!!」

 そう彼女は力強く頷いた。



 所変わってリオンの家ですよ。

 リオンの家で使う用の水瓶抱えてえっちらおっちらやって来た。リオンが自分が持つという申し出を断る俺は男の娘~~。


 違うか。


 さて戸板を潜ればそこは彼女とおじいちゃんと二人暮らしの生活空間。

 ナニソレちょっとかなり凄く大胆に羨ましい。花の香りとかしそう。


 とか思ってたけど。


 最初に漂うのは獣臭、次いで便臭。

 そしてなにより濃厚な死の臭い。


 秒でふざけた思考は霧散した。


 部屋の中の粗末な、いっそ粗雑と言っていい寝台には横たわる一人の偉丈夫がいた。身の丈は二メートル近く横幅もなかなか。元の色は解らないが綺麗な白髪で口許には無精髭ならぬ武将髭を蓄えている。ゲェッ、関羽~~!!って感じ。


 俺のシリアスって秒持たねぇなぁ……。


 傍らには金髪ロリ司祭様がいる。

  額にはびっしりと汗をかき目を閉じて、

 一心に何かしら祈祷の言葉を唱えている。


ささやき - いのり - えいしょう - ねんじろ!


 左手に木製の杖を携えて、右手は不確定名おじいの腹部に添えられている。

 彼女の祈りが重なる度に杖が緑の魔力光を纏い次いで右手が白く光り、明度、いや輝度か? を増していく。


 光は物理的な質量を感じさせるほどに

 膨れ上がり、眩いばかりに瞬き弾け消失する。


 あの光量は直視すれ失明しかねない程の物。なのになんともない。

 なんという事だ。アレは、間違いない……。


 魔法キターー!!!!


 軽くガッツポーズする。

 あれは魔法、絶対魔法。英語にするとアブソリュートマジカル!!


 違うか。


 後でグルグルしよう。翻訳的に。


 とにかくこの世界魔法がある!!

 オタクとしてこんなに嬉しい事はない。


 おじいを見ると顔色がかなり良くなっている。

 アレ、コレ治ってね?

 出番終わってね? 俺達無駄な努力じゃね?


 ……ま、いっか。


 そう、病気なんぞ治れば良かろうなのだーー!!


 と思っていた時代が以下略。


 金髪ロリ司祭様は、リオンを見て苦しそうに首をふり、リオンは項垂れる。


 あ、治ってないのね。



書き貯めが、書き貯めが、窓に窓に!!

無くなっちゃうーー!!

でもノクタ書いちゃうびくんびくん。


キャラクターのデータ考えるのめんどい。

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