赤い侯爵と白い花嫁・クリスマス特別編
赤い侯爵と白い花嫁のカリスとアリア、クリスマス特別編です。
雪の森での、二人だけの静かなひととき。
黒い木の枝という枝に、白や銀、それと赤色の飾りが揺れ、小さな光が瞬いている。
冬の澄んだ空気の中、吐く息は白く、星のようにすぐ消えた。
「カリス様、見てください!ここ、もう少し飾れますよ」
アリアは夢中になって枝に手を伸ばす。
冷たい空気も、指先のかじかみも、飾り付けに夢中になっている今のアリアには気にならなかった。
「アリア、そこは高い。俺が……」
カリスが言い終わるより先に、足元の雪がきしむ音がした。
「あ……!」
バランスを崩した瞬間、世界がふっと傾く。
次の瞬間、アリアの身体はしっかりとした腕に包み込まれていた。
「……だから言っただろ」
低く、けれど決して責めていない優しい声。
カリスはアリアを抱き止めたまま、ぎゅっと腕に力を込める。
アリアを胸元に押し寄せる温もりと、心臓の音がはっきりと伝わってくる。
(カリス様のぬくもりが……)
カリスのぬくもりが、胸の音が何故か恥ずかしくて思わずアリアは顔を逸らす。
「カリス様。もう大丈夫です……」
「大丈夫じゃない」
即座に返されて、アリアはきょとんとした。
「……俺の心臓に悪いから」
(もし君が怪我をしたらと思うと……)
そう言って、カリスはアリアの額に唇をそっと寄せる。
冷えた頬を、親指で確かめるようになぞりながら。
「無理しちゃダメだよ、アリア」
その言葉は、氷の侯爵ではなく。
ただ、彼女を大切に想う夫の声だった。
「……はい//」
アリアは小さく頷くと、カリスの胸に額を預ける。
黒い木の上では、飾りが風に揺れ、柔らかな光が二人を包んでいた。
まるで、この静かな幸せを祝福するように……
これだからカリスとアリアはいけない!(´;ω;`)
カリスとアリアの二人のクリスマスを読んで頂きありがとうございました。静かに降る雪の中、二人だけは暖かいのです……(´;ω;`)
またお会いしましょう。最後まで読んで頂きありがとうございました。




