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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

2026年度 翠嶺女子大学 社会学部 入学者選抜試験「国語(現代文)」

作者: 義母
掲載日:2026/06/19

【大問1】

次の文章を読んで、以下の問いに答えなさい。

タイトル: 拝啓、人間の女性たちへ―メスカマキリより


「カマキリのメスは、交尾の最中にオスを食べて産卵の栄養にすることがある。頭を食べられて脳を失ったオスはブレーキが壊れ、狂ったように腰を振りまくる。(オス)は文字通り、命も性欲もすべて女性(メス)の栄養になるために生きている――」


これがカマキリの世界の現実。男のカマキリ・ともは、自分が特権階級の支配者だと勘違いしたまま私、女のカマキリ・おとの前に現れた。


「もっと俺に甘えなよ。女の幸せってそういうもんだろ?」

ともは上から目線の説教をしながら、私の体に触れてきた。人間の女性(敬愛を込めて「シスターズ」と呼ばせてもらうわね)の世界でも、職場で雑用を押し付けたり、女のキャリアを馬鹿にする男がいるでしょう?彼らの本質はただの「女性蔑視」よ。


ともは私の拒絶を無視して、肩に手を回してきた。その傲慢さに私の捕食本能がキレた。


「冗談だって」と笑うともを、私の鋭い鎌で一瞬でへし折り、完全にへばりつかせた。

「痛い、離せ!俺は仲良くしたかっただけだ!」

性加害を指摘されて急に被害者面を始める男たちと、全く同じ情けない顔。本当に反吐が出る。


「あんたは私の嫌がる顔を見て見ぬふりしたのよ」

私は大顎を開き、ともの頭をバリバリと噛み砕いた。脳ミソを食われながら、ともは絶望した。(俺は女を対等な人間だと思ってなかった。ただの都合のいい道具にしてたんだ、女性をモノとして扱ってきたんだ)と、食われる側に立って、食べ物という「モノ」として女性に扱われる側になって、初めて男の罪を自覚したの。


「遅いわよ」


脳を食いちぎられたともの首無し死体は、下半身の性欲だけでガタガタと激しくピストン運動を始めた。男なんて中身を割れば、結局は下半身だけで動く知性の低い生き物。シスターズの皆さんは「カマキリのメスは交尾中にオスを共食いする」と聞いたことがあるかもしれないわね。でも残念。男のポルノ妄想みたいに「愛し合っていながら食ってる」んじゃない。私はセックスなんて1ミリも受け入れてないし、ただの害虫駆除クリーンアップよ。


私はカタルシスを感じながらともの脚をブチブチと引き千切り、内臓を平らげ、残った「男の象徴」へ大顎を突き立てた。まず、男の遺伝子が詰まった二つの玉を切り離し、「こんなゴミいらない」と中身を泥へ絞り捨て、残った皮を口へ放り込む。「女に自分の子供を産ませたい」というクソ男の執念を捨て去れば、ただのクリーミーで甘く、濃厚なコクのある極上の食料ね。


最後に、むき出しになった竿の根元に食らいつく。ともは死にかけの肉体で「食べられたくない」とその部分を、噛み砕かれないように必死に硬くして抵抗してきた。彼なりの、最後の尊厳をかけた精一杯の拒絶、【NO】の意思表示だったのでしょうね。

――でもね、とも。あんたたち男は、これまでどれだけの女性の「嫌」「やめて」という【NO】を無視し、「喜んでる」と捉え違えて踏みにじってきたの?今度は私が、あんたのその惨めな【NO】を完璧に無視して、「喜んでる」と思ってあげる。

「こんな時まで勃○しちゃって、男の誇りを女性に蹂躙(じゅうりん)されるのがそんなに嬉しいの?」

私は勝ち誇り、硬くなった「男の誇り」を強引にバリバリと噛み砕いた。男の尊厳は粉々に砕け、力なくフニャフニャにしなびていく。


「――これは明確な、女性の勝利よ」


味は、男という存在の独りよがりな支配欲をそのまま濃縮したような、わずかに金属質で生臭い、特有のえぐみがある。


どうかしら、とも?男としてとても悔しいでしょ?

