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恋する魔王のスローライフ  作者: フローラルカオル
恋するレベル4
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家族達の怒り2

セレーンは水の魔法を放つ。モンスターの中でも水の加護を持つ人魚。水の攻撃は強力で、荒野にセレーンの操る水がヘビのように踊り狂う。


セレーンは静かに言う。

「私を敵に回したことを後悔してはいかがですか?」


するとティアトは

「笑止。そちら側に回ったことを悔いながら死になさい」


ティアトは本来の姿を表した。黒く、赤いまだら模様。太さは両手を上げたセレーンよりも太い。何十メートルもあるようなヘビだ。


そのヘビが鎌首もたげてセレーンを見る。

人の姿だった時の静かな面持ちは残されていない。正気でないような縦割れの目。そのヘビが大きく口を開け、舌が見える。


セレーンは

「相変わらずの大蛇ですね」


ティアトはもはや、口を使わず、どこからか声がする。

「恐れたらどうです?弟と言えど、許しません」


セレーンはニヤリと笑う。水のヘビがセレーンの元に。セレーンは本来の姿を取り戻し、そこに、自分の着てた服を投げ捨てる。そして、くねりとポーズをとって

「ほら、もう、私の方が勝っているじゃないですか?」


水が踊る。荒野から、水が沸き立ち、その吹き出した水の湧き水の対流に乗り、セレーンは手を意味深にゆっくりと片手を首のうしろ、そして、片手を腰に。

「ああ……美しい私……」


ティアトはぶちギレた。

「美しいのはお兄様。アイディーンお兄様だ」


ヘビは突っ込んでくる。


セレーンは

「デットリーウェーブ」

水の最強魔法。死の波。

恐ろしいほどの水がティアトのヘビの巨体に巻き付き、それは叩きつける。


ティアトは

「シャー」

それを掻い潜り、波の合間を泳ぐ。その口を開けた一撃を、セレーンは波間を踊るサーファーのように自らの出現させた波に乗る。海ならかなわない。人魚は水を制するのだから。


しかし、それはやはり、海での話。セレーンは

(やはり、水が足りませんか)


ただ単に噴水で遊んでいた訳じゃない。水を味方につけるべく、召還できる水を増やしていた。しかし、ここの水源は限りがある。人魚であるセレーンから、水がなくなれば、それはもう、勝ち目はない。


力の漏れた端から、水が大地に染み込んでいく。この乾いた荒野という場所も不利だった。セレーンは

(やれやれ、損な役回りだ)


ミイユやマリーや、セレーディアと一緒に家にいれば良かった。それでも来たのは、やはりアイディーンが好きだったからだ。子供の頃から可愛がってくれた兄だった。


セレーンは

「気持ちはわかる。ティアト……それでも認める訳にはいきませんか?」


そう言う。ティアトはヘビの口をあけたまま

「ならない。お兄様は……誰の物にもならない。そう、私の手に入らない。お兄様は高潔で美しい人」


アイディーンはいつも可愛がってくれた。ほっぺたをつまみながら、かわいい、かわいい弟だといってくれた。

そう、兄の誰かと婚約するという裏切りは許されない。


「お前は……許せたか?お兄様が仕事を理由に、帰らなくなった。高潔なお兄様が、あの汚い魔王の手に落ちたのだ。その日がどれだけ続いたか……154日……私と会わなかった。魔王の汚い手で触れられた裏切りを許せるはずもない。私のほっぺたをつまんだその指が、今は違う。汚れてしまった」

ティアトはそう言う。


すると、遠くでアイディーンが

「……」

なんかひどい汚れキャラにされている。と思ったが、そっちにかまってる暇はなくて、アトレイシアと戦い続ける。


セレーンは

「154日……どれだけ数えていたのですか?ただ会えなくて拗ねていたのでしょう?」


ティアトは

「うるさい‼」

口が迫った。巨大な口が、さらに大きく開く。180度開いた口。セレーンの召還した水ごと口に入ってしまいそうなその大きさ。


セレーンは

「アイスロックプリズン」


とたんに、ティアトの体が凍りつく。

顔だけ出して、全身凍りつく。


ティアトは

「なっ……」


セレーンは

「氷の魔法も覚えておいて良かったようです。お陰で役にたちましたね」


変温動物のティアトには、寒さが大敵なのだ。

ティアトは

「そこまでして……味方をするのか……セレーン」


ティアトは意識も薄れる。変温動物のヘビは温度が低くなると動けなくなり、仮死状態になる。


セレーンは

「だって……あの人は……お兄様はあの人になら、おっぱいを見せられるそうですよ。そんなハレンチな発言をした魔王を許したのですよ」


ティアトは

「おっぱい……」


意識は薄れていって、ティアトは元の人の姿に戻った。気絶してしまったティアト。

セレーンは人魚から人に戻り、ズボンをはく。そして、同じく服を来てないティアトに


「だから、そもそも私達の出番なんてないんです。もうあの人の心は決まっているのですから」


そっとシャツをかけた。白いシャツは濡れて透け透けでセレーンは


「……逆に卑猥ですか。まぁいいです」

セレーンはまだ戦ってる人達の方に目を向けた。




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