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恋する魔王のスローライフ  作者: フローラルカオル
恋するレベル3
39/67

絵を子供ぶって書くのだ1

滝行で思ったより煩悩を落とせなかったアイディーンは静かに墨をする。すずりにしゃりしゃりと墨を擦ると色は濃くなり、心を落ち着かせてくれる。

そう、こんな音に耳を澄ませ、気持ちを落ち着ければ見えてくるはずだ。

筆を落とし、仕上がった墨は黒く艶がある。そして、ふでの先にたっぷりと含ませ、余分な墨を落とす。


アイディーンは紙に書き始めた。写経ってものだ。般若心経と言われる物を一字一字書いていく。と、ドアが開く。ファルオスだ

「なーにやってるのだー?」

何か文字を書いている。


アイディーンは

「忙しいんです」

だからわがままで子供の人はどこか遠くに行って下さい。そう思うが、

「楽しいのだ?」

ファルオスは見る。すると、よくわからない漢字ばかりがあるではないか。

「読めないのだ」

心なしか、構ってもらいたい猫みたいに参加しようと思ってる気配がする。

「ならこっちの端は書くのだ。こっちの筆借りるのだ」

邪魔されている。


アイディーンは

「これは一人でしないといけないんですよ。ファルオス様も紙あげるのでやりますか?」


ファルオスは手伝って早く終わらせるためならやる。しかし、

「心の底から嫌なのだ」

意味のわからない文字をなんのためにやるのかわからないままやる。それは絶対やだ。


ファルオスは

「それより、見るのだ」

何か見せつけてくる。

アイディーンは見るとそこにレジャーの雑誌が……またバドルか?あいつ今度はどんな本落としてったんだが。

アイディーンは諦めてそれを見る。まさかフェロモン香水?なんじゃそれ。色気ムンムンの香り……?


ファルオスはあわてて

「違うのだ。間違ったのだ」

何ページかめくった。


ファルオスは今度こそ堂々と

「これなのだー‼」


バーン


等と擬音も付きそうな勢いだ。

そこには絵画コンテスト。などと書いてある。


アイディーンは

「絵画……」

まったく未知の分野に手をだそうとするものだな。


ファルオスは

「かわいいお花や不思議な植物をみんなで描きましょう。お子様からでもご参加頂けます。奮ってご参加ください。10才もオーケーなのだー」

10才でも外見20才の男は読みながら指差してくる。


アイディーンはそれを見る。どこかの人間の植物園かなんかだ。どうやってこんなの見つけてくるんだか。アイディーンはぺラッとページをめくってみると、大賞は温泉旅行が当たるらしい。奴の狙いはそれか……


ドアの所でバドルの黒い肩がのぞく。アイディーンは

「そうですね。行きましょうか」

そう言って見る。


大賞以外はお米とか、お食事券とかだ。それにつられた訳じゃない。

アイディーンはファルオスの情操教育と言う物の大切さについて最近考えていた。ちょっと心の方も成長させないと頭空っぽであまりにもバランス悪い。せめて脆弱なクソガキであれば良い物の、強すぎる力の使い方間違えないようにとそう言う事だ。

