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プロローグ
想像すること、それは時に人々の考え方を豊かにし、時に人々を狂わせる元凶にもなり得る無限の可能性、絶望性を秘めた人類の武器。
人々が考え、何かを生み出していくことによって、世界は技術力を進化させ、現代社会へと発展させてきた。
それは時に、誤った道へと進むこともなかったとは言えない。
しかし、その失敗すらも糧とし、人類の技術は進化を遂げてきた。
それが、地球上の人類が重ねてきた歴史である。
想像することは、何か別の手段を経ることで現実化させることしかできない。
だがそれは、我々が知る世界での話。
地球上の人類は、知らない。
想像を具現化するために必要な手段を取り除くことのできる、同じく人類の住む星のことを。
これは、地球からは観測することの出来ない、遠く離れた星での、現実離れした現実の話である。