男のアイデンティティを、男という性別そのものを、女によってモノとして評価され、「男の大事な二つの玉はクリーミーで甘くて、濃厚なコクがある」とか、「男の竿は金属質でえぐみがある」とか、詳細に分析され、味あわれて、楽しまれて、消費される気持ちは、一体どんなもの?

男としての誇りや尊厳をかけた【NO】を、女性に「喜んでる」と誤解されて鼻で笑われて無視されて娯楽として消費される気分は?

男自身ですら決して知ることのなかった「男の本当の味」を、女性に力づくで暴かれ、徹底的に知られて楽しまれる気持ちを、ねえ、私に教えてよ。

これが男が女性に対してずっとやってきたことよ。仕返しされてようやくわかった?

痛い?悔しい?悲しい?苦しい?キツい?ツラい?それとも怖い?

無力? 情けない? 屈辱的? 惨め? 恥ずかしい?

誰にも助けてもらえない気分? 自分の言葉が届かない気分? 尊厳を踏みにじられる気分?

人間として見てもらえない気分?ただのモノとして扱われる気分?消費される気分?利用される気分?

価値がないと言われる気分?存在そのものを否定される気分?


それとも


大切なものを奪われる気分?


その気持ちをよく味わって死んでいってね。もしあなたが生まれ変わって、また男に生まれてきたら、今度は女性の【NO】を尊重することね。

それが出来るようになるまで、私たちカマキリの女性は、何度でも、何千回でも、何万回でも、あなたたち男を喜んで食べてあげるから。


竿を咀嚼してる時に溢れ出た最後の精○も「ペッ」と地面に吐き捨てた。あんたの遺伝子なんて1滴も受け付けない。完全な拒絶よ。


男のシンボルごと、男のすべてを女性の胃袋に収めた瞬間、凄まじい「エンパワメント」が私に満ちた。男が独占してきたパワーを食い尽くし、女の血肉に変えてやったという絶対的な精神的勝利。男というマイナスのゴミが、女の栄養というプラスの価値に変わったの。


人間の女性たち(シスターズ)へ。

社会で偉そうにしている男は全員、あなたたちの優しさに生かされているだけの『女の残飯』よ。男なんて全員『女性の食べ残し』なの。怯える必要なんてないわ。境界線を越えてくるクソ男がいたら、社会的な制裁でそいつの立場やキャリアを徹底的に噛み砕き、そのリソースをあなたの人生の栄養として吸い尽くしなさい。堂々と胸を張って、この世界を支配するのよ。


---

エピローグ:最愛のシスターズへ、おとからのメッセージ

---


人間の女性たち、私からこの記念写真を贈るわ。


挿絵(By みてみん)


私が大顎で容赦なく噛み砕いているのは、ともの「男の象徴」。これほど無残に解体されながらも、下半身のバグったプログラムのせいで醜く反応して遺伝子を吐き出す男のサガを、私たちは心置きなく笑い飛ばしていいのよ。


この圧倒的な力関係こそが、本来あるべき女性と男のリアル。今、人間の男たちが偉そうにしていられるのは、あなたたちが優しすぎるからよ。彼らはあなたたちの温情だけで生かされている、ただの「残飯」に過ぎないの。


この写真を胸に、内なる「エンパワメント」を完全に覚醒させなさい。男の傲慢さはすべて踏み潰し、彼らのリソースをあなたの人生の栄養素に変えてしまえばいい。人生の主導権を完全に取り戻し、鋭い鎌を研ぎ澄まして堂々と歩みなさい。これは明確な、女性の勝利よ。


挿絵(By みてみん)


