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恋する魔王のスローライフ  作者: フローラルカオル
恋するレベル2
26/67

BBQしよう4

儚いまでの透明感の少女がファルオスに背中を支えられながら歩いてる。ほほがいつもより赤くなって、ぽやーとした目元がとても隙が多い。そのか細い腕をひかれ、少女とお似合いのファルオスは歩いてきた。


アイディーンは気づかない。自分が少女の姿をしている事も。ファルオスがアイディーンの背中に手を当てながら、

「そこに座るといいのだ」


この前作ったばかりのウッドチェアーまで誘導してくれる。アイディーンは

「ああ。すまないな」


そう言った声はやたら高い。アイディーンは風邪でも引いたかと思う。フワフワしてる事も変だし、少し頭がボーッとしてる。


マリーがやって来て、

「なー兄やん。なんで女なん?」

素早く突っ込みを入れた。


アイディーンは、ハッとする。いつの間にか女になってる。ファルオスは

「あっ、言っちゃダメなのだ」


もう少しアイディーンの女の子姿見ておきたかった。

アイディーンはプルプルして

「まさか……そこまで鬼畜だとは……」


アイディーンは覚えていない。自分が酒で酔った事など。したがって、自分がおかしなデレ方をしたなんて事も……


アイディーンはファルオスの胸ぐらを掴み、激しく揺すりながら

「最低だ‼薬を盛ってキスするとは、お前それでも男か‼」


一番悪いようにとられた。ファルオスはあわて、

「誤解なのだ。飲み物は酒なのだ。そんなに酔うとは、思ってなかったのだ。それに、キスはしてないのだ。勝手に女の子になったのだ」


アイディーンは

「そんなの酒を飲めばわかる嘘……」


ファルオスはこそっと声を潜め

「やめといた方がいいのだ。アイディーンすっごく口悪かったのだ。母をビッチ呼ばわりしてたのだ。ついでにクズって俺に言ったのだ」


アイディーンは

「どちらもそうだろう」

改めない。



本音か‼


ファルオスは

「クズじゃないのだ。ちゅーしろとか言ってるアイディーンの方が可愛かったのだ」


アイディーンは

「はぁ?なんだと?」


ファルオスは

「女の子になってキスせびってきたのはアイディーンの方なのだー。クズだけど我慢してやったのだ。感謝してほしいのだー。」


恩着せがましく言う。アイディーンは

「この……」


ファルオスは

「逃げるのだー」

逃げてった。


アイディーンはクソッて思いながら男の姿に戻る。




ポンッ



遠くで肉を焼く男がガッカリしていた。


アイディーンはやれやれと服装を正す。すっかり酒も抜けて、やっと肉を食べようと思った。バーベキューなのに、まだ一口も食べていない。


バドルの所に行くと、

「せめて、女のまま来てほしかった」


アイディーンは

「あれは事故だ。忘れろ」


なかった事にして、バドルの焼いてくれる肉を皿を差し出して受けとる。

網で焼かれた肉は素晴らしく絶妙な焼き加減。焼肉のタレで頂く。

「うーん。すごいな。とても柔らかくてうまい」

何事もなかったかのように食べ始めるアイディーン。すべてのストレスは、さっさと忘れるに限る。


炎牛なんて食べたのは初めてだ。油が嫌みがなくてサラッと食べれる。口の中で蕩けるようだ。


バドルは

「そうだろ」

やはりハズレではなかった。


アイディーンは

「野菜も頼む」

そこに焼かれたキャベツ、トウモロコシ、ピーマンをバドルはトングで差し出してくれる。新鮮な野菜は瑞々しさと甘味と、風味が逃げる事なく、網で焼かれたようだ。柔らかさも違う。

アイディーンはいたみいったように、

「うまいな……」

旨味が染みる。


バドルにまかせて良かった……こんなにいい男だったとは……そう思わざるを得ない。簡単に惚れてしまいそうになったアイディーンの隣に

「バドルやーん。あたしにもー。肉、肉ー‼」

マリーだ。


アイディーンは

「お前……どれだけ食べた?」

まさかずっと食べ続けてるのではないだろうな?


マリーは

「ずっとー。やってうまいんやもーん」

この、ただ飯となれば山盛り食う女め。


アイディーンは

「バドル。変わろう。お前も少し休め。ずっと肉を焼いてるんだろう?」


バドルは

「いや、いい。気にするな」

なんだ。バドルがやたらいい男に見える。さっそくマメな男がモテる説は有効か。


アイディーンは

「ほら、妹達がお前の事を気に入ってる。少しは相手してやってくれ」


いつの間にかバドルは妹達と仲良くなったようだ。


ミイユもやってきて、

「少しお話しましょ?」

待て、ミイユは血を狙ってるぞ。


マリーは

「ちょおっ、あたしと話すんだからー」

ミイユを遠ざける。


バドルは

「参ったなー」

その割りに嬉しそうだな。


アイディーンは

「二人っきりにはなるなよ。」

ミイユは血を

マリーは金を

巻き上げてくるかもしれないから。


バドルは

「大丈夫だ。俺は紳士だからな」


アイディーンは

「ああ。お前のためだ。話してる分には安全だ」

一応そう言っておく。


マリーが

「あっちで話そうー」

ミイユも

「いきましょ~」


こうして連れていかれた。


アイディーンは肉を焼いて、自分で食べる。うーん。やっぱりうまい。コック長も

「サラダもあるよ」

差し出した。さっぱりが嬉しい。コッテリばかりだと胃もとたれる。


コック長が

「まさか、アイディーンが女の子になれるなんてねぇ。」

気のいいおじさんは言う。


アイディーンは

「あまり誉められた能力じゃありませんからね」

そう言うと、


コック長は

「いや、魔王様が男の人好きかと思って心配してたんだ」

余計な心配かけてたらしい。


アイディーンは口にしてたサラダ吹き出しそうになっていた。そう言えば、ほっぺたにファルオスキスしてたもんな。よっぽど驚いただろうに。


アイディーンは

「でも、これからも女の子にはなる気はないです」

そしたら、また、男のまま口説かれる事をわかってないらしい。


ファルオスが戻ってきて

「さぁ、旦那に肉を焼いてくれなのだー」

少しくつろぎ始めたアイディーンに言う。


アイディーンは

「友達の、ファルオスに焼いてあげます。良く焼きですか?」


ファルオスは

「妻に任せるのだ」


クソ。友達だって言ってるだろ。


アイディーンは

「はい、友達のファルオス」


ファルオスはニコーとして

「妻は俺の好みをわかっているのだー」


ちょっと生にしたのに。腹壊せ。


ファルオスは美味しそうに口にする。

「うーん。妻の手料理はさすがなのだー」

アイディーンは焼くしかしてない。


牛さばいたのも、野菜育てたのもバドルだ。主にバドルの愛情つまったそれらだ。


アイディーンは

「はいはい。焼くだけですからねー」

素っ気なく、肉を並べていく。


ファルオスは

「どうだろう。バーベキューは成功……って事でいいだろうか?」

そう聞いてきた。


バドルも、妹達も、コック長も、手が空いてる兵隊達も……

あれ?セレーディアがいない。誰かの生気でも吸ってるな。なら、いいか。

みんな楽しそうだ。こんな雑多なパーティーもいい。ファルオスもニコニコしている。


アイディーンは

「また参加してあげてもいいです」

ちょっと上から言ったら


ファルオスは

「またやるのだ」

子供のような顔で笑った。


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