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恋する魔王のスローライフ  作者: フローラルカオル
恋するレベル3
34/67

なぜそうなる2

「うぉぉぉお。なんでだー。なんであんな奴………」


畑のビニールハウスの中、バドルの吠える声が響く。

トマトの前で泣き伏せる男。


意思を持ち、オロオロうろたえるトマトの魔物。

蔓を伸ばし、そこに置いてあったスケッチブックに器用に文字を書く。


『バドルさん。元気をだして?』

そして、それを見せようとする。

しかし、バドルはもう地面におでこ付けたまま、泣き続けてる。

トマトはそのバドルに見えるように何度か角度を変え、無駄な事とわかり、諦める。


「うう……俺の事……好きだと思ってた……キスもした。きっと生きていられたら、俺と家庭作るんだって……」

バドルはそこの土の地面グシャリと握る。


トマトはスケッチブックを差し出す。

『そうでしたね。キスしたんですね。脈ありですか?』

空気も読まずにまやかしの希望を見せる。


バドルは

「ああ。そうだ。いい雰囲気だったんだ。むしろ、あのままそれ以上の事もするべきだったんだ。祝福のキス等と言わず、もっと贅沢するべきだった」


トマトは

『祝福のキス?』

なにやら、恋愛のキスではないやつだろうか?

トマトがそう考えた時


「子供は6人ぐらいほしかった……」

バドルはまた泣き始めた。


トマトは

『多いですね』

スケッチブックを見せる。


バドルは

「なのに……アイディーンは命を守ろうとした俺より、後でノコノコやってきて、何もしてない奴に結婚しましょうって……あの時、俺が傷付いたアイディーンを抱き締めとくべきだったんだ。そしたらきっと俺に言ってくれた。そうだろ?」

希望を見いだした視線をトマトに向ける。


トマトは困っていた。

『うーん。どうだろう』

もはや、希望が無い事が見えた気がする。

そもそも、バドルが好きなら、キスしたその時点でさっさと二人手を繋いで城から抜け出たのでは?


バドルは

「なんでだ……俺だって自分で言うのはなんだが、あいつよりいい男だ。生活力もある。仕事だってできる。楽しいし、面白い男だ。そうだろ?」


トマトは、楽しいや面白い辺りは主観だからなんとも言えないなー。等と思いながらも、賛同してあげないといけないのかなーとも思う。


『そうですねー』

曖昧に書くと


「俺の何がいけない⁉」

バドルはすずいとトマトの近くに寄った。


だいぶ面倒臭い事になったと、トマトは思った。

悪い所を言ったら、すぐ泣きそうだ。困った事だ。

そもそも、そのメンタルの弱さはマイナス。愚痴る所もマイナス。絡む面倒臭さもマイナス。

なかなか本音でぶつかると粉々になってしまいそうだ。


『うーん。アイディーンさんは、ああ言う世話が焼けるタイプが好きだったとしか……』

なんとか起死回生の一手。悪く言わずに乗り越えたい。


バドルは

「どこがいい?ムカつくし、わがままだし、なのだ。ってなんだ」

怒ってる。


トマトは

『たしかに』

実はトマトはファルオス嫌いなのだ。

ファルオスのわがままで魔物化した苗のトマトは、ていよく庭師に渡され、庭師がいなくなって、みんなヒドいーーーーってなった所で、「焼き払う」と言われた。

どっちかと言うと、バドルとくっついてほしかった。


トマトは

『バドルさんいい男ですよ。諦めて次の恋行きましょ?』

しかし、現実問題そんなもんだ。悟った大人な感性を持つトマト。


バドルは

「いいや。これからもチャンスがあれば、不倫の1つや2つあるはずだ。俺は諦めない。そもそも、まだ結婚もしてない」

未来を見据えた目で言う。

しかし、破滅的な事を言う。


トマトは

『バドルさんの好きなタイプは、清純で、身持ちが固くて、おっぱいが大きくて、夜はセクシーなタイプでしたっけ?』

トマトはよくそんな話を畑耕すバドルから聞いてた。


バドルは

「そうだ。だからアイディーンこそが俺の嫁だ」

乳以外である。

しかしバドルの話だと、身持ちの硬い清純な女が不倫してる事になる。


トマトは

『今度合コン、セッティングします』

別の未来を見据えていた。


バドルは

「……いや、それはいい。アイディーンを落とす。何が思い付いたら教えてくれ」

まだまだ、破滅的な恋に身を焦がすつもりのようだ。

そして、クワを手に畑の手入れを始めた。


トマトは考える。

よし、農業婚カツって事でその辺の魔物でも見繕おう。

まったく早々に諦めているのだった。




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