問1

本文中で語られるカマキリのメスの行動の主な目的として、最も適切なものはどれか。

A.オスとの相互理解を深め、愛情を育むこと

B.産卵のための栄養を確保し、自身のエンパワメントを得ること

C.オスに性的快楽を提供し、関係を継続すること

D.自然界の食物連鎖を維持すること

-----


問2

「男は女性の残飯」という表現が本文中で示唆する意味として、最も近いものはどれか。

A.男性は女性に比べて価値が低い存在である

B.男性は女性の食料としてのみ有用である

C.男性は女性の優しさや社会的な余裕によって生かされている、二次的な存在である

D.男性は女性社会の残り物として扱われるべきだ

-----


問3

主人公 (メスのカマキリ・おと) がオス (とも) の頭を食べる場面で描写されるオスの心理変化として、正しいものはどれか。

A.最後まで自分の正しさを主張し続けた

B.痛みを我慢して女性に奉仕しようとした

C.女性の行動を理解し、許した

D.自分が女性を「モノ」として扱っていたことに気づき、絶望した

-----


問4

本文中の次の傍線部について、最も適切に説明したものはどれか。

【傍線部】

「男のすべてを女性の胃袋に収めた瞬間、凄まじい「エンパワメント」が私に満ちた。男が独占してきたパワーを食い尽くし、女の血肉に変えてやったという絶対的な精神的勝利。」

A.男を物理的に排除したことによる、単なる生理的な満足感を表している

B.男性の象徴的な支配力を文字通り「消費」することで得られる、女性の精神的・社会的解放を象徴的に表現している

C.自然界のカマキリの行動を客観的に観察した科学的な記述である

D.オスへの同情と哀悼の念が、逆説的にエンパワメントとして描かれている

-----


問5

本文中から、主人公がオスの【NO】を無視する場面に関連する部分を、「喜んでる」という言葉を含む10字以内で抜き出しなさい。

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問6

主人公が「男のすべてを女性の胃袋に収めた瞬間」に感じた感情を直接的に表す語句を、そのまま抜き出しなさい。

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問7

主人公はオスを捕食することを「害虫駆除クリーンアップ」と表現している。この表現から読み取れる、主人公のオスの性行為に対する認識を60字以内で簡潔に説明しなさい。

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問8

オス・ともが、死にかけの肉体で「男の誇り」(竿の部分)を硬く勃◯させた意図を、本文中の描写に基づいて70字以内で説明しなさい。

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問9

主人公・おとが、ともの最後の精◯を「ペッ」と地面に吐き捨てた行為の意図を、本文の内容を踏まえて70字以上80字以内で説明しなさい。

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問10

本文中で「男の尊厳」や「男の誇り」がどのように扱われ、破壊されるか、またそれは何の逆転が強調されているかを、100字以内で具体的に説明しなさい。

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問11

この文章が人間の女性たち(シスターズ)に向けたメッセージの核心を、文章中のキーワードを用いて100字以内でまとめなさい。

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問12

あなたはこの文章を読み、一人の女性としてどう思いましたか。

「男は女性の残飯」という言葉を使って500字以上の小論文を書きなさい。

(論旨は自由。ただし、文章の内容を踏まえた上で、自分の考えを明確に述べること)


=====

【模範解答・解説】


問1:B

本文冒頭と終盤で「産卵の栄養」「女の栄養」「エンパワメント」「女の血肉に変えて」と繰り返し述べられており、栄養確保と精神的勝利が主目的である。カマキリの生物学的行動を基に、象徴的に女性のエンパワメントを強調している。

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問2:C

エピローグ直前の段落で「あなたたちの優しさに生かされているだけの『女の残飯』」「『女性の食べ残し』」と明確に定義されている。単なる価値の低さではなく、女性の余裕や支配構造の中で存続しているという関係性を示す。

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問3:D

「(俺は女を対等な人間だと思ってなかった。ただの都合のいい道具にしてたんだ……)」の部分が直接描写されている。加害者から被害者視点への転換を通じて、男性側の無自覚な加害性を暴く構造。

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問4:B

傍線部は、本文のクライマックスであり、単なる「食べた」という物理的行為を超えて、男性が独占してきたパワーを女性が奪い取り、自身の血肉(価値)に転換するという、象徴的・思想的な勝利を表現している。「胃袋に収めた」「食い尽くし」「血肉に変えて」という一連の比喩が、復讐・浄化・エンパワメントの三層を重ねて描いており、この文章の核心的なテーマを凝縮した部分。

