表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/19

12 スマホ頼みで生きてます!。

「ただいまーー」

とりあえず仮称、俺の宿に辿り着く。


部屋に入るとリオンがいて可愛らしい歌声を上げている。


「ア、オカエリナサイ!」

彼女は練習を止めて笑顔で迎えてくれた。


「ん。で、どんな感じよ?」


「モ、モウ チョット」


「別にいいんだぜ、下手でも。一生懸命歌えばさ。寧ろちょっと下手な方が人気でるかも」

瓶を下ろして軽く肩を回した。

アーー オモカッタ。リオンを真似して片言で思考する。


「ウーー ヤダーー ドウセナラ チャント ヤリタイ」

フンスと鼻息荒く力むリオンが可愛い。


「気持ちは解るけど、あんまし時間ないぜ?」


「ア、ウン。オヒルカラ ヤロウ」

そう言って歌の練習に彼女は戻った。


「おっけー」クスリと笑い、

俺はもう一度水汲みに戻った。


俺にいい考えがある。

と昨夜、彼女に作戦を提案した。

その内容は。


「歌を歌おう」

という物だった。

所謂一つの歌ってみた。ってヤツだ。

本当は同時に踊って欲しかったけど、そりゃまぁ無理だろ。まだ。


ってなわけで朝から彼女は歌の練習。

俺は変わりに出来る仕事を肩代わりってなもんだ。


ちなみに歌わせようとしてるのは昔の魔法少女の主題歌で、ええ、俺の全力全開の趣味ですが何か?。


超時空歌のお姫様のが良かったかもしれん。


てな訳で彼女は俺のスマホ片手にレッスン中。


よっしゃフタミンPの敏腕ぶりを楽しみにしたまえ世界!!


フハハハハハ!!


と悪ノリしてみるが、うお。やっぱりぷれっしゃあ……。


うーー 胃が痛ぇ。


とりあえず村を探検がてら水汲みーー。


小さな山村だ。朝リオンに村人に紹介して貰ったので不審者扱いはされない。

……されないよね?。


結構犬がいる。放し飼いだ。

警戒されてるのがなんとも。

微妙に尾行されてるし。


とりあえず堂々としてみる。


主人に見えるのは吠えないってどっかで聞いたから。でも内心ビビりまくりですわよーー。


目に入る家の数近所では十数軒と言った所。全部木造。村と森の境には一応動物避けの柵がある。杭と横木と蔦の縄で出来てる。鉄がねぇな?。


結構な限界集落な気がするねこりゃ。

人数より文明的に。

つか人数的にもかなりヤバいかも。

相当な数の大人がバタンキューしてるからカツカツだろう。つかもうアカンのと違うか?。

昨夜の夕飯の内容を鑑みるに。


さて、期限までに食糧集めなきゃならないしどうしよう?。


入手方法は


一、農耕

二、狩猟採集

三、牧畜、養殖

四、売買


位かな。一応略奪とかもあるか。

無理だけど。


チラリとリオンを思う。

彼女の武力を行使出来るなら、一番簡単な事かもしれない。

彼女は村人の為なら或いはそれを躊躇わないかもしれない。


けど。


「候補にすらあげたくねぇなぁ……」

可能性の示唆すらしたくない。


なぜなら彼女の泣き顔を見たくないからだ。


「俺、人間嫌いだったと思うんだけどなぁ……」

だって人間なんてどー接していいか、わかんねーよ。ああっもう、スミッコ、スミッコを寄越せ、スミッコが好き!!


なのにリオンの事は妙に気になる。


ハッ、まさか、これが恋かッ!?


人が見たら気持ち悪く思うに違いない、

パッションかつエモーションな、

くねくねダンスを瓶と踊りながら村を行く。


うん。絶対違うね。


これは多分、未練、か……。


同時に巻き起こるフラッシュバッグ。

暗い水底。恐ろしいまでの水流。離してしまった小さな手。気が狂いそうになるほどの胸の内の狂騒と共にバキリと奥歯を噛み締める。


黒い思考に半ば呑まれつつ、プランの策定に入る。


農耕、牧畜、養殖はアウトだ。

時間がかかり過ぎる。

しないという選択肢も無いが今じゃない。

売買はどうか。良い手だと思うが恐らく金が無い。と思う多分。


となると狩猟採集…… か。


出歩いた感じ春先だよな今の季節。

頑張りゃワンチャンか、いやどうかなーー。


ウンウン唸って歩いてっと目前から金髪ロリ司祭様が。


とりあえず会釈する。


向こうも気付いて同じようにする。

そういや、こっちの挨拶とか礼儀とかどーなってんだろ。日本のも守れん俺だけど、こっちじゃ一人じゃ生きて行けないだろうし挨拶必要だよなぁ。


リオンは教えてくれるだろうか。


金髪ロリ司祭様はトテトテ小走りに此方に駆け寄り、何かしら俺に語りかけ頭を下げてくる。ええっとアレ何? 何が起きてんの?


わからん。


凄く笑顔です。

ヤバいなんか正のオーラで消えてなくなって、

し、ま、い、そう~~。


と、とりあえず必殺日本人曖昧スマイルかましながら此方も頭を下げておく。


「おはようございます」

とりあえず言葉が違う事と挨拶した事が解って貰えれば後はノリと勢いとボディランゲージで誤魔化そう。


ほら海外旅行と一緒!! 一緒!!


行った事ないけど。


海外旅行より異世界転移が先とか意味が解らんね……。


向こうも言葉が通じない事を理解したのか少し困ったようにはにかみ笑う。

むう。 なまらめんこいのう。

と国籍というか県籍? が不明な感想を抱いた。 道籍かもしれぬ。


そしてすぐ場が持たなくなって

「じゃ、じゃあ」と言って瓶を掲げ仕事あるアピールをして正統派ロリ美少女のオーラに気圧されながら、逃げるようにその場を後にする。


というか逃げた。


うをーー 勿体ない!!

美人いや、美少女とお近づきになれるチャンスを!!

でも、逃げる。俺人間苦手系のヒキコモリニートだからね!! 仕方ないね!!


自分のヘタレチキンぶりがイヤになりながら水汲みに戻った。


その相性値490(初期値)


活動報告にキャラクター設定一部あげてますんで興味があれば覗いてやって下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