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銀竜亭

 冒険者。


 要するに、何でも屋らしい。

 手紙の配達、薬草の採取、そして危険な魔物の討伐。

 それらの依頼を受けて、生計を立てている人たち。


 たぶん、俺の中のイメージとそう違わない。


 そういう冒険者たちは、「冒険者の宿」を拠点に活動している。

 文字通り、宿屋なのだが、一般的に食堂も兼ねている。

 そして、冒険者への依頼の仲介も行っている。

 一応、宿屋の主がアドバイスをしてくれるが、依頼で死んでも自己責任。

 何の保証もないが、キッチリ依頼をこなし、実力・実績・信頼のある者は、国から領地と爵位まで与えられるらしい。


 商人に紹介された「銀竜亭」は、そんな冒険者の宿のひとつらしい。

 ドームラの街に着いて商人と別れた後、その宿までたどり着いた。


「銀竜亭」


 デカデカと看板を掲げてある。


 想像していたよりは綺麗で立派な建物だ。

 それは良い。



「日本語じゃねーか」



 思わず声が出る。


 いや、ここに来るまでに見かけた看板も、漢字、ひらがな、カタカナ、オマケにアルファベットまで書いていた。

 普通に読める。

 商人と話していた時だって、普通に日本語を喋っていた。


 これが言語能力サービスの結果なのか、元から日本語を使っている国なのか、判断に困る。

 まぁ、何もわからないよりは良いのだが、何となく釈然としない。


 まぁいいか。


 とりあえず、宿の中に入った。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「はい、これが部屋の鍵。部屋は2階だから」


 宿の女将さんから鍵を受け取る。

 エルフの女将さんだ。異世界ぽい。


 女将さんからは宿のシステムを一通り聞いた。

 宿泊料金は前払い。


 S部屋(1人推奨):1000エン

 M部屋(3人推奨):2000エン

 L部屋(10人推奨):5000エン


 推奨は推奨で、何人で泊まっても一泊の値段は変わらない。

 S部屋に10人で泊まっても良いらしい。


「寝れるものならね」


 らしいが。

 ていうか、通貨単位は「エン」らしい。


 ちなみに、魔物コインはこの冒険者の宿でも換金してくれた。

 ゴブリンコインが1つ1000エン。

 例の怪物が10万エンらしい。


「エレウスを倒したの? 凄いじゃない」


 と言われたが、お世辞かどうか判断に困る。

 ゴブリンとの値段の違いは凄いが、他の魔物の相場が分からないので、

「記憶喪失でよく覚えていない」

 と適当にお茶を濁しておいた。


 とりあえずは、仲間も居ないのでS部屋を3日借りることにした。

 2500エンでお得だったからだ。

 長くこの街に留まるなら、30日2万エンパックにしようか。

 まぁ、依頼でどれだけ稼げるかによるが。


 そんな事を考えている間に部屋に着いたので、中に入る。


 うん、良い部屋だ。

 ビジネスホテル程度の広さ。

 ベットもそれなり。

 ビックリしたのは、風呂と水洗トイレがあった事。

 ファンタジー世界には無いものと勝手に思っていた。


 さて、どうしようか。

 もう夕方だし、とりあえずは飯を食おう。

 色々あって今日は疲れた。


 金もエレウスとかいう奴のオカゲでそこそこある。

 暫くはのんびり暮らそう。

 そうしよう。



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