その辺り、今までの戦いの日々の中はあまり思わなかった。しかし、今となっては急務である。じゃないと力付くで襲われるのも時間の問題。本当に急務なのである。


すると、ドアの所から

「よし、なら行こう。悪いが本気で勝ちに行きたい。アイディーンは絵がうまいのか?」


アイディーンはずっといつ出ようとワクワクしてた男に

「わからないな。あまりうまくないと思う。そう言うバドルはどうだ?」


バドルは

「……いや。無理だ」

ならどうしてそんなに自信満々に現れた。


ファルオスは

「きっと俺うまいのだ。書くのだ」

しかし、絵は書かせた事はない。ファルオスの実力は未知数。


「書いてみて下さい」

アイディーンは紙を差し出した。


ファルオスは

「アイディーン書くのだ」

そこの筆を取り、墨をつけた。



しゃしゃしゃ の しゃー



そこには泥人形のゴーレムみたいな物が描かれた。

アイディーンは

「ゴーレムお上手ですね」

これは自分じゃないと判断。


ファルオスは

「………そうなのだ。ゴーレムうまくかけたのだ」

すぐにすり替えてきた。


バドルは

「アイディーンじゃなかったか?」

たえきれず突っ込みを入れた。すると


ファルオスは

「ゴーレムなのだ。どう見てもゴーレムなのだ。バドルは美的なセンスがちょっとダメな人なのだ」


「ぐっ」

バドルは思う

こいつ、すぐに覆してくる。


アイディーンは

「それにしても、これだとやっぱり10才の絵ですね」

見れば見るほどヒドイ。これを20才の絵として提出すれば、画用紙の名を借りたゴミとなる。


ファルオスは

「俺が10才だから10才の絵しか書けない訳だな。絵とは奥が深いのだ」

勝手に納得した。


バドルは

「なるほどな。みんな子供の格好で描いたら大賞とれるんじゃないか?」


アイディーンはなるほどと思った。しかし姑息だ。そこまで大賞ほしいだろうか。

アイディーンは

「なら、一人保護者が必要なのでどうします?」


ファルオスは

「セレーディアに頼むのだ」

何か書いた紙をカラスに持たせ、飛ばした所だった。


アイディーンは

「あーーーー‼」

窓から手を伸ばしたけど、遅かった。

やめろ。あの女は参加させるな。なのに、すぐ返事が来てセレーディアは参加となった。フットワークの軽い人達。明日行く事になった。









当日、三人は怪しげな薬をそれぞれ持つ。

バドルは

「効き目は12時間。およそ10才の見た目になる」


アイディーンは

「やっぱりやめとくのはどうだ?」

この薬、ちょっと獣臭くてヤバい感じがする。


ファルオスも

「う……アイディーンがやめるなら、やめるのだ」


バドルはファルオスの耳にこそっと

「大賞とって温泉行くんだ。チケットさえあれば、きっと断らない」

それがバドルの作戦だった。


ファルオスも

「さぁ、飲むのだ。ぐいーっと一杯なのだ」


アイディーンは

「お先にどうぞ」

進めると、ファルオスは恐れもせず

「勇姿を見とくのだ……」

それを口にした。目を瞑って傾ける。そんな得体のしれない緑のドロッとした物、よく飲むな……


ゴク


すると、ファルオスが

「ぐふっ」

ちょっと戻しそうになってる。

しかし、とたんにファルオスの体が輝いて



ポン



そこにちまっとした子供の姿が現れる。




あーーーーかわいいいーーーー‼




アイディーンの心はぶっ壊れそうになった。

目はくりくり。ちょっと威張ってる顔してるけどほっぺたがむちむちのだ。超美形。超ちみっこ。アイディーンの人生でこれまでにかわいい子は見た事はない。

艶やかな視線送ってるふりした、背伸びしたちみっ子が

「どうなのだー?」

くるりーん。と回って見せる。

ヤバい。かわいい。持って帰りたい。


アイディーンが内心悶えていると、ファルオスは

「早くアイディーンも飲むのだ」

急かす。


アイディーンはハッとする。よだれ垂らしそうになってる場合ではない。もはや、ちみっこのファルオスは犯罪だ。


バドルは

「俺だって小さい時はかわいかった」

張り合ってきている。

アイディーンは勝てる訳はない。と、ファルオスのほっぺたをむにーっとしながら、はぁはぁ悶えそうになる気持ちを抑える。


バドルはぐいーっと飲む。



ポン


そこでもバドルが子供になる。すると、ファルオスより、ちょっと不満気な目付きの悪いけど、やっぱりほっぺたのぷにっとした悪ぶった日に焼けた子がいる。ガチムチの影はない。普通に美少年だとーーーー⁉



あーーーーこれはいいーーーー‼



セミでもとってそうだ。ちょっと悪ガキの大将。白のタンクトップ着て下さい。たまんない。はぁはぁする。

アイディーンが知らずにバドルの方にも手を伸ばし、ほっぺたつねっとする。


「あーーーーっ」

アイディーンは壊れた。


二人はビクッとする。

両手にショタ‼‼‼


両方のほっぺたぷーにぷに‼


そしたらバドルは子供になったやたら高い声で

「あとはアイディーンだけだ」


あーー。そんなかわいい声で言わないでーーー。

アイディーンは悶えた。

ファルオスは、机に手を伸ばし、そこにおかれた薬を持って、

「早くゴックンするのだ」

すべてわかった上で言った。

アイディーンは子供好きで、自分の姿に萌えている。


バドルは

「ゴックン?お前毒されすぎだ。さぁ、時間がない。もうすぐアイディーンの母上が来るんだろ?」

子供なのに大人っぽい事言うーーーー。


アイディーンは

「はぁはぁ……飲みます」

もはや、獣臭いとかどうでもいい。


ゴクッ


ポン


アイディーンは気付く。

「あっ、しまったな。この頃よく女に間違われたから」

この時期の子供には男とか女とか関係ない。なので、アイディーンは男でも美少女だ。


上品ぶったおしゃまな美少女ーーーー‼

絶対この時期一緒にいたら恋に落ちるやつーーー‼



「おおーーーーー‼」

ファルオスは得した。と思う。

バドルも

「いい……やばい」

絶対当時ならスカートめくって泣かせちゃうタイプ。



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