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リトライ

「では、3つめの願いを言ってください」


 天使が言った。



「……え?」


 どうなっている?

 何でまた天使が目の前に……?


「どうかしましたか?」


 そうか、やり直しなのか。

 大金持ちになる事を願う前に戻ったんだ。


「もしもーし」

「ああ、そうだな最高の剣士になりたい」


 怪物が居るような世界なら、カッコよく剣で戦いたい。


「剣士……ですか。わかりました。」


 ボン と音がした。

 これで俺は最高の剣士になった筈だ。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 目が覚めると空が見えた。


 とりあえず起き上がり、後ろに向かって剣を構える。






 構える……剣が無ぇ!



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「では、3つめの願いを言ってください」

「最高の格闘家にしてくれ」



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 目が覚めると同時に起き上がる。


 俺は最高の格闘家。


 後方の怪物に蹴りを入れて牽制しつつ思いっきり殴りつけ、骨を砕き、怪物を絶命させた。


 倒すには倒せたが、自分の拳も痛い。

 格闘家といえども、それなりの武器が必要なのかも知れない。トンファーとか。


 俺は、別の戦い方を考えた。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「では、3つめの願いを言ってくだ」

「最高の魔法使いにしてくれ。攻撃魔法も、治療の魔法も、この世界で使えるどんな魔法でも使える、最高の魔法使いだ」

「……即答ですね。ちゃんと考えてます? いや、結構具体的でしたケド」



 天使が訝しげに聞いてくる。


「熟考した結果だよ」

「まぁ、貴方が良いなら良いですけど……」



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 目が覚めると同時に起き上がる。


 俺は最高の魔法使い。


 とりあえず、後ろに向かって電撃をお見舞いする。


 ぐおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!


 俺に襲いかかろうとしていた怪物が、苦悶の声を上げる。

 ついでに、痺れて動けなくなっている。


 俺はその隙に最大威力の炎を放った。


 怪物は一気に燃え上がり、死んだ。


 ……よし、今回はうまくいった。


 うん、実は魔法使いでも何回かやり直した。


 最初は初撃の魔法当てた時点で油断して死亡。


 次はちょっと怪我して、実は回復魔法が使えないと分かってやり直し。


 で、今回。


 うん、この能力は結構使えるかもしれない。

 やり直しで戻る時間も自由に決められるようだ。


 さて、この怪物の死体はどうしよう?

 パターンだと、素材が売れたりするんだろうけど、どの部位が売れるかは分からない。


 かといって、そういう「知識」をもらうと今度はイケメンか魔法が使えなくなる。

 やり直す能力は手放す気は無い。


 まぁ、いいや。

 ここは街道。

 歩いていれば、商人の馬車くらいには出会うだろう。


 その商人に色々聞けばいい。

 ついでに、護衛代でこの世界のお金を手に入れられたら上出来だろう。


 俺は、道沿いに歩き始めた。


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