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恋する魔王のスローライフ  作者: フローラルカオル
恋するレベル3
44/67

温泉2

ファルオスはコップに注がれた生臭い液体を見ている。薄く茶色い色の嫌な理由だ。口を近づけると臭いでグフッとなる。


ファルオスはアイディーンを見ながら

「の……飲むのだ」

気合いを入れたようだ。


アイディーンは今、女の子の姿で涼しげな水色の瞳から、早く飲めって視線を投げ掛けている。腕を軽く組み、見つめているのだが、それも可憐な今の状態でされると少し高圧的なのが御褒美みたいだ。


ファルオスはぐいーっとガラスのコップに口を付け、傾ける。

「……ぐっ」

やはり、吐きそうになっていると



ポン



ファルオスは子供の姿になる。くりくりとした目をした、それでも角がピョーンと伸びた元気な男の子。ふっくらとしたほっぺたが赤くてニコニコしている。ショタ好きがすぐにでもさらってしまいたくなるような犯罪的かわいさが際立つ。

「へーんしん。なのだ」

腰に手を当て、えっへんと胸をはる。


アイディーンは

「あああ……お帰りなさい」

もはや、こっちが本体みたいに言う。


ファルオスは手を差しだし

「我が妻よ。待たせたな」


アイディーンはうっとりとその手を握った

「はい……」


ファルオスはその手を握りながら

「スベスベなのだ。アイディーンの手」

そしたら


「こらこら。俺も子供になる。」

バドルだった。あきれているようだ。


アイディーンは

「早くお願いします」

そして、早くショタに囲まれたいです。それが本音だ。


バドルもグイッと飲む。




ポン



やはりバドルも子供の姿になる。やんちゃそうな視線は少し子供ながらもワイルドで、田舎の野山を走り回って真っ黒に焼けました。そんな面持ちの活発そうな男の子なのだ。



アイディーンは女の子特有の柔らかな視線を向け

「かわいい……」

本当に女の子みたいだった。うっとりとした視線は限りなく甘い。


これで二人は完璧だが、アイディーンは

「服……用意しました。お着替えしましょ?」

そう言った。



二人はドキっとする。

アイディーンは女の子の姿で上目遣い。

「いやですか?」

嫌な訳はない。さっさと二人とも転がされて、短パンに着替えさせられた。

ファルオスは若干育ちよい感じ。カチッとした上着。旅先ではオシャレしたい感じ。

バドルは動きやすいカジュアルウェア。旅先で走り回りたい感じ。


アイディーンはルンルンして

「かわいいー」

またまたうっとりとするのだった。


ファルオスはすっかり気をよくして、

「手……繋ぐのだ」

子供の姿で手を伸ばすと、アイディーンは


「はい」

本当に妻のようにつつましく手を握る。


バドルが

「待て待て!俺もだ」

だいぶ高くなった声で言う。


アイディーンは

「はい。そうしましょう」

もはや、両手にショタ。パラダイスだ。


ファルオスは

「バドル。アイディーンから手を離すのだ。アイディーンが黒くなるのだ」


バドルは

「なるか。冷静に考えろ」


アイディーンを挟んで言い合いを始める。アイディーンは気づく

「あっ、二人ともいいですか?こっち向きましょう」


アイディーンの言葉はすっかり子供に接する態度だ。アイディーンはニコーと微笑み

「今日は俺……いや、私はアイリーンと呼ぶように。いいですか?」


まさか女の子な名前だ。アイディーン……もとい、アイリーンはそう言った。


ファルオスは

「あ……アイリーン……なのだ⁉」


そして、アイリーンは微笑み

「はい」

実に女の子らしく可憐で清楚な微笑みを浮かべる。


バドルも

「……アイリーン……」

とてもよく似合う。美しいアイディーン……いや、アイリーンの姿を表したような名前だ。


アイリーンは微笑み

「そうです。淫魔には男の子と、女の子の名前があるんですよ。ちなみに、セレーディアは男になるとセレディオスです」


ファルオスは

「セレディオス強そうなのだ」


バドルは

「いや、強いだろう。セレディオスはよく聞く名前だが、そう言うことだったか」


戦場の戦神の名前を誇る一時期恐れられた名前だが、ある時パタリと消息を断った。それがセレーディアとは……一度手合わせ願いたいものだ。


アイリーンは

