プロローグ
目が覚めると同時に起き上がる。
俺は最高の魔法使い。
とりあえず、後ろに向かって電撃をお見舞いする。
ぐおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!
俺に襲いかかろうとしていた怪物が、苦悶の声を上げる。
ついでに、痺れて動けなくなっている。
俺はその隙に最大威力の炎を放った。
怪物は一気に燃え上がり、死んだ。
……よし、今回はうまくいった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
俺の名前は 結城昭光。
サラリーマンだ。
一応、給料は同年齢の平均よりは上。
だが、彼女いない歴=年齢だ。
まぁ、顔はあまり良いとは言えないし、趣味はゲーム。
仕事でも趣味でも出会いのきっかけすらない。
そろそろ彼女や結婚とか諦めようと思っている。
童貞は捨てたいが、そこは風俗でいいか。
そんな事を思いながら、ゲームをプレイしているとき、少し家が揺れた。
「……地震?」
最近頻発するので、慣れてきたがうっかりミスプレイをしてしまった。
リセットしてセーブ地点まで戻る。
「人生もリセットできればいいのになー」
そんな言葉が口から出る。
先日も、つまらないミスをしたせいで、数日残業漬けになってしまった。
あの時も、ミスする前まで戻りたい!と思ったものだ。
まあ、誰でも大なり小なり思う事だろう。
だが、現実にはセーブもロードも無い。
覆水盆に返らず だ。
よし、今度は上手く切り抜けた。このまま最高記録出せるか!?
まぁ、自己最高だけど。
世界ランカーとか、頭おかしい数字出してるけど、あんなの無理!
……グラ
揺れたけど、無視!
ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
一際大きく揺れて、俺の意識は途絶えた。
ああ、最初に揺れた時、
逃げていればよかった……