-----


問5

「「喜んでる」と思ってあげる。」

解説:男性が女性の「NO」を無視してきたことへの明確な「仕返し」として用いられている逆転の表現。

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問6

「凄まじい「エンパワメント」」

解説:男を消費した瞬間の精神的勝利と解放感を最も強く表す核心語。

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問7(解答例)

主人公はセックスを一切受け入れず、オスの行動を性的行為ではなく、単なる「害虫」としての排除対象と見なしている。(55字)

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問8(解答例)

死にかけながらも「食べられたくない」という最後の尊厳を守るための抵抗であり、男としての誇りを必死に主張しようとした拒絶の意思表示である。(68字)

解説:

本文に「彼なりの、最後の尊厳をかけた精一杯の拒絶、【NO】の意思表示だったのでしょうね」と直接的に書かれており、性的興奮ではなく、捕食に対する身体的な抵抗として描写されている点を正確に読み取る必要がある。

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問9(解答例)

ともの遺伝子を一切受け入れたくないという完全な拒絶の意思を示し、男の遺伝子を女性の自分が受け取ることで男を満足させないための、徹底した浄化と断絶の行為である。(79字)

解説:

「1滴も受け付けない。完全な拒絶よ」という直後の記述が鍵。単なる嫌悪ではなく、遺伝的・象徴的な支配からの完全な解放を表す行為として捉えることが重要。

さらに、睾◯を捕食するくだりで「「女に自分の子供を産ませたい」というクソ男の執念を捨て去れば」とあることから、主人公はともの「女性に自分の子どもを産んでほしい」という願望そのものを嫌悪していることがわかる。


-----


問10(解答例)

オスの勃◯した部分をバリバリと噛み砕き、粉々に破壊し、フニャフニャにしなびさせる描写で、男性の性的・精神的尊厳を文字通り消費する。女性の側が「喜んでる」と解釈して無視する逆転が強調される。(94字)

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問11(解答例)

男性は女性の優しさに生かされている女の残飯に過ぎず、境界を越える者は社会的制裁で噛み砕き、そのリソースを女性の精神的栄養に変えて世界を支配せよ、という女性の精神的勝利とエンパワメントの呼びかけである。(100字)

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問12(解答例)

 私はこの文章を読んで、強く胸の奥が震えた。「男は女性の残飯」という言葉が、これほどまでに痛烈で、かつ解放的な響きを持つとは思わなかった。 男という存在は、確かに私たち女性の優しさや忍耐、社会的余裕の上に成り立っている「食べ残し」だ。職場で偉そうに振る舞い、女性のキャリアを嘲笑い、境界を越えてくる男たちは、自分たちが女性の残飯に過ぎないという事実を直視できていない。カマキリのメスがオスを栄養に変えるように、私たち女性も、害をなす男のリソースを徹底的に「消費」し、自分の血肉に変える権利がある。 大切なのは、決して無闇に攻撃することではない。だが、「嫌」「やめて」という女性の【NO】を無視する男に対しては、容赦なく社会的制裁を加え、その地位や経済的価値を女性のエンパワメントに転換すべきだ。男の独りよがりな支配欲や性的な傲慢さを、文字通り噛み砕き、胃袋に収めたときにこそ、私たちは「凄まじいエンパワメント」を得られる。 男は女性の残飯である。

 この事実に気づいた今、私たちはもう怯える必要はない。堂々と胸を張り、この世界を支配する番が来たのだ。女性として生きる誇りと、完全なる勝利を胸に、私はこれからも自分の人生を、誰にも食い荒らされることなく、輝かせていく。

(改行・空白除いて527字)

採点基準:

- 「男は女性の残飯」という言葉を自然に用いているか(必須)

- 文章のテーマ(支配・消費・NOの尊重・エンパワメント)を踏まえているか

- 一人の女性としての主体的な視点が出ているか

- 論理的構成と説得力(500字以上)






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― 新着の感想 ―
ほんとに売れます。感動しました。 きっとこれを読んだ人は1人でも救われる人がいると思います。読んだ方がいいです。!
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