7話 人間の世界(雨宮和輝視点)
閲覧ありがとうございます!
雨宮さんは藻部さんのことです
今回もよろしくお願いします
おれは普通の家庭で育った。
両親だってちゃんとおれに向き合ってくれたし、
学校に行ってもいじめられなかったし、
友達と言える存在もできた。
でも…なんの取り柄もなくて、才能もない、
埋もれてしまって、誰にも見つけてもらえない人間。
つまり「モブ」ってことかな。
テレビを見て、歌手やアーティストを見ていると、
才能があって羨ましい、
見つけてもらえていいなって思ってしまう。
別に誰かに見つけてほしいわけではない。
おれはちゃんと勉強して、友達ともたくさん遊んで、
高校を卒業するんだ…。
高校を卒業した。みんな涙を流している中、
おれも今までのことを思い出し、涙を流した。
それから友達と記念に写真を撮ったり、
先生たちに挨拶回りをした。
両親はその夜、盛大に祝ってくれた。
さぁ長い休みが終わったら社会人だ。
就職先はもう決まっている。
それまでゆっくり…。
社会人になった。最初は右も左も分からず、
何をすればいいか分からなかったが、
周りの人が優しく、手とり足とり教えてくれて、
おれはそれなりに仕事をできるようになった。
多くの人は仕事は苦だと思っているが、
おれはそう思わなかった。
任された仕事を、ただパソコンでこなすだけ。
なんなら楽しいかも。
社会人4年目、おれは指導係として
新入社員を指導することになった。
その新入社員の名前は夏森涼音さん。
中学を卒業してからここで働くことになったらしい。
それにしても…可愛い…。
夏森さんは15歳なのにしっかり者だ。
愛想がよくて、それに…笑顔が可愛い!!
仕事もできる子だしすごいなぁ…。
多分おれは夏森さんに恋している。
で、でも!22歳と15歳だぞ?!おれが犯罪者になってしまう!
この気持ちは心に秘めておこう…。
でもアピールはしたい。ついつい昼休憩の時に、
ご飯に誘っちゃったり、仕事終わりに
ブラックコーヒーは苦手かもしれないと思って、
甘いカフェオレを渡してみたり…。
いつか夏森さんが20歳になったら、思いを伝えたいなぁ…。
夏森さんが死んだ。
弟さんと廃墟ビルから飛び降りて心中したらしい。
夏森さんにとって、
おれはただの先輩だったかもしれないけど、
辛かったのなら相談してほしかったなぁ…。
失恋した上に好きな人がいなくなってしまうなんて。
でも、仕事はしなきゃ…しんどくても…。
おれの上司が、おれの様子を見て心配してくれて、
飲みに誘ってくれた。
そこでおれはやけ酒してしまった。そして情けなく泣いた。
上司に夏森さんが好きだったことを暴露してしまった。
でも、上司は気づいていたって笑われてしまった。
会計は上司が全部払ってくれた。
上司に「あんまり思い詰めすぎんなよ」って、
肩をぽんってされた。優しいなぁ…。
夏森さんのことはしばらく引きずるだろうけど、
夏森さんのためにも頑張るしかない。
今日は金曜日だから、土日はしっかり休もう。
おれは電灯で照らされた夜の道を歩いていたが…。
酔っていたが、
目の前のものを見た瞬間、酔いが一気にさめた。
おれの目の前には、大きなトラックだった。
…ん?なんでこんなばしょにいるの?
てか、今までおれ、何していたっけ?
…おれって…なんだっけ…
死雫「お目覚めのようだね」
ブラッディー「おはよ〜!」
まず、自己紹介した方がいいかも。
?「おれは…えっと…その…」
あれ、おれの名前ってなんだっけ?
今までどうやって生きてきたっけ?
なんでここにいるの?
死雫「…稀に起きる、記憶喪失だね」
ブラッディー「別に珍しいものでもなくない?」
おれは記憶喪失になってしまったらしい。
だから、名前も、前世も、全て思い出せない。
死雫「そんな君を、エスケープに招待しようと思うよ。」
エスケープとは、多分異世界のことかな。
なんか…記憶喪失のおれが異世界なんて、
小説のあらすじみたいで面白いな…。
この先の裂け目をくぐると、エスケープらしい。
おれはその裂け目をくぐろうとしたその時。
ブラッディー「キミが好きだった、
女の子とまた出会えるといいね」
おれに好きな人…?そんな人がいたの…?
まぁ気にしなくていいや。
死雫「精々頑張って生き延びるんだよ。」
裂け目をくぐると、そこは草原だった。
…え、何したらいいんだろう…。
分からんない、どうしよう……。
おれがアタフタしていると、
姉弟らしき2人がおれに話しかけてくれた。
閲覧ありがとうございました!
次回もよろしくお願いします
雨宮さんの前世資料
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