音楽を奏でるのだ3
ドードーソーソーラーラーソー
ファルオスは澄まして鍵盤ハーモニカのチューブを吹きながら鍵盤を押す。アイリーンはメガネをクイッとあげて、キリッとした顔してる。でも内心はらはらしてる。
ファーファーミーミーレーレード
「………」
アイリーンは何もいわない。
ファルオスはチラッとアイリーンを見る。
完璧だったはず。さっきまで間違っていた音もしっかりできた。間違えずちゃんと引けたのは初めてなのだ。
アイリーンの唇がにっこりとした形になり
「はーい。良くできましたー‼」
パチパチパチパチ
アイリーンは輝くような笑顔。アイリーンは
「完璧です。素晴らしい演奏でした」
なんか持ち上げてくる。
ファルオスは
「照れるのだ」
面と向かって褒められるのは珍しい。なので単純に嬉しい。
アイリーンは
「まだまだ伸びしろを感じさせますね。なかなか才能あるんじゃないでしょうか?」
等と言う。
なので、
「上手にできるとメロメロになるのだ?」
何か期待されてる。
アイリーンは
「さぁ、それはやってみたらわかることですね。ちょっとやそっとじゃ、メロメロになりませんよ」
メガネをあげ、厳しめの教師風の空気を作ってくるアイリーン。
ファルオスは
「やってみろと誘ってるのだ?メロメロにしてほしいのか?」
アイリーンは
「……できないでしょ。もう、さぁ、続きしてください。もう一回」
ファルオスは
「照れてるのだ。メロメロになったらどうなるのだ?」
食い下がるので、アイリーンは
「もう、自主トレしてください。」
サカサカ逃げていった。
ファルオスは
「いい男は余裕を持って追いかけない物なのだ」
鬼ごっこで学んだ成果を発揮した。
お陰でアイリーンは
「まさか、素直に自主トレしてる……」
なんだか驚いた。
追いかけてこないなら来ないで、アイリーンはなんとなくドアの所で鍵盤ハーモニカの音を聞いている。
ドードーソーソーラーラー………シー?
なんか間違えている。
(ふふ。ちゃんとやっている)
アイリーンはそう心の中でほほえましく思っていると、ファルオスは
「はやく結婚したいのだー」
なんか呟いたので、アイリーンは風のように逃げていった。




