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17Days  作者: ブッケ
7/9

7月7日

朝を迎えた。


日付けは7月7日七夕の日だ。


いつものように学校に向かった。


電車通学の孝史は朝の通勤通学ラッシュの電車がキツカッタ。


寝不足でいつもなら耐えられる、ハゲ親父の頭のにおい。


もう耐えられない・・・



次は南高校前・・降り口は右側です・・・

アナウンスが流れた。



やっと降りれる・・・マジやばい・・・




電車からはぞろぞろと南高校の生徒が降りた。


「おいっす。」


「元木かぁ」


「おい、顔色わりぃぞ」


「あぁ・・・ちょっと寝不足でさ・・・いま、電車の中でオッサンの頭が顔の前にあってさ」


「それヤバイな・・・俺ならオッサンの頭に吐いてたな」


「それより元木朝から登校なんてまじめだな」


「あたりめぇーだし遅刻とかマジありえねーからっ」


「お前この前担任に呼び出されてたよなぁ?出席日数ヤバイんだろ?」


「ばれてるし・・・もう遅刻したら卒業できねぇんだよ」


「自業自得だな」


駅から学校までは数分で着く距離にある。

二人はそんな会話をしながら学校に向かった。


やがていつものように退屈な授業が始まった。

まだ梅雨明けしてないのに気温はどんどん上がる。

すると梅雨明けと勘違いして出てきた蝉が自信たっぷりに鳴いている。


孝史の制服のポケットのなかで携帯が鳴った。


由梨からのメールだった。


オハヨ。授業退屈だよぉ。早く終わらないかなぁ。

今日って七夕祭りだね。行かない?



オハヨ。俺昨日なかなか寝れなくてさ。寝不足だ。

七夕かぁ全然忘れてたよ。いいよ行こう。


まるでカップルのようなメールのやり取りだ。



ピーンポーンパーンポーン・・チャイムが鳴って昼休みになった。


「元木。」

孝史が声をかけた。

「何?」

「今日由梨ちゃんと会う約束したぞ。」

「マジかよ、俺も連れてけ」

「無理、無理」

「はぁぁ冷たいねぇ、まぁ、せいぜい頑張れや」

元木が興味がなさそうに言った。

少しだけ寂しそうな雰囲気を孝史は感じた。


悪い・・・今回は俺もマジだから・・・スマン・・・

孝史は心の中で元木に言った。


「狭山さぁ・・・がんばれよ」


「とりあえずな」


「緊張してんなぁ?」

孝史の肩を力強く叩いた。


「痛ぇな、緊張してねーよ」

見え透いた強がりだ。


「嘘つくなよ。」



そして、昼休みが終わった。


午後の授業も午前と変わりもなく、集中できない。


時計の秒針を見つめている孝史。


こんなとき早送り機能がついていれば・・・


「はい、それでは次の所を狭山読んで」

慌てて教科書を広げて

「孔子は言った・・・」


「狭山ぁ、今は何の時間だ?世界史だぞ 。古典じゃないぞ」


「すっすいません。間違えました。」

孝史は慌てて教科書を開いた


「お前なぁ進学するんだろ?もう少し自覚をもて」


「はっはい」


クスクス・・・周りの生徒が笑う。



キーンコーンカーンコーン・・・・チャイムがなった。


「はい、じゃあ今日はここまで・・」


「起立・・・礼・・・」





今日も終わったぁ・・・・早く行かなくちゃ・・・


「おい、狭山、心ここにあらずって感じだな」

元木が声をかける。


「ばれてる?」


「あたりめぇだろ?世界史に孔子は出でこないだろ?ん?出てくるか?」


「まぁいいや、ホームルームは上手く言っとくからさぁ、行けよ。」


「悪いなぁ、じゃあ頼んだ」


孝史は由梨に会う為に急いで駅に向かった。













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