「さぁ、じゃあそろそろ出掛けます?」

すっかり女の子みたいな顔で言う。


ファルオスは

「行くのだー」


バドルも

「ああ。行こう」


二人は馬車に乗って出掛けて行った。








シュッポシュッポ……



蒸気の機関車が駅に入って来る時、すごい蒸気が黒く煙突から立ち上ぼり、近づいてくると大迫力だ。

黒く塗られたその迫力も去ることながら、しゃべっていられないくらい音もまたすごい。その汽車はそこにゆっくりと停車した。

駅のレトロな木造の作りもいい。温もりある木のベンチに座っていたアイディーン……いや、アイリーンは

「見てください。汽車ですよ」

そう言ってキラキラした目を向けた。


ファルオスは一瞬で察知する。これは喜ぶべき所だと判断。

「うわー。すっごいのだー。かっこいいのだー」

子供ぶってはしゃいでみせる。あざといファルオス。


カシャカシャ


アイリーンはそのあざとさを激写する。


バドルはあきれて、

「やれやれ。子供だな」

子供の姿の人が子供だと言ってる。気だるい子供。激写‼

アイリーンのシャッターをきる指は止まらない。


すっかり満足しつつ、やっと止まった汽車にそろそろ乗れそうだ。しかし、

「はーい。二人とも。ここに並んでください?」

二人を汽車の顔辺りに連れていき

「はい、チーズ」


カシャッ


写真をとった。

アイリーンは大満足だ。ファルオスが子供ぶってニコニコしてピースしたのが可愛かったからだ。バドルも控えめにピースはした。空気は最低限読んだ。


そしたらやっと汽車に乗るのを許可されたらしい。イスに座っても写真を撮られた。


バドルは写真は得意じゃない。笑いかけるのがちょっと恥ずかしいのだ。作った笑顔が得意じゃない。


ファルオスは天性の感覚で

「こうなのかー?」

ニコニコ。


アイリーンは

「いいです……もっと下さい」

目がハートだ。


ファルオスは

「旅愁」

遠くを見るようなしぐさで哀愁帯びてくる。


アイリーンは

「はわわ。駅の向こうに恋人でも待たせているみたいです」


ファルオスは

「何言ってるのだ。俺の恋人はアイリーン。君なのだ。そんなレンズごしじゃなくて、早く美しいその瞳を見せてほしいのだ」

キザな事言いまくってるし。


バドルは

「俺がまだだろ。アイリーン。俺も撮れ。ほら、少しは……笑ってやる」

に……にこっ


そのぎこちない笑顔を

「いいですね!これから心を開いていく笑顔」


カシャカシャ


激写してる。だいぶ撮り終えて

「ほらー。かわいいー」

アイリーンは撮り終わった写真を眺める。可愛らしく撮れてる辺り、すごく愛情を感じる。こうやって見ると、本当に二人は子供みたいだ。中身は大人の男なのに……


そうこうしていたら、汽車は動き出した。


ポーーーーーーーッ


長い汽笛の音を響かせて、蒸気の吹き出すその車両は動き出した。

アイリーンも汽車に乗るのは初めてなのだ。人の乗る物と思っていたけど、子供が好きになるのも頷ける。近くで走っているその姿をみたらかっこいいと思うだろう。


外の景色は最初は緩やかに流れていたけど、加速がつき出したのかどんどんスピードを上げていた。


ファルオスが窓の外を見る。

子供は外を見たいだろうとその横にバドル。これでアイリーンはこっちの方向見るだけで二人のショタを存分に眺める事ができる。車窓からの景色を楽しむファルオスと、アイリーンの隣に座れて嬉しそうなバドル。

アイリーンは

「はーい。あんパンたべましょうねー」

なぜかあんパンを渡した。なぜなら、パクってほうばってる所がかわいいからだ。昼までに時間ある。なので、ちょっとしたおやつだ。


ファルオスは

「ふふーん。うまいのだー」

ほっぺたにパンクズつけながら言う。


バドルがアイリーンに取られる前に

「もっと綺麗にくえ」

とってやる。


ファルオスは

「アイリーンにとってもらう予定なのに邪魔するな、なのだ」


やはりそうか。

「こんな事言ってるぞ。アイリーン」


アイリーンは二人のパンクズとってやるシチュエーションに萌えて聞いていなかった。そして、


「うん。バドルちゃんえらい」

なぜか大満足でバドルの頭なでなでした。


汽車は蒸気の響きや車輪の揺れが心地よく楽しい旅になりそうだ。




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