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恋は盲目

作者: 新良広那奈

 唇が寂しいと駄々をこねて


 蜜を吸うように彼を求めた



 朦朧とする意識の中で


 彼だけがやけに鮮やかで


 はたと気づく


 嗚呼 これが恋なのだと



 それまでの常識を


 当たり前だった価値観を


 信じてきた道徳を


 一瞬で無に帰す魔法



 世界が変わる


 今この瞬間 私の細胞は入れ替わる


 シナプスはそれまでと違う繋がり方をして


 この体はセロトニンで満たされる



 幸福で息もできない


 そんな私を救うのは彼だけ


 彼の口づけで私は息づく


 彼のおかげで私は生き抜く


 彼と共にこの道を